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genjitsu wa shoujomanga yori mo ki nari
可愛くて随所でクスッと笑わせてくれるラブコメディです。
一冊丸々表題作で、最後におまけの書き下ろしがあります。
彼女に振られ、仕事も行き詰まりヤケ酒で酔いつぶれた受けのたすくが目を覚ますと、隣には裸の知らない男が…という展開から始まります。定番のありがちなパターンなのですが、たすくのビクつき具合なんかが、性格をよく表してて可愛らしいです。
勘違いから、たすくが自分に気があると思った攻めの長谷川が、酔っぱらって前後不覚になってるたすくを連れ込んだんですね。驚いたたすくに突き飛ばされて、逃げられるんですが。
その後、原稿を長谷川の働いているニューハーフバーに忘れたたすくが取りに来て、改めて誤解を解き仲良くなります。たすくに惚れてしまった長谷川は恋人になろうと頑張るのですが、当て馬であるたすくの担当編集者に邪魔されたり、たすくの天然ぶりやあまりの鈍さに難航して上手くいかないんですね。
基本、ドタバタとしたラブコメディで、当て馬の出現により誤解やすれ違いがあるものの二人は結ばれるという、よくあるパターンです。
これだけなら、どこかで読んだ感じで終わってしまいますが、脇役が非常に魅力的なんです!!
なんと言ってもニューハーフのお姉様方!!
二人の恋を見守り、迷っていれば的確なアドバイスをし、時には手厳しい事も言って活を入れてくれます。
個性も強く、姐さんタイプから乙女まで、それぞれいい仕事をしてくれます。
そして担当編集者もクールかと思いきや、ただ不器用で表情が顔に出ないタイプです。しかし、当て馬というポジション的にかわいそうな扱いです。
Hは少なめであっさりです。個人的にはもう少し頑張ってもらいたいですが(笑)、Hに至る過程は二人らしさが出ていて可愛らしいです。
ヘタレ気味な攻めが、何故最初だけは連れ込んで裸にするような強気に出てるんだとか、不自然で唐突に感じる所もたまにありますが、気軽に読めて、とても楽しいお話でした。
明るく楽しいお話で、軽くサラッと読めて笑いどころも有り面白かったです。
サラッと読みすぎて私の中で山場が無かったのが少し残念でした。
主人公カップル(長谷川+たすく)は勿論のこと、ニューハーフバー『秘密の花園』の面々や、前半まで たすくの担当だった女性編集者、中盤から担当になった香坂 登場人物が皆んないい人でした。
絵柄は背景も含めスッキリしてて見やすかったのですが、ただ一つ気になることがあって、中盤から登場した新担当の香坂さんが 他の漫画のキャラと被って見えて‥(まぁそう思うのは、きっと私だけなんでしょうけど)
部分的に重なる先行の同工異曲の存在はありますが、
その辺の相違を良い具合にひねりながらいやらしい所の
ない一周廻った明朗な話に仕立て上げてあります。
掲載誌再確認の限りでは連載分で上手く一冊にまとまって
いる様ですが…続きを期待したい様な、ここで敢えて
余韻を残した方が良いのだろうか、と読者の分を越えた
余計な心配なぞ少ししたりして。
続きの火種になりそうな箇所も上手くタイトルに呼応した
部分であるだけに悩ましい所です。