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作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
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同級生シリーズ以前のBL作品、耽美な作品は読んだ事がなかったので、今更手を出してみました。
ちなみに中村さんの作品で好きなのは同級生シリーズ、鉄道少女漫画、ウツボラです。
しかしこれは評価が難しい……一回目に読み始めた時は買って失敗したかなと思いました。なかなか世界観やグロテスクな耽美さになじめない。登場人物に感情移入もできない。
一巻はその傾向がかなり強かったです。ただ、二巻でがらりと空気が変わる展開があり、そこで流れる雰囲気がとても好きなのと、このコントラストのために今までのちょっと不快なくらいの陰鬱さがあったのかとも思えたので、全体としてはとてもよい作品だと感じられました。
テーマや雰囲気は苦手だし、中村さん一流の感情の機微や洗練された詩的さは片鱗こそ見えるもののまだ発展途上といった感じ。
なんだけど、ストーリーテリングの巧妙さと退廃的な美学はちゃんと感じられる。
萌えはないけどドラマとして完成されている。
そんな作品でした。
楠本まきさんが大好きで、テイストの似た作家さんを探していた時に出会ったのがこちらの作品でした。
現代のシルク・ドゥ・ソレイユのような新しいサーカスが生まれる少し前の、サーカス文化の過渡期(伝統サーカスの衰退期)が舞台となっており、全編を通して暗く退廃的です。
内容については先のレビュアーさん方が既にくわしく触れられていますので割愛するとしまして、
この作品ではストーリーの随所に散りばめられている二つの相反するもの、例えば、
光と陰
現実と非現実
日常と非日常
支配する者と支配される者
飛ぶことと落ちること
生と死
こういったものが、本来とは逆になったり境界が曖昧になったり同一化されたりすることで、なんともいえない不安定さがストーリーの進行とは別に常にモヤモヤとついてまわります。
読んでいて息苦しくなる原因だと思います。
しかしながら物語の終わりにはこのモヤモヤを綺麗に拭い去る確固たる結末が用意されています。
2巻を最後まで読んだ時には思わず鳥肌が立ちました。
またこのお話は、黒く描かれているものが黒く描かれている理由と白く描かれているものが白く描かれている理由がしっかりとありそうですので、その2色に与えられている意味合いを探りつつ読んでいくのも一興かと思います。
エロティックなシーンは非常に多く、男性同士の絡みも多いですが、BLではありませんのでご注意を。
あと1巻には女性の結構エグいスカトロシーンがあります。
中村明日美子先生の初単行本作品です。
黒く美しく時に残酷で痛くてグロい物語でした。
中村明日美子先生と言えばBLでは「同級生」「卒業生」シリーズあたりが人気ですが、
「らしさ」で言えば、この作品はとても中村先生らしい作品だと感じます。
多分人気のあのシリーズの方が中村先生にしては爽やかな内容だと言えるかも。
今では毒気が随分抜けてそちらの路線が色濃くなりましたが。(もちろんそっちも好きです)
初期は絵柄も今よりもっとグロくて線も太くて目の描き方なども独特です。
こちらの作品は「非BL」内容なんですが、
匂い系とかそういった意味で非BLという意味ではありません。
完全に男×男だけの内容ではないという意味で非BLです。
主人公はバイなので、女性との絡みもあり、男性との絡みもありという内容です。
なので女性とのそういうシーンが苦手な人はご注意を。
主人公はサーカス団の一員トリノスで、その彼をとりまく周りの人間との官能を描いた作品です。
1巻では、サーカス団は裏で売春をしており、トリノスはある日、売春相手の壮年の男(外交官)に引き取られて行きます。そこからサーカス団のピエロであった彼の運命を変えてしまうというような内容でした。
主人公のトリノスには女も男も寄ってきます。
そしてそこに愛や憎悪や様々な感情がうずまき、その波に飲まれながらトリノスが生きていく様が何とも味わいがありました。
BL的な「萌え」部分はレオとトリノスの関係はそうかもしれません。
しかし全体的に萌えとは違った世界観です。
不思議な吸引力のある作品でした。
書店でこの本の表紙を見ての第一印象は、角川文庫の『ドグラマグラ』の表紙、米倉斉加年氏の絵と似ているいうことであった。
これがまだ20代の女性の絵かと驚くと同時に、やはりこの過剰に耽美的な絵柄に腰が引け、実際に手に取るまでにかなり長い時間を要したことを覚えている。
中村明日美子氏のデビュー単行本である本作は、現在のものよりずっと癖の強い絵柄とハードな描写を伴う内容によって、ハードルの高い作品と捉えられるのも無理はないかもしれない。
そのあらすじは、以下の通りである。
舞台は1970年代、パリ。
トリノス(1巻の表紙の黒髪の男性)がピエロをつとめるサーカスは、団員に売春をさせて生計を立てている。
トリノスの暗い眼をした美青年ぶりはピエロ姿で巧妙に隠され、客の指名を受けることなく団長の慰み者になっていたが、ある時日本人外交官・オオナギ(本来は稚児趣味であり、トリノスは範疇外のはずなのだが…)に見出される。
彼はトリノスを買いつつも「君が僕を好きになってくれたら抱こう」と言い、手厚く扱う(この点はトリノスの同僚であるブランコ乗りの女性・ミナが客に残酷な仕打ちを受けるのとは対照的)。
ある出来事をきっかけにトリノスはサーカスを去りオオナギに引き取られるが、オオナギの家族との関わりの中で心の傷を暴かれていく。
今回読み返してみると、ストーリーラインは意外とシンプルで読みやすいし、大ゴマをふんだんに使った表現はなかなか味わい深く、漫画というより絵物語と言ったほうがしっくりきそうだと感じた。
またページ数としてはわずかであるが、トリノスとサーカス団員のジャグラー・レオ(外見は冷たい感じだが、人柄はおそらく優しい)との交流は、息詰まる物語の中でほっと一息入れられる場面と言えるであろう。
なお、作品データベースの「攻め」が「いろいろ」とあるのは、サーカス団長・オオナギ・オオナギの妻の弟(ミシェル)の3人を指すものと思われる(ただしミシェルとは1巻ではキス止まり)。