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年頃の男子、ふたり
glassgoshi no kimi e
初読のときに萌えた記憶があったので、ものすごく久しぶりに読み返してみました。
おかしいな、萌え、どこに行った?
相河と赤尾。
出席番号が前後で席も前後。
片方は小柄で成績優秀、極度の引っ込み思案。
片方は大柄でスポーツ万能、人の輪の中心にいるような子。
冒頭から赤尾の激しすぎる妄想で始まるものの、このムラムラが物語の主軸ではないので、「常に受けにムラムラしていて、チャンスがあれば触ったり嗅いだりしちゃう変な攻め」を想像して読むとかなりの物足りなさを感じます。
この子、妄想は達者だけど別に独占欲があるわけではなくて、友人が相河にベタベタしても案外平気。むしろこの子が一番物理的に距離がある感じです。
「自分のものにしたい!」と思っている相手なのにおかしいなと思ってしまったら、萌えの灯火が消えます。ご注意を。
途中までは順調にニコイチ状態で進むのですが、急におかしな空気が漂い始めます。
相河は地味で運動音痴だけど、うーん、それだけでいじめたり省こうとしたりしようと思うかな?わたしがいじめの心理というものを理解できないせい?
クラスの人気者と仲良しの弱者を排除しようという思惑で、クラスメイトが数人暗躍し始めるのが、どうも理解できず。赤尾がクラスの人気者という描写が少ないせいなのか、下地が出来てないのに突然という印象しか持てず。
このいじめが相河サイドの心理に大きく影響するので、ここで入り込めないと厳しい。
「え、なんで?」と思ってしまったら、その時点で萌えは消失します。
さらにいじめが起こってからの赤尾が理解できなくて。
あんなに「ぶち犯してえ」思っていた相河と簡単に離れる。
離れている間の赤尾サイドの描写が一切ないので、赤面する相河に戸惑って、どう接したらいいか分からなくなって避けてるだけに思えてしまう。
そしてBL読者的には、赤尾の中学からのバスケ仲間のタツキ×相河フラグが立ったように見える展開。
「あれ?これってタツキと相河がくっついて、赤尾が後悔する話だった?」と自分の記憶と要相談みたいな。
ごちゃごちゃ書きましたが、いじめ問題で相河を救ったのは赤尾以外の友人で、だけど恋愛に関しては「第一印象から決めてました」みたいな流れなので、相河にとっての赤尾の「特別感」とか絆のようなものが、今回読み返したら見つけられなくなってました。
「BLはファンタジー」と言いつつも、訳の分からないいじめをいきなり始めるDKとか、同性の友人カップルの成立を祝ってパーティとか、プレゼントで徳用ゴムを送ってしまうDKのいる世界に入り込める自信のない方は、萌えるのが難しいかもしれません。
1話が約10ページの短編が13話収録されてました(全て表題作)
新学期、東京からの転校生 相河高浩に一目惚れしたクラスメイトの赤尾大志は高浩とHする事で頭が一杯の日々を送る事になり‥
初コミックの作家さんでした(初読みでもあります) 1ページ4コマで、んっ?4コマ漫画か?と思い読んでみたら通常の漫画のコマ割りが4コマ風になっていただけでした。男の子が男の子に惚れるって事を除いては、日常の風景って感じでした。
8話の途中から11話まで急に通常のコマ割りになっている(なんでだろう?読みにくいわけではないからいいんですが気にはなりました)
体育祭の話の時、突然同級生に絡まれて嫌なめに遭っていたけど、前振りあったっけ?それまでクラスメイトとそれなりに上手くいっていたような気がしてたのですが‥これがキッカケで2人が疎遠になり始めたのが、たった一コマで仲直り‥
面白かったと言えば面白かったのですが、突然事が起こったり、片付いたりせず話の流れがわかりやすい方が良かったです
出自を軽くおさらいしておきましょう。
この作品は2015年3月から1年1ヶ月を掛け、Twitter上と
pixiv上で発表した自主連載作品が基盤になっているとの
事です。このレビュー時点でもpixiv上に初出版が掲載されて
おります。
またこの作者さんは本年(2016年)5月に電子書籍にて
商業デビューを飾られました。
作者さんpixiv→ http://www.pixiv.net/member.php?id=3579161
本作は、かなり繊細な作品です。
初出時そのままのタイトルも含めて、魂の叫びで構成されて
いるのだろう、と評者は受け止めました。
でも、そこにきっと痛みはありません。
希望を育てようと言う勇気が存在するらしいですね。
作中人物達の日常をそのまま切り取って額装した様な
構成になっている為、やや入り込み難い部分はあるかも
知れません。
でも、馴染んでみるとタイトルに込められたものを
感じる事が出来るのやも知れません。