いいのかよ? 本気で抵抗しないとキスするぞ

楽園暮らしはどうですか?

rakuengurahi wa doudesuka

楽園暮らしはどうですか?
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神40
  • 萌×227
  • 萌8
  • 中立2
  • しゅみじゃない22

--

レビュー数
14
得点
334
評価数
99
平均
3.6 / 5
神率
40.4%
著者
夕映月子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
高峰顕 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
価格
¥710(税抜)  
ISBN
9784576170220

あらすじ

地方鉄道勤務の朝霞は学歴と鉄オタを引け目に思い、憧れの職に就いたのに理想には程遠い日々。
へこむ朝霞に手を差し伸べたのは運輸部のイケメン先輩・市川で……。

地方鉄道会社、日本海電気鐵道――通称かいでんに鳴り物入りで入社した朝霞は同僚たちから嫉妬混じりに「東大クン」と呼ばれ居心地悪い毎日。
人の機微には疎くても何より鉄道が好きなのに……。そこへ声をかけてきたのは運輸部の運転士・市川。
あまりのイケメンぶりにまるで接点を見いだせない朝霞だったが、一人はさみしいからと部屋に上がり込まれ、連日鍋をする羽目に。
「俺とつきあう?」口調の軽さとは裏腹に、問う眼差しは真剣で……。

表題作楽園暮らしはどうですか?

29歳,運輸部運転士
24歳,地方鉄道勤務の鉄道オタク

その他の収録作品

  • 楽園にもすれ違いはある(書き下ろし)
  • あとがき

レビュー投稿数14

明るいイケメン×地味な鉄道オタク

鉄道オタクでアットホームな社風に馴染めない受けと、社交的で明るいイケメンの攻めが仲良くなっていく過程が楽しかったです。
強引に鍋に誘われたことをきっかけに人気者でイケメンの攻めと関わり、最初の苦手意識は解けていき、攻めがきっかけで反りの合わなかった先輩たちとも次第に上手くいくようになる受けくんに、親のような気持ちでよかったね…と安堵していました。笑

田舎であるが故にゲイとして生き辛かったり、受けの好きな鉄道は廃線になったりとうらさびしく感じる部分もあるのですが、人の暖かさや時間がゆっくり流れていそうな雰囲気が作品に出てて好きですね。
また時間を空けて読み返したくなる作品だと思いました。

6

とっても×3いいお話、二人も最高!

とっても良かったです。これぞ自分の思い描くTHE BLです。
お話も登場人物も設定も展開も何もかも最高でした。これまで自分で読んできた中で同性相手にこんなにちゃんと葛藤したりするのは初めてかもしれません。

好きな鉄道会社に就職して楽園になると思っていた朝霞は人付き合いが苦手で言葉選びも下手で周りと上手くいかず東大君と揶揄されて浮いています。

そんなところにたまたま出会った運転手の市川。
朝霞が自殺を考えてるのでは?と市川が押し掛けたり鍋に誘ったりするうちに朝霞の不器用だけど真面目で自分のどこがいけないのか本気で質問したり、可愛いところに惚れちゃって。口説きにかかります。
朝霞が市川と過ごすうちにどんどん成長し社内でも可愛がられて上手くいくようになるのはとっても良かったです。

そして市川とのことを真剣に考える朝霞。なかなかここからがリアルさがあり読みごたえがありました。
そして当て馬西浦との歩道橋の上での決着など、なんと男前に成長したのだろう!
朝霞はちゃんと市川の孤独や過去の行動や本気を考えて、全てを受け止めて添い遂げる覚悟を見せます。

朝霞がとっても可愛いですよね!
何もかも市川が初めてで。市川に体も恋心も慣らされて育てられて。

それに市川に出会えて楽園を作れましたね。

お互いがお互いのことを良く理解していてお付き合いが始まってからは無駄な意地の張り合いやすれ違いもなくて、市川にとっては朝霞は世界一可愛くて色気があってエロくて、でも仕事が出来てかっこ良くて惚れ惚れしてますね。
朝霞も最初は市川を自分と正反対のキラキライケメンチャラそうと思ってましたが、色々知るうちに全てを愛しくなって。

最後の短編は市川視点です。
社内会議で対立します。ですがまさか朝霞がそんな理由で市川を避けてたとは!
でも市川が朝霞に避けられても悩んでるであろう朝霞を気遣い見守り連れ出すのとか、もう最高だよ!
そして朝霞が市川を避けてた理由が乙女かよ!可愛いすぎか!
そして宿直室でのエッチが。もう市川のモノローグに悶えます。
【自分好みに熟れていく恋人】とか【快楽に従順なからだと、羞恥に震える心】が市川の感情と劣情をダイレクトに揺さぶって。光源氏か!オヤジか!恋人最高だよ!

久しぶりに神作品に出会えました。
ずっと気になってた作品でようやく読めてしかもこんなにいいお話で大満足です。

4

好きの気持ちと「普通」について考える良作

普通ってなんなんでしょうね。
読み返す度に、ふとそんなことを考えてしまう。
人によって、見る角度によって、「普通」というものの感覚とはそれぞれ異なるもので。
それでも、いわゆる世間一般的なふんわりとした基準は存在する。
そんな、時として息苦しさや重さを感じる「普通」について考える事柄を上手く織り交ぜながら、どこにでも居そうな人達の成長と恋愛を真面目に描いた、地に足の着いた素敵な作品だと思います。
しかも萌えまでたっぷりとある。
夕映先生作品の中でも好きな作品の上位に入ります。

同性がトントンと付き合って、ひたすらに可愛いカップルを見守るBL作品ももちろん素敵なのだけれど、この作品はゲイとノンケの組み合わせのBLだからこその醍醐味というのかな。
同性に対する「好き」だったり、自分のこと、相手のこと、将来のこと…
社会のことや、地方でマイノリティの当事者となることなど、繊細な部分もじっくりと丁寧に、真摯に描かれているのがすごく好きで。
深い部分まで描かれているのに読んでいて堅苦しさを感じないのは、上にも書いた通り、メイン2人がどこにでも居そうで親しみやすさを覚えるようなキャラクターだったからなのかも。

日本海側にある、地方の鉄道会社に勤務する20代の男性2人。
鉄道関係にそこまで多くの関心がない方は、もしかしたらこの設定であまり惹かれないなあという方もいらっしゃるかもしれない。
実を言うと私もその口でして、大変失礼ながら、設定だけを見るとそんなに惹かれるものがなかったんです。
ところがですよ。いざ読んでみると、これがなんだか素敵なお話ではありませんか。
鉄道という設定がお話に絶妙に混ざって溶け込み、こんなにまろやかで深みのある味付けになるだなんて思いもしませんでした。
気付けば一気に読んでしまい、いつしか初読から何度か読み返したくなる作品のひとつとなっている次第です。

高学歴で優秀だけれど人付き合いが不器用な朝霞。
一方、自然と周囲に人が集まりそうな雰囲気のある社交的な男前、市川。
真逆な雰囲気の2人がふとしたことから交流を持ち、やがて先輩後輩の関係が変化していく…なんて、よくあるスタンダードな設定を非常に魅力的に描いているのが流石。
市川に手を引かれるように、少しずつ学び、成長していく朝霞が可愛いやら、素直で真っ直ぐな芯の強さが心強いやら。守られるだけの受けじゃない。
同性との恋愛についてじっくりと悩み考える姿も前向きで好感度が高いです。
そして、誰に対しても明るく嫌味のない性格の市川。でも、本当は寂しがりの愛らしい人。
明るい彼も本当の彼だとは思うのです。ただ、これは彼なりの処世術だったのかもしれないなとも思うと、朝霞と出逢えて本当に良かったねなんて気持ちに。

受け視点の作品ってどうしても受けの心情に肩入れしがちなのですが、こちらの作品は受けにも攻めにも肩入れしたくなってしまう。キャラクターの内面の丁寧な掘り下げが良かったですね。
市川によって朝霞が良い方向へと変わっていくお話だけでは終わらないんです。これ以上ないほど、良い組み合わせの2人なんじゃないかな。
2人とも素直に言葉を口に出せる人なのも好印象。
市川の朝霞溺愛っぷりも気持ちが良い甘さなので、甘やかし溺愛攻めがお好きな方もぜひ。
市川視点の短編も可愛らしいのですけれど、本編と矛盾している部分があって少し疑問に思う箇所もあります。
ですが、全体を通して読んでのこちらの評価で。

「好き」の気持ちが優しく心地良く、良いBLを読んだなという気持ちになれる作品です。
作中で2人がお鍋を囲むシーンやココアを飲むシーンが登場したりして、冬の寒い日にぴったりな暖かさも感じられる1冊。

3

イケメン、ずるい!!

受が可愛い!!
東大出で、周りから東大くんと陰で呼ばれ、何をしてもやっかみの対象になってしまう朝霧。大好きな鉄道会社に勤めたのに、廃線になってしまう悲しさを抱いて駅に立っていたら、自殺志願者と勘違いされ声をかけられた。相手は運転士の市川。キラキラしているイケメンに、なぜかそれからつきまとわれる。

何をしても様になる市川を、朝霧が「イケメン、ずるい」など心の中で囁くのが、本当に可愛い!!
市川と鍋をすることに慣れ、会話をするのが心地よいと感じ、ずっと一緒にいたいと思うようになるのですが、市川からの突然の告白にノンケの朝霧は心底悩みます。仲のよい先輩から、恋人になるまでしっかりと書き込まれていて、ゲイ×ノンケの良さが出ていました。
『楽園にもすれ違いはある』を読むと、より朝霧の可愛さを実感。うんうん!わかる!と市川目線で楽しめました。

エッチの場面での挿し絵が多く、爽やかな作品ですが、エロさもあるなぁと言うのを感じました。

2

真面目に誠実に恋を。

2人の真面目に恋をしていく姿が好印象のお話でした。


受け様は、地方の鉄道会社に勤めている鉄道オタクの朝霞。
好きな鉄道に囲まれた生活で楽園だと思っていたのだけど、人付き合いは不器用で、いまだに馴染めていない。
その上、大好きな沿線の廃線が決まり、それを推し進めていかなければならない立場で、やりきれなさで参っていた時、先輩運転士と親しくなる。

この運転士こそ、攻め様であるゲイの市川。

一生懸命で真面目で不器用。
切れ者かと思っていた朝霞のギャップがかわいく、素直になついくれる朝霞に惹かれていく市川の様子が、受け様の朝霞視点なのににじんじゃってる(///ω///)♪

市川から告白され、その好意は嬉しいし、自分も好きだけど、とまどいつつも、きちんと真面目に考えてる朝霞の誠実さがとても好きでした。
市川の恋人になる、と決めたらまっすぐなのもいい(⌒‐⌒)
一般的な『普通』とは違う生き方になる、ということをきちんと理解して覚悟もしているのに惚れ惚れしちゃいました。

そして、本気にならず遊んでいた市川が、まじめなお付き合いをしたいと望み、誠実に口説いて朝霞を求めるのもよかった。
恋人になったらめっちゃ溺愛してますですよ(///∇///)

最期に市川視点が入ってますが、萌えでございました。
やっぱり溺愛の攻め様視点って読んでいて楽しい〜(///ω///)♪



イラストは高峰顕先生。
イケメンの市川とすれてない素直さがにじんでる朝霞の姿がイメージにぴったりでした。

2

「普通」とは一体なんだろう?と考えたくなる作品

やー…良かった…萌えて仕方なかった…
と同時に、とても考えさせられるテーマを持った素晴らしい作品でした…

ひなびた鉄道会社の先輩社員(ゲイ)×後輩社員(ノンケ)の物語。

付き合い始めてから(いや、その前からも!)めっためたに朝霞(受)を甘やかす攻めと、攻めに「かわいい、かわいい」言われてとろとろになっちゃう受け、どちらも最高でした✨

純情で何も知らないノンケの受けが、優しく優しく一つずつ性愛のなんたるかを教えられ、手解きを受けていく過程にも萌えまくり。。

そして何より!
同性愛者の抱える孤独に切り込んで書かれたストーリーに胸打たれました。

「自分の家に人を呼んで鍋をして、その人が帰ってしまうとさみしい」と攻めが話すのを聞いて、私も最初は受けと一緒に「すごく寂しがり屋の人なのかな」なんて思っていたんです。

でも物語を読み進めて、ああそういうことじゃなかったんだな、、と。
世間一般の言う「普通」とは違うところにいるゲイである市川が抱える、もっと深い深い意味での、孤独。

人付き合いや人のあしらいが上手く、世渡り術に長けた市川(攻)だからこそ、ちらりとかい見えてしまう孤独の深さとリアルさに、より切なくなってしまう。

攻め視点では「普通」とは違う自分が抱える孤独に悩み、受け視点では”ノンケでありながら同性からの愛に応えることの重み”をあらためて意識・考えさせられる作品でした。

印象的だったのは、朝霞が市川に語った言葉。

男同士のカップルである自分たちの関係は、この小さな会社内では絶対にバレてはいけないもので、退職するまで隠し通さなければいけない、と気付いた朝霞が、そのことをどう捉えるか、を市川に話すシーンです。
もーーーこれを聞いてしまったら、朝霞を愛さずにはいられないよね!!と、心の中で太鼓ドンドドン!市川と一緒に大興奮ですよ…

夕映先生のあとがきにもあるとおり、もうこれから市川は、覚悟を決めた朝霞の手を離さずに大切に大切にして生きていってください!いや、そうなるだろう!と確信。

キャラもストーリーも大好きだったんですが、「鉄道(しかもひなびてる)」が舞台なのもまた、ロマンを感じさせてくれるお話でした・:*+.

1

読み応え抜群のゲイ×ノンケ物

あらすじ:
地方鉄道勤務で鉄道オタクの朝霞(受け・24歳)は、5歳上の先輩で運転士の市川(攻め)と仲良くなり、自宅でたびたび鍋を囲む仲に。
ある夜、「俺とつきあう?」と冗談のような口調で問われ…

朝霞は、鉄道好きが高じて鉄道会社に就職した鉄オタ。
職場で唯一の東大出身であることから周囲にやっかまれ、そのことに居心地の悪さを感じています。

そんな朝霞にフレンドリーに声をかけ、彼が鉄オタと知っても引かずに接してくる市川は、一見チャラいけど包容力のある男前。

童貞で人付き合いに不器用な朝霞が、市川のナチュラルボーンイケメンぶりにいちいち憧れたり、嫉妬したりしているのが可愛いです。

物語前半はほのぼのお仕事モノっぽい雰囲気ですが、市川が実はゲイだと判明してからは、ややシリアスな要素も。

市川に告白される朝霞ですが、市川の元カレの登場で、彼が元遊び人だったことを知ってしまいます。
そんな市川の過去や、市川をフッて結婚した元カレの生き様から、地方でゲイであることを隠して生きることの辛さ、そんな中で一人の相手と長く付き合うことの難しさが浮かび上がってきます。

そんな市川の過去を知った上で、彼とちゃんと付き合いたいと結論を出す朝霞。
童貞で年下だからといって市川に甘えるのではなく、大人同士対等に付き合おうとしているところがとても素適です。

全体として、ゲイとノンケが恋人同士になるまでの流れや、付き合い始めてからの進展具合など丁寧に描かれていて、大変惹き込まれました。

人生の選択には代償がつきもので、決して楽しいことばかりではないですが、それでも好きなもの、好きな人と共に生きていく。
そんなシビアかつハッピーな「楽園」が描かれていて、等身大の大人のラブストーリーとして大変読み応えある一冊です。

16

キラキライケメン運転士×堅物エリート鉄オタ

鉄道オタクが高じて地方の鉄道会社に就職した受け。しかし高学歴と、融通の利かない性格のため会社でも持て余され、同僚からも嫌われる始末。そんなある日、ぼんやり自社の電車を眺めていたら、自殺志願者と間違えた運転士の攻めに声をかけられて…。


鉄オタな受けが色々疲れ果て、精神的に追い詰められていたところを、明るくイケメンな先輩運転士に構われるようになる、というお話です。
受けは、優秀なのに人との接し方がド下手な社内勤務の堅物くん。対する攻めは現場の仕事の懐っこいイケメンリア充という正反対な2人。
同じ会社で同じ寮ながら、それまで接点はなかったのに、受けが自殺志願者と間違われたことをきっかけに付き合いが始まります。
攻めは人懐っこく寂しがりで、1人で鍋をするのが寂しいから一緒に食べよう、とガンガン誘ってきます。受けは、最初はすごく迷惑がっていましたが、鉄オタがバレたのに引かれなかったことからもすぐに懐き、週3ペースで鍋をつつく仲に。
仲のいい先輩後輩として付き合う中、偶然攻めの元カレと遭遇した受けが攻めのセクシャリティを知ってしまい、以後攻めから口説かれはじめます。

まだ受けが攻めを迷惑がっている時、懐いて仲良くなった時、攻めがゲイだと分かって口説かれ始めた時、結ばれて恋人同士になった時、それぞれ場面での2人の関係の変化がとても鮮やかに描かれていて、映像作品を見ているような印象がありました。舞台がローカル鉄道だということもあり、映像になったらすごく映える作品だろうなと思ったり。
基本ほのぼのな雰囲気ですが、マイノリティの悲哀ががっつり描かれています。いろんなことを諦めていた攻めのいじらしさや、明るい態度に隠された臆病さ、それを打破する受けの天然な男前さにジーンとさせられました。

エロも良かったです。経験皆無の受けと経験豊富な攻めのエッチは鉄板ですね。
あとイラストも絶品でした。フェラのシーンでは「このtnkどこから生えてんだ?」とか思ったりもしましたが、キャラの顔はもう最高です。キラキライケメンな攻めや攻めの元カレさんが美しかった。

9

正反対の二人の鉄道物語

受けがノンケのパターンってあんまり読んだことがなかったので新鮮でした!

鉄道オタクのモテない受けが接点なさそうなキラキラ攻め様に絡まれ、鍋友達になり。。。
あれよあれよと言う間にものにされます。

受けの智行は東大卒のエリート。攻めの市川はコミュニケーション能力抜群で容姿端麗なモテ男。
物語は会社でなかなか居場所を見出せない受けの智行の視点でスタート。市川の助言や働きかけで徐々に職場での居場所を見つける智行。それとともに心を許し惹かれていきます。これは先輩への尊敬??友情??それともそれ以上??
人生順調そうな市川ですがその飄々とした表の顔の裏には田舎でゲイであることを隠しながら生きる切ない事情が。。。
西浦さんというこれまた素敵な当て馬さんが登場します。
西浦は市川の元恋人でゲイでありながら女性と結婚した既婚者。
市川を智行から奪おうとします。

見た目に反して男気ある智行。
悩みながらも最終的にはきちんと市川に想いを伝え西浦常務を撃退するんですね。
恋人を守るために上司に果敢に攻めいるかわいい健気受けです。
智行がまっすぐな恋愛をするのに対して、西浦は本気の恋愛が面倒だと思っているタイプ

個人的にこの方がすごく好きなキャラです。
是非とも本気の恋愛から逃げていた西浦が変わる物語を。。。と思ってしまう。

背景にあるローカル線ののどかな雰囲気。
滋味にとんだお話でした。

智行と市川がそれぞれ抱えている秘密と孤独。
お互い惹かれ合いながら自分の孤独と向き合っていく。

そして秘密を共有して生きていく。

なんだか心が強くあったかくなります。

7

『人生の楽園』とは何であろう?と考えてしまった

電子書籍で読了。挿絵有り。

知り合いに『筋金入りのテツ』がいます。「なんでそっち関係の仕事を選ばなかったの?」と聞いたら「仕事にしたら嫌なこともやんなきゃならないじゃないですか」と答えられました。このお話の冒頭、朝霞くんはまさにさのまっただ中にいるわけで「確かにな」と思った次第です。
『楽園』って何なんでしょうね。以前極楽についての説明を聞いた時には『綺麗な風景に良い音楽が流れていて良い匂いがして、黙っていても幸福感が溢れるところ』と言われましたが「退屈そうだな」などと不敬なことを思ったりしたんですね。
このお話で描かれる『楽園』は、単に楽な所とは違う。まず、やりたい仕事が出来る環境にあること。たとえそれが今すぐ実現できなくとも、自分を解ってくれて、目指す所に行くためのアドヴァイスをくれる人がいる所。
うん、すごく楽園だね。これってすごく幸せだと思います。

思いもかけず大変よろしかったのは(私基準ですが)セクシャルなシーンがとても色っぽかったこと。堅物感満載の朝霞くんが乱れるお姿はとてつもなく色めいております。『エロ度標準的』なんかじゃない。『エロエロ』ですよ、これ。

一つだけ難を言えば本編で『朝霞』という名前にルビがふっていなかったこと。浅学の私には読めませんでした。それ以外は、読了後すぐに夕月さんの別作品数作ををポチってしまうくらい大満足。お気に入りの一冊となりました。

6

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