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ihr hertz
同日発売の「囀る鳥は羽ばたかない」4巻を読んだらたまらなくなり、衝動的にポチってました。
早く届いて〜(>_<)と昨晩悶々としながら眠ったら今朝朝一でヤマトさん届けてくれて、楽天ブックスありがとう!って感じです。
同じ行動を取った人がたくさんいたようで、この一晩で多くのネット書店から在庫が消えていますね…
好きな作家さんが多数載っている雑誌ですが、いま自分には他の作品を読む頭の余裕が無いので、レビューは「囀る鳥は羽ばたかない」についてのみです。
出来るだけネタバレし過ぎないようなレビューをしたいと思いますが、ネタバレ注意…
さて、4巻のラストで矢代が放った、百目鬼にとっては死刑判決にも等しいあの発言から、二人は一体どこへ進んだのか。
答えは、私には少し予想外な方向でした。
4巻のレビューには、崇拝から始まった百目鬼の感情がこの状況を抜け出すには百目鬼側のひと頑張りが必要なんじゃないかと書いたのですが、百目鬼が頑張るより先に、この第23話で矢代の方が百目鬼を対等な位置に引き上げてくれています。
それどころか、百目鬼を最初から自分と同じ場所に置いていたことを吐露しています。
そして「怖い」と感じ始めていたのはやはり、百目鬼の存在が自分のこれまでの生き方を脅かすものになりつつあったからでした。
矢代にとっての百目鬼は「共感」の対象だったんです。
矢代のこの言葉が私には本当に予想外で、「えっ?どこからそうなった???」とこれまでの話をひっくり返して、1巻の「漂えど沈まず、されど鳴きもせず」を微妙に読み違えていたことに気付きました。
矢代の恋愛偏差値は、本当に!びっくりするくらい!!低かった!!!(;_;)
4巻発売前にTwitterでこの話を無料公開されていたのは、もう一度ちゃんと読んでねってことだったんだなぁ。
そして、矢代の思わぬ心情吐露は百目鬼に大きな変化をもたらしました。
百目鬼の目から不意に溢れた涙の意味はそういうことだと思う。
「強い」と信じて疑わず心酔していた相手があまりにも脆く儚い人だと分かった時、崇拝の魔法は自然に解けていくものなんだなぁ。
そこから先の百目鬼はとてもカッコ良く、矢代はとても可愛いかったです。
好きな相手から愛を返してもらえる幸福感を矢代に早く知ってほしいなぁ。
きっととてつもなく可愛い顔をするのだろう(*´艸`*)
これで5巻を心安らかに待てます。
「囀る鳥は羽ばたかない」についてしか書いていません。
こんな風に相手と自分の気持ちに じっくり向き合う時間は、二人を取り巻く状況が不安定である今、再びいつ訪れるか分からない。
なのでどうしても この回の感想を書いておきたかった。
誰と何回体を繋げようとも「あの時」から ずっと孤独だった矢代さん。しかしそれは「矢代」という矛盾の塊のような、でもどうしようもなく魅力的な現在の彼を形成するに至った、取るに足らない要素の一つだと 矢代さんも読者の自分も思っていたはずなのに。
片や、警察官→ヤクザの用心棒という身の堕ち方をしていても 警官としての崇高な理念や高潔さが、ふとした佇まいや行動に滲み出ている気さえしていた百目鬼。
彼もまた、頭(カシラ)へ盲目的な信頼を寄せ 忠誠を尽くしながら、自分のものにしたい 汚したい…と、身を焦がすような矛盾を抱えている。
力ずくでの行為を恐れ、常に拳を握って自らを律していた印象の強い百目鬼が、矢代さんへの想いを抑えきれず感情の高ぶりのままに手をのばすシーンに、溢れる優しさを見た。
そして、不条理で暴力的に痛めつけられた過去があっても、純粋に真っ当に「人を想う心」は壊されていなかった事に気付いた矢代さん。
彷徨っていた二つの孤独がそっと寄り添い、小さな温もりを発している。そんな かすかな温かみが感じられる、いつまでも大切にしたい回だった。