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sanbika
本仁戻先生の作品集。
「怪物王子」より5作品、「蜂の巣の秘密」より4作品の計9作品、プラス小説的掌編1作品、作者様本人による作品解説、作者様一問一答が収録されています。
レーベルの関係なのか「非BL」登録になっていますが、しっかりBLだと思います。
「サンビカ」
幻想怪奇ものシリーズ第一弾、吸血鬼編。
美しき公爵に忠誠を誓う元敵陣の騎士・ユリ。
ユリは忠誠の証として片目を差し出すが、公爵は夜毎永遠を求めてユリの寝所にやってくる…
吸血鬼もの、これぞ耽美ですよね…
ユリは公爵の孤独な永遠と自ら死ぬことも出来ぬ苦しみを哀れみ…
ユリの慈悲は、公爵の心臓を銀の剣で突くなんて事はしません。跳ね扉を開け、包み込む眩しい朝日の中で灰になっていく公爵を抱きすくめる…
「KILLING MOON」
幻想怪奇ものシリーズ第二弾、狼男編。
これはレズビアンもの。
叶わぬ恋に苦しむ男装の麗人・文緒に取り憑き、文緒の慕情を喰らう狼。
エロシーンといえるものは無く、人喰いのスプラッタあり。
狼の狂った疾走感が、恐怖と紙一重のゾクゾク感。
「ヰタ・マキニカリス」
幻想怪奇ものシリーズ第三弾、人造人間編。
人ぎらいが極まり、自分の代わりに行動させようと自分そっくりな機械人形を作った肯矢(これや)博士。
これ、今言うところのディープラーニングのお話で、人形はどんどん肯矢の思考回路や行動形式を学び、本人と同化/同調していく。
このままだと本人が乗っ取られちゃう?というコミカル系に進むのかと思いきや…
大変な悲劇で終わる。こわいこわい。
「怪物王子」
幻想怪奇ものシリーズ第四弾、怪物くん。…の耽美版。
その目が悪魔のように赤かったため、怪物と怖れられ塔に幽閉されている弟王子。
王となった兄は弟王子を愛して慈しみ助けようとしていたが、弟王子は塔から身を投げて本物の怪物になってしまった…
それでも貫く兄弟愛の哀しみ。とにかく絵が素晴らしい。
「バイバイ・ミズハラ」
これはコミカル系。
既婚者の水原部長とゲイ不倫していた麻生。
麻生は水原と別れ女性と結婚、そして子供を授かった。結婚の時も今も平然とおめでとうを言う水原だが…
この水原はズルいオジサンだなぁ〜
後半4作品は「蜂の巣の秘密」にてレビュー済みです。
(「蜂の巣の秘密」「桂」「プラスチックプラズマ」「SOUND MASTURBATION」)
「続・怪物王子」
「怪物王子」その後を、童話のように綴る挿絵付き小説的掌編。
70年を経て兄王に今寿命が来た。天使が兄王を天国に連れて行こうとするが、兄王は、私は地獄でいい、弟王子を天国に招いて欲しい、と天使に請う。
その時神の声が響き、業火が王を包む…!
焼き尽くされたかという刻を超え、若き日の姿に戻った兄王は、あの時のままの優しく美しい弟王子に抱きしめられていました。2人は心地よい闇の中で、今度こそずっと共に…
本仁戻ワールドにかかると、幻想怪奇もお伽話になる。耽美バンザイ。
アホアホの超ギャグを除いた、本仁さんのスタイルの特徴を網羅した一冊と思えます。
【耽美主義】よりわかりやすく、【探偵青猫】にも通じる世界もあり、【ドッグスタイル】のシリアス版のようなものもあれば、本仁さんのもう一つの才能・文章で、【怪物王子】のその後を童話のように書かれている。
絶版になった作品が多い中、是非本仁ファンとしてはもっていたい一冊ですv
表題は、片目を捧げた主である侯爵が魔物になってしまい、ユリを求めて殺戮を行うのを、自分の手で引導をわたすという、実に耽美な世界です。
言葉の使い方、その進め方がおとぎ話として、とても有効に使われて余韻を残します。
幻想・怪奇ものは、
【キリングムーン】その者の愛する者に変化し、心の見にくさの映し鏡となって、そのものの命を奪う狼。
人の心に潜む嫉み・ねたみ・嫉妬・欲、そんな権化のお話
【怪物王子】片目が赤いばかりに塔に閉じ込められた王の義理の弟怪物王子。
義理とはいえ、むくわれぬ想いに怪物となってしまった悲しい弟の涙。
これの続編を小説の形で、おとぎ話に昇華させてくれております(必見!)
【ヰタ・マキニカリス】天才の博士が自分と全く同じなロボットを作り上げるが、学習によってだんだんと本物より、より本物になっていく。
ある種のナルシスト?
【サウンドマスターベイション】究極のナルシズム
自分のダミーを愛する王。ダミーもまた王を愛し、それはメビウスの輪のように終わりがない。
現代モノとして
【バイバイ、ミズハラ】髭おやじ攻め。
不倫関係であるが、この狡猾な髭オヤジに翻弄されている部下、しかし、本当は髭オヤジが執着?な一本。
【蜂の巣の秘密】皆をトリコにする父の弟の叔父に、惹かれる甥。
【桂】特攻隊を舞台にした珍しい作品-友情です
【プラスチックプラズマ】ヤンキーの熱い男の突っ張り合い、三角関係?
根本の路線は耽美であることには違いないのだが、この世界観が好きな自分には色々なシチュで楽しめる一冊です。