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gushpeche
この特集テーマで、こんなにしっとり甘いお話が読めるとは思いませんでした。
桂小町先生の『ROUGE 感情教育』、「女装」が中心の内容ではないのですが、それがきっかけで展開し、結末のちょっとした「オチ」にもかかわる話運びが、本特集にあっても違和感がなく、お上手だなあと感嘆しました。
女装ものの名作には、コミカルながらもせつない内容のお話が多いにも関わらず、どうしても、「キワモノ」という先入観を抱いてしまう私。
しかも、アンソロの短編とくれば、エロ重視の軽めの話ではないのか、そういう話も悪くないけれど、『ROUGE』の二人に私が求めるのはそこではないからなあ、と、当初は購入を迷ったものです。
先生のツイッターでの告知と、この副題から、どうも様子が違うようだと思い直し、読んでみて本当に良かった!
長門と出会ってから、それまで未分化だったとも言える藍の感情が、豊かに、複雑に育っていることが、短い中にも丁寧に描かれています。
藍に焦点が当てられているお話ですが、対照になる長門の健やかさ、大きさにも注目したくなります。
久しく無かった文化祭が、長門の提案で催されることになった、という物語冒頭でまず、「リーダーシップがある上に良い子だなあ」と感心しました。
長門の元カノに嫉妬したことを指摘され、「やきもち?」と問う藍に「だな」と微笑みかける長門の、包み込むような優しい表情には、私まで惚れそうになりました。
こんな男に大事にされている藍が、どんどん可愛くなってゆくのは当然で、説得力も十分です。
桂先生は、このアンソロへの寄稿に際し、全く新しいお話にすべきかとも迷われたそうですが、私は『ROUGE』で描かれて大正解だったと思います。
巻末の次号 『特集 格差BL』予告にも、先生のお名前がありました。
是非、またこの二人のお話を、お願いいたします!