新規購入限定90%OFFクーポン配布中!さらに1冊から高還元でポイント貯まる!
kyouwaku asobi
表紙からして、怪しげで耽美な雰囲気を醸し出していますが、暗い淫靡さがただよう近代日本を舞台にした作品は、「愛と執着と狂気は紙一重」とゾクゾクさせられるものばかり!
●「誑惑遊び」
女郎屋の息子である清は、学ランを着ていても女郎のような色気がある。
その学校に着たばかりの教師・竹下は、教師として清のことを気にかけると、清は竹下を自分のものにしたくなる。
そして自分に夢中な男達を使って、竹下の婚約者を凌辱し(【注意】蟲いっぱいなグロテスクシーン有り)、脅して竹下を思い通りにすると…
清は道徳心や罪悪感なんて持ち合わせていない根っからのサイコパス。
もちろん愛情もありません。でも清のこの徹底した黒さには惹きつけられます!
全ページカラーなのが、清の淫靡さを際立たせています。
(蟲もとことんグロテスクですけど…)
●「癖になる液」
智也は、友達の直樹の怪我がどんどん増えていくのが心配で話を聞くと、「勉強を教えてもらってる知人が自分の体液に夢中で傷を増やし、性的なこともしてくる」と悩みを打ち明けられ…
なにかに狂わされて人格が変わり、人生を踏み外してしまう危うさにゾクゾクさせられます!
●「追憶忌憚」
姉が死に、弟は残された姉の夫を見舞い、気にかける。
すると義兄には姉と自分が重なるようで…
この短編はありがちな展開ですが、義兄の切羽つまった表情や、背徳的な耽美さがあるのがイイです。
●「子捕り」
遼平は、小さい頃に誘拐された幼馴染の幸人に偶然出会う。
幸人は誘拐した男と親子として平穏に暮らしていたけれど、遼平に見つかったことで、元の家に連れ戻される。
でも裕福な家に幸人の居場所などなく、幸人はどちらのほうが幸せだったのか?
二人は罪滅ぼしというか、罪をトレースしているというか、ハピエンなのかダークサイド落ちなのか曖昧な終り方です。
●「醒めない夢」
作家の辻浦は少年の葬式に出くわし、その夜、その少年を抱いている夢を見る。
翌日、少年のものらしき墓を参ると、死んだ少年・惣太にソックリな要に出会って…
ホラー要素のある執着ものは、それぞれが自分を壊していく。
でもその先に見えた世界が心地良いのなら、どんなに歪でも、それは幸せなのかもしれない。
●「恋文」
戦地で、字が書けない藤宮は、赤平に幼馴染(女)への手紙の代筆を頼む。
ある日、いつ死ぬかわからない状況の中、藤宮は赤平に犯されてしまう。
そして赤平は戦士、藤宮が復員すると赤平から幼馴染に手紙が届いていて…
この短編だけは他の作品と違って、赤平の切ない一生にやりきれなさを感じます。
pixivでも作品を発表しているので、最近の作家さんだと思うのですが、同性愛ものが描かれるようになった黎明期を感じさせる、耽美でダークな作風。
ハピエンなんかひとつも無い、独特な雰囲気が漂う作品ばかり。
恋愛的な萌えはないけれど、狂気な世界観は惹きつけられるものがありました。