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「言葉にしてしまえば単純だ オレはこのよく分からない人に惹かれてしまった」
trap wa amai mitsu no kaori
この表紙の雰囲気で、まさか笑えるとは。
意外性で余計にハマるという効果が生み出されました。
【トラップは蜜のかおり】(4話+描き下ろし) 萌2
前の学校で生徒に手を出して職を追われた牧師の光橋。
母の友人のツテで雇われた声楽学校でも生徒たちの解消を手伝うことで、愛らしい少年たちに惹かれる気持ちを満たしていたが…。
歴史の教師・佐倉の意外な一面を知って、そこから体の関係が始まります。
表紙から漂う背徳感も悲愴感もゼロ。
えろす満載ながら、えろす耐性のない方でも楽しめそうな心理描写の面白さ。
佐倉のズレたところと、佐倉の突拍子のない言動にに面食らいつつも感情が動いていく光橋の心理描写が面白くて、ぐいぐい引き込まれるんですよ!
百戦錬磨っぽい光橋が振り回されまくる姿は、いやあ、楽しかった!
ただ途中で出てきた佐倉の過去。
これを何らかの形で昇華するなりしないのであれば、出す必要はなかったんじゃないかなあと思ってしまう。
自己評価の低さの原因として出したとは思うのですが、光橋がありのままの佐倉を受け入れてくれたことで、佐倉がまた歌えるようになるとか大きい声が出せるようになるとか、そういう展開につなげない限り、掘り下げる必要性を感じなかったんだなあ。
描き下ろしも盛大に笑えます。佐倉、最高です。
【さまよいわんこの躾け方】(2話) しゅみじゃない
ペットショップを経営する高橋のところに、捨てられたわんこを連れて来た体育大生の吉田。
動物には素直に愛情を示せるけれど、人に対しては情熱を持てない高橋は、自分に想いを寄せる吉田を利用することを考えて…。
攻めが小柄で受けが大柄というCPに抵抗がある方は厳しいです。
高橋が拗らせ過ぎていて、吉田が不憫過ぎて…。
この子には真っ当に幸せになってほしいと願ってしまいました。
【DOG EAT DOG】 萌
ケンカが大好きなケイが唯一、ぶつかって楽しいと感じたのは真木だけ。
真木を探して今日もケンカに明け暮れるケイに、真木の目撃情報が入ったが…。
強い男と強い男が、互いに相手を認めながらぶつかり合う。
「好き」という感情よりもっと強い絆を感じる2人でした。
真木ががっしりいかついイケメン系、ケイの外見が小柄で可愛い系なのですんなり読めました。
わんこの話は深く考えないで読んだら、萌えるのかも。
とにかく表題作が良かったです。
しっとりと切ない話もいいけれど、感覚のズレやタイミングのズレ、いろいろなズレから起こるおかしさが好きな方には、50mくらい助走をつけておすすめしたい。
そんな素敵な1冊でした。
◼トラップは甘い蜜のかおり◼
悩める少年たちに手ほどきを。
手伝いと称してやらしいことをする牧師さまの光橋はある日地味で根倉な教師・佐倉の自慰を目撃。
そこから体の関係を持つわけですが…。
佐倉先生のキャラがおもしろすぎておもしろすぎて。
意外性抜群、なんてエキセントリックなんだあなたは!
策士でストーカーで淫乱。
真面目な顔してぶっちゃけトーク、時折可愛い顔しちゃって、光橋の振り回され様に思わず笑ってしまいました。
佐倉先生を攻略するのは一生無理かも。
ということは光橋は一生振り回されるということですね。笑
◼さまよいわんこの躾け方。◼
わんこには愛情たっぷり、だけど人に興味のない高橋。ある日捨て犬を拾った男・吉田がやってきて…。
大型犬になっちゃうんだ!あ、そっちなんだ!と見た目で判断してはいけない展開。
戸惑う吉田くんに、憐れ…と思いながらも口はにやけていました。
◼DOG EAT DOG◼
誰を打ちのめしても足りない。
唯一真木と戦ったときだけ、不思議な高揚感を忘れられないケイ。
真木と再会したケイは─。
真木がおっとこまえ!やんちゃな野良犬を体当たりで受け止めて、愛してやってる感じがします。
トラップは─の書き下ろしに、佐倉さんはどこまでも佐倉さんだな!と納得。
あとがきのDOG─の二人の一コマが大変おいしかったです。
ミッション系の高校の牧師×根暗な高校教師、というカプの話が表題作です。
美少年が好きで、可愛い学生とアバンチュール(死語)を楽しんでいる攻めは、先日根暗でお堅いメガネ教師の受けが準備室で自慰に耽っているのを目撃し、それを脅しのタネにして身体の関係を持っていました。
以前の仕事先を淫行でクビになったため、今度は可愛い子供たちに手を出せず、受けとの情事で性欲を発散させていたのですが、それが受けの仕掛けた罠だったということが判明し…という展開。
ジュネットなのでエロエロはエロエロだけど、結構恋愛描写がしっかりしていて楽しめました。クズな攻めが、天然でぶっ飛んだ受けに振り回され、やがてハマっていくのが楽しい。なぜ受けは攻めのことが好きだったんだろう、という唯一にして最大の謎が残りましたが、ヤンデレ気味の受けの健気さが可愛くて萌えられました。
表題作がページの半分強で、同時収録の中短編が2本入っていました。
1つはペットショップオーナー攻め、そのペットショップに捨て犬を持ち込んだ近くの体育大学の柔道部員が受けの、逆転体格差カプのコメディ。
ペットショップオーナーが小柄で可愛いキャラで、柔道部員がガチムチ系だったので、当然柔道部×ペットショップかと思ったら逆でした。そればかりか、ペットショップオーナー攻めは「君を犬にしてあげよう」的に柔道部員に犬耳や尻尾を装着させ、そのまま犯すという非道っぷりで、ちょっとドン引きました。
でも、ペットショップオーナーが好きだった柔道部受けは健気で、「わんとしか言うな」と言われようが、ドッグスタイルで犯されようが攻めを好きらしく、健気で可愛かった。
もう1本はカラーギャングもの。古い作品だそうで、絵も話もびっくりするほど古かったです。
あとがきで作者さんが、初ジュネットで本を出すにあたっての編集さんとのやり取りを書かれていたのですが、「局部は光る棒です」って言われて「せちがれえな」っておっしゃってたのがおかしかった。
表題作含めて3本と書き下ろしが一本収録されてました。
①《トラップは甘い蜜のかおり》
プロテスタント系の男子校に牧師として従事している光橋は学生達の性の解放を手伝っている(趣味)。ある日、同僚の佐倉の自慰を目撃してからというもの彼と体の関係を持っているが‥
受けの佐倉が無理!大人しいのは大丈夫なんだけど、暗いし、ネガティヴだし、面倒臭い、このお話の攻めも受けもお互いがお互いの何処に惹かれたのかさっぱり理解できなかった‥残念です。設定では声楽学校なんですが、歌っている様子がないので声楽学校で無くてもよいのでは?
《さまよいわんこの躾け方。》
犬専門店で働いている高橋の所に、ある日、仔犬を拾ったから『どうにかしてくれ』と近所の体育大学の学生・吉田がやってくる。高橋は、仔犬を拾うだけ拾って飼うことができない吉田を無責任だと攻める。反省の弁を述べる吉田から高橋を好きだと言うことが伺えて‥
こちらの受けもイライラする、いくら高橋の事が好きだと言っても、犬耳付けたり尻尾を履いたりと従順にしてるのって何と無く変(吉田は柔道部なんだから嫌だったら力技で逃げればいいと思う)
《DOG EAT DOG》
喧嘩に明け暮れているケイは自分を高揚させてくれる真木を探していた‥
ケイは喧嘩とHしかしてない。収録されていた三本の話の中では1番古くて、1番ページ数が少ないけど、他二本より良かったと思う。数年後の様子が、あとがきにイラストで載っていました。
弱味を握ったつもりがまんまと罠にはまっていく牧師と無口で地味でめんどくさい佐倉先生。牧師と言っても生徒にまで手を出すショタ牧師で、佐倉先生はそんなことも全部承知でその牧師の光橋先生を好きになるんですね。好きな理由が顔と体と言うのもかなりはっきりしているし、告白が最後になるとか色々変わっている佐倉先生のたまに見せる素直な顔が可愛いかも。
でも、若いに越したことない好きの私としては、もう少し声楽科の生徒さんとのあれこれを見てみたかったですね。牧師さまーって、駆け寄ってくる子可愛かったのにな❤