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planetariumshika arukenai
いきなりでなんですが、万人ウケはしないと思います。まずは絵柄で読者を選ぶでしょう。絵柄はさておき(スミマセン)、個人的には作風が好みなので、もっと作品を読んでみたい作家さまです。
この作品は昨年の一月、リブレから『まよなかにあまいかおり』と同時配信されました。キャッチーさは無いものの、想像力で余韻を楽しむ、酸いも甘いも噛み分けた大人好みかと思われます。
表題作他、四作品収録。
「プラネタリウムしか歩けない 前後編」
大学生の内田が通学途中で拾った免許証。目の前にあった邸宅の敷地に入ると、窓から見えたのは艶かしい男の痴態。その男は内田が通う大学の教員だった。秘密を抱えた孤独な男と、苦労して大学に通う三十男が二度結んだ情交。その理由を思うとちょっと悲しい。
「ファイル名/NANAO I II III IV V」
もともとノンケだった龍侍が歳下のカレシと別れて以後、ゲイ専用サイトで宗二郎と知り合って八年。初めてリアルで会った二人は、カフェからラブホへと場所を移し…。オチと最後のコマに吹きました。
「御昼下がりの華の君」
時代モノ。木ノ下家の子爵が密かにハマっている官能小説。使用人の国松が作者だと知る子爵は、官能シーンのくだりを自分相手に実演するよう本人にせがむ。ご主人様(しかも少年)を相手に…と酷く狼狽する国松だったが、子爵の高圧的な態度とウブな可憐さのギャップに惑わされ…。ライトなショタ受け。攻めが受けのお尻を責める時の擬音が笑えます。
「君の居る町」
父親が倒れたため、東京から青果店を営む実家に戻ってきた山黒はゲイ。地域活性化を願い、せっせと地元の商店街で買い物を続ける小野辺は地味なサラリーマン。地方の町のシャッター商店街で芽生えた、ささやかで真摯な恋を描いた物語。
「さよならによろしく」
舞台は某企画会社。葉中は辞職を機に、思いを寄せていた職場の先輩・庄動をバーへ誘い、「抱かせてください」と捨て身の告白。ホテルでコトを済ませた?二人だったが、庄動は可愛がっていた葉中の様子が気掛かりで…。誇り高きへなちょこ攻め×絆されオジ受けのハッピー・エンディングです。受けのぽよんぽよんな下腹に萌え。(クマ体型好きなもんで。)
攻めが同性愛に負い目を感じている人物に絆されていくパターンが多いかもしれません。同情する側の立場を茶化して、ちょっとだけ笑いの方向に持っていくところが好きです。エロシーンもツボでして、身体の組み方が男っぽくて萌えるんですよね。何度も読んでいくうちに、だんだんとキャラの目や表情が色っぽく見えてくるから不思議。なかなか味のある短編集でした。
ちなみに、おまけマンガは『まよなかにあまいかおり』に出てくるカプ。ホントにおまけです(苦