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tonari no itoshii stalker
「カフェ」の文字につられて。
ストーカー設定自体は珍しくないけれど、カフェというだけでついつい惹かれてしまう。
大学生の幸太郎の好きな人は、バイト先のカフェの常連で店長の友人でもある青柳。
好きな気持ちを伝える勇気はないけれど、青柳を身近に感じたくて集めた紙ナプキンやストローは幸太郎の宝物だったが…。
1ページ目を読んだ時点で「リーマンがストーカーなんだろうなあ」と思いながら読み進めていました。
まさかの幸太郎がストーカー展開。
これはWストーカーっていうオチだなと思いつつ読み進めると、予想通りに進みます。
中盤までは予想の枠を出ない展開すぎて、このまま予想通りに終わるのか…とガッカリしていました。
収集系のストーカーと、盗聴盗撮系。
収集の方は盗みさえしなければ、まあ犯罪ではない、ですよね?
ごみは捨てた時点で所有権がなくなると言いますし。
ただ盗聴盗撮系は完全に犯罪。
こころの闇を感じます。
その闇の部分をなあなあで済ませず、しっかりと原因から解明してくれる後半が良かったです。
情報をこっそり得て、先回りで相手のニーズに応える。
相手の考えていることがあらかじめ分かっているから、サプライズを喜べない。
そういう盗聴盗撮系の弱点も突きつつ、少しずつ自分を変えようとしていく青柳に、幸太郎とちゃんと向き合っていこうという気持ちを感じることができたし、青柳が素直に喜ぶシーンは、第三者ながらほっとしました。
盗聴盗撮をせずにいられない理由も説得力があるし、読後感もスッキリ。
ただ店長が微妙でして。
1バイトが引っ越すだけで車を出して手伝ってくれる。
そんな店長、いる?と思ってしまう。
わたしが店長なら、いくら可愛がっているバイトくんでも、頼まれてもいないのにガソリン代自腹で自発的に休日を潰しに行こうとは思わないなあ…。
そして友人と言いつつ、青柳の引っ越し先を知らない。
まあ、そこは友人と言っても親しさレベルの差はあるので、一概には言えないけど、友人の引っ越しは手伝わないのに、バイトくんの引っ越しはぐいぐい手伝う。
この押し付けがましい行動に気持ち悪さを感じてしまいました。
前半の既定路線と、店長のご都合主義な行動や言動がなければ、もう少し萌えたのかなあと思ったり、思わなかったりした次第です。