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無垢な華は、伯爵の指で淫らに色づく
hakushaku to torawareno hana
健気受けなら小中先生と(勝手に)思ってるんですが、今回も本当に一途で健気です。
そして自分で道を切り拓いていく強さがあり、とても好感の持てるキャラクターです。
受けのユーリス視点で話が進みますが、前半は18才になった彼の回顧という形で語られます。
これがなかなか切なくて、貧民街で死にそうになっていた所をアルトゥールに拾われるも、最初は使用人達からろくに面倒をみてもらえず、これまた死にかける。その後、3年程は無邪気に幸せな時を過ごしますが、自分のアルトゥールへの恋心に気付いた頃から複雑な事情も絡んできて切ないすれ違いが続きます。
とにかくひたすら一途に想い続けるユーリスが切ないんです。
そしてアルトゥールが感情をあまり出さないクールな性格なので、イライラくるんですね。
こんなに一途に想われているのに、アルトゥールめ!!となります。(笑)
ところが、後半になると一気に事態が動き甘々になります。
アルトゥールも義務や立場等、色々なものに縛られていただけで本当は不器用な人だと分かって来ます。
この後半からの甘々感がすごくて、最後の方はほとんどバカップルです。
前半の切なさがあるから、この甘々がめちゃくちゃ生きるんですよ〰。( ´艸`)
開き直ったアルトゥールは素直に愛情を囁きまくるし、もともとやんちゃな所があるユーリスも、自分の気持ちに素直にしたい事をしちゃいます。
後半の甘々が長く続くので、二人の幸せを堪能できますよ。
そして最後の余韻がすごいです。こういう終わり方って、ちょっとだけ寂しい気持ちになるのは私だけでしょうか?
一つだけ、名前が覚えにくいのが大変で〰伯爵だの〰公爵だのとなると、こいつ誰だっけ?と混乱しました。カタカナ名って、何でこんなに覚えにくいんだろう…。(>_<)ゞ
受けは攻めの養い子で、しかも攻めが想っていたのは受けの亡き父……というあらすじを読んで、倒錯的すぎて生理的な嫌悪感を感じるのではと心配しましたが、そんなことはありませんでした。
状況に翻弄されて、それでも健気にがんばる受けが可愛い。
その素直さと純粋さ、でも馬鹿ではないところがグッときました。
攻めも、色々と浮き名を流す人物ではあるのに、クズさを感じさせない。
攻めの数いる恋人の一人さえも、嫌な奴だとは思えませんでした。
みんな、思うようにならない中で、それでも生きてるんだよねと思えたところが、とても貴族世界らしくていいな、という感想。
萌え要素もすべてきちっと萌えさせてくれて、切なさに悶え楽しみました。
そんな感じで、しっとりした気分で読み終わり、余韻に浸っていたら何故か小中先生の既刊本「ランジェリー男子」のお試し読みが始まったという(笑)
電書版のみのおまけ収録だと思いますが、貴族世界の恋物語の後に収録されているものとしては、あまりにテイストが違いすぎて笑いました。
でも笑ったことで、なんだかすっきりして爽やかな読後感を味わえたり(笑)
「ランジェリー男子」も面白そうなので読んでみようと思います。
貴族・年の差・養父・長髪攻め…と、萌設定の宝庫でかなり楽しめた一冊。
やんちゃな少年から美青年に成長を遂げる受けの変化も萌ポイントの一つで、よしながふみさんの『ジェラールとジャック』を少し思い出しました。
あらすじ:
貧民街で死にかけていたユーリス(受け・10歳→18歳)は、亡き父の友人を名乗る美貌の伯爵・アルトゥール(攻め・30歳→38歳)に拾われる。
実は、ユーリスはレテ公爵家の最後の生き残り。
アルトゥールの屋敷に引き取られ教育を受けるうち、彼に惹かれていくユーリス。
しかしアルトゥールの心は、ユーリスの亡き父にあり…。
冒頭の現在の二人のやり取りから、冷淡な養父×健気な美青年の切ない片想いモノか…と思いきや、その後の展開は思いのほか甘々。
良い意味で第一印象とのギャップに驚かされました。
ユーリスは、引き取られてきた当初はオドオド→慣れてからはアルトゥールにべったり→大人になってからは敬語で礼儀正しく…と、全部で三段階の進化を遂げる美青年。
アルトゥールの屋敷を出、公爵家を継いでからも密かに彼を想い続ける姿が切ないです。
しかし、貧民街時代の名残か?思い余ってアルトゥールを誘惑したり、怒るとアルトゥールに蹴りを入れたり、敬語を忘れたり…と、ちょいちょい素の荒っぽい気質が見えるのが面白いところ。
多少ワガママで無鉄砲でも、根っこにはアルトゥールへの揺るぎない愛があるため、何だかんだ可愛く思えてしまいます。
アルトゥールは一見冷たく気難しそうですが、本当は優しく愛情深い人物。
ユーリス(少年期)と打ち解けてからのイチャイチャ親子ぶりには思わずニヤけてしまいます。
ユーリスに誘惑され、冷淡な態度で彼の誘いに乗りますが、酷い抱き方はしないところにも彼の優しさやスマートさが出ていました。
アルトゥールがユーリスを好きになる流れに決め手らしい決め手はありませんが、時の流れが順を追って描かれているため、説得力に欠けるということはありません。
養父としてユーリスを育てたアルトゥールですが、一途に自分を慕ってくるユーリスの存在はアルトゥールにとっても大きかったのだろうと思います
ユーリスがアルトゥールと幸せになるまでを描いた比較的平和なお話ですが、ラストの数行には少しホロリとさせられます。
芯の強い女性キャラが登場したり、子どもへの教育の重要さが説かれていたりと、サイドエピソードもなかなか丁寧に描かれており、ただ甘々なだけではないところも好印象でした。
個人的にかなり好みの一冊です☆
辛い目に遭っている受と、それに気づかない攻。後ほどそれに気づき自分に憤りを感じる攻。決して辛い目に遭っていることを攻には告げない、健気な受。
というのは、割と定番です。が、定番はやっぱりいいのです。
健気な受が辛いことに耐えつつも結果的に年上の攻に大事にされる、という設定が好きな人は大いに楽しめます。
小中大豆さんの文章も好みです。文章を、今読んでると感じさせず作品世界に連れて行ってくれるのがとてもいいですね。
イラストも素敵でした。電子版にもイラストが入っていました。
定番プラスαが何かあればなーと思いましたが、楽しく読みました。
当作好きだわー。神でもいいかもと思いつつ出し惜しみ、萌2.
じわじわじわって後から嬉しさと切なさがこみあげてきますです。
国王がいて、歴然たる貴族階級がある設定。架空の国かな。移動が馬車 や
女子が大学教育を受けられるなんて話が出てくるんだけど
18世紀ぐらいを想定すればよいのか?
貴族がサロンでお茶話で貿易の調整したりする世界での、貴族同士の
攻防戦も少々あります。
登場人物
攻めさん:伯爵。どうも侯爵より上 って設定みたい。
爵位はよくわからん・・・
銀髪ロン毛ヒスイ色の瞳の超美形♡男よりどりみどり状態らしい。
最初、冷たい感じ。だんだん人間化してきます(笑)
受けさん:黒髪 10歳で貧民街で死にかけてるところからstart。
攻めさんに拾われ、最初冷たい仕打ちでまたもや死にかけるけど、
なんとか助かり攻めさんに可愛がってもらって
可愛くキレイに成長・・・
たくましい、やんちゃ、攻めさんを一途にloveです。
攻めさんのセフレ(男)やその娘、悪党代官みたいな奴(笑)、
お約束優しい執事 などが出てきます~
まあこの二人がすれ違うすれ違う。
受けは死にかけるし、お互いにケガ、病気するし、すれ違いとあいまって
切なさ 10段階評価の8ぐらいいってます。
最後は、黒髪やんちゃさんに、20歳年上の大人なはずの伯爵様が陥落して
ようやく一安心。
やんちゃさんは、百戦錬磨な攻めさんに足技なんかも見せてくれて、
おおお やるーってなとこです。
頑張る頑張る(笑)
頑張る受けさんと、クールなはずだったんだがな という攻めさんが
いいなーと思う方はぜひどうぞー
小路龍流先生の挿絵もめっちゃキレイです!
『高級娼婦と駆け落ちした公爵の息子が貧しさの中で両親を失い、もう体を売るしかない所まで追い詰められたところで、その公爵に想いを寄せていた伯爵に拾われてその養い子になる』
おまけに、
『その子が養い親の伯爵に恋をするのだけれど、伯爵は様々な男性とラブアフェアを繰り返すばかりで本当の恋をする気配がない』とか、
『伯爵が本当に愛しているのは亡くなった公爵で、自分はその身代わりにすらして貰えないと、その子は恋心に絶望する』んですよ。
さらにその子は、
『前途ある公爵を誑かした売春婦を母に持つばかりではなく、自分も男娼だったらしいという噂が貴族の中では公然と語られ、差別に遭う』んです。
でも彼は、公爵家を再興し結婚して血筋を繋ごうとまでするんです。
全ては伯爵のために。
ああ!王道のロマン!
小中さんは『可哀想な運命に翻弄される健気な美人さん』を描くのがお上手ですよね。
『健気』という所がミソだと思うのです。
こういう子は、やはり幸せになって欲しいと思わざるを得ないじゃないですか。
惜しむらくは、もう少しユーリスが自分の力で活躍するところがみたかったな。
危機に陥っても、殆どアルトゥールが解決してしまうんです。
アルトゥール、スパダリ過ぎ……まぁ、ユーリスも18歳だしね。仕方ありませんな。
観劇や舞踏会の様子なども面白かったです。
あと、その後の2人がさらりと書かれるラストも『歴史絵巻』的な余韻があって好みでした。