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nurete yabuhebi
実は表題作の「濡れて藪蛇」だけに"神"を差し上げたい。
短編でこれほどいいな!と思わされた作品は久々です。
この先生の絵とぴったりのストーリー。
そしてこの終わり方も本当に良かった。
雰囲気でいうと「囀る鳥は羽ばたかない」と同じ空気かな。
短編って本当に終わり方が難しくないですか?と読了後に誰ともなしにいつもつぶやいちゃう事おおくて。
「腹が立つほど尻切れとんぼだよ」とか、
「あとは読者の皆さんのご想像にお任せしますを乱発し過ぎ」とか、
「もうちょっとページ数が欲しい。え、でも短編とわかってるんなら失礼な話、お上手な先生はキッチリまとめてこられるよね?」
などなど、
本作はこのストーリーの危うさにぴったりの終わり方でした。
「この後どうなるの?」
「いやいや、この2人はこんな感じでやっていって欲しい」
ご想像にがっつりお任せさせられました!変な日本語ですが。
なので単行本の最大の楽しみである書き下ろしが本気で要らない、読みたくなかった、の域まで達してしまいました。
ゴメンナサイ、サービスで描いてくださってるのにね。
あと要らないと思ったのは
「そしてダメになる」に収録の「壊れたアクアリウム」のその後ですかね。
先生は少し書き足りないと思われたのかな?
確かに前作は少しものたりなかったけどさりとてもう一回掲載するほどでもなぁというのが本音です。
同じく「そしてダメになる」の戦場カメラマンのスピンオフ「眠れない夜はため息」は面白かったのです。
ただ、硬派な職場だけに「こちらにもゲイあちらにもゲイ」が気になってしまいました。
そんな事言ったたらBLを楽しむ資格ないですけど。
あとの2作品は好きですが、表題作が良過ぎて霞んでしまったかな。
タクミユウさんは大好きで、コンプリートしてます…
本作も雰囲気のある短編が詰まっています。「そしてダメになる」の関連作が2編入っていますので、ぜひそちらも合わせて!
「濡れて藪蛇」
ヤクザ西田組の情報で手配犯を逮捕した刑事の赤星。当然借りを返せと要求するヤクザの仙波だが、戯れに一晩の相手はと口にしたところ、それをのんだ赤星。
甘さは全くなく、黙っていいように犯られる赤星が痛々しい。同時に警察側の情報は絶対に漏らさないという決意の大きさと父親が絡む過去。
固くて硬い男たちの、ある種ハードボイルドな関係。
「眠れない夜はため息」
「そしてダメになる」収録の「眠れない夜はブルー」の関連作。
戦場で共にジャーナリストとして、相棒として、パートナーとして、そして恋人として生きていた2人。
撃たれて傷が残っても。恋人が撃たれる場面を撮り続けても。生きて帰ったのだからそれは勲章。2人は今も恋の真っ只中。萌える!
「この雨が上がれば」
女とひと季節持たない。そんなモテ男に惹かれてしまった後輩君。
まだココロは全然通じ合ってない。でもキミもモテ男を翻弄しているのだよ。
「暴風一過にて」
親友に告ったイケメン。
告られた方は困って戸惑って機嫌悪くて。でも離れてほしくはない。これは落ちるゾ。いや落ちてるゾ。
「壊れたアクアリウム」
これも「そしてダメになる」収録の同名作品「壊れたアクアリウム」の続編。というか、断片。
爛れた?3P関係。水槽に浮かぶ熱帯魚のようにゆらゆら揺れる3人の不安定な関係性。
「濡れて藪蛇描き下ろし」
まだ頑なな赤星。でも求められることに甘さを感じ始めている…