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静寂のなかの、青い目と赤い唇。屍のそばの、生命の鼓動。 彼の悲しみ方は、なんと――美しくて、艶めかしい。
Dollingerke no kyoudai
リオが兄弟二人のもとに引っ越してきて、三角関係になっていくお話です。
キャラクターの恋愛感情の向きが物語の中で変化していき、3人それぞれの印象も物語の初めと終わりでは全く違っていき、次々と読み進めたくなるお話でした。
物語の大半はリオの視点で描かれております。
前半部分では、リオが兄弟に入り込んでこの三人での関係に夢中になっていきます。その様は、リオにとっては幸せそうでもありながら、どのような結末を迎えるのか予想ができない不安を読者に与えていたと思います。
二人での関係から三人で秘密を共有するようにきっかけを作っていく兄の言動は、この兄弟の歪な関係をうかがわせ、物語のほの暗さを作り上げていく元となっていたと思いました。
そして、三人の結末を語る部分で急に視点が入れ代わります。
急な交代に最初はよくわからなかったのですが、その視点の代わり方が私は好きでした。
既に語られた物語を視点を変えて語るだけではなく、結末の部分は別の人物に語らせるというものでした。その交代した視点での終わり方は、三人の顛末を幸せなものだけでは終わらせずに、さみしさを読後感に色濃く残すスパイスとなっていました。
リオと弟、リオと兄、自分以外の二人に影響されながら兄弟二人とも変化していったのかな。
兄は恋愛感情を芽生えさせたような、弟は自分の魅力を周囲に気付いてもらえるような、そんな変化をしていったと思います。