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mayonaka ni amai kaori
家族ものは好きなので、久しぶりにガッツリな家庭内のイロイロを読めて楽しかったです。作家さまの作風は「フッ…」と片側の口角を上げて漏れるような笑いが出るコミカルなものなのに、切なくて思わずきゅーんと来るシーンもあったりして。
メインは野島家で繰り広げられる家庭内恋愛。というのも、家族全員血が繋がっていないんですよね。長男の左堵(さと)、次男の信蔵、三男の秋生、四男の緑、それぞれの恋模様が描かれています。末っ子のぴなちゃんが保育園児にして立派な腐女子…。
野島家は複雑な成り立ちで、もともと長男の左堵が実父を亡くし、継父となった野島宗継が次々と信蔵以下三名を引き取ったのが不思議な家族構成の始まり。オープニングを飾る次男と三男のお話も良いけど、やっぱり「彼の左のつばさ」で描かれる長男に纏わるお話にホロリとしました。
絵(特に顔)はかなり個性的ですが、裸体が絡み合う描写が男らしくて個人的には好みでした。ちなみに既刊の単行本、『どうにかした日』の中に「金と黒と先生と。」というタイトルで、唯一家族外ラブの四男、緑のお話が二編収録されています。
読み終わった後、冷静になってよくよく考えてみるともしや家族全員がホモ展開?…っていう、BLあるあるかもなのだけれど、ツッコミに煩わされずにするーっと読めたのは、おそらく作家さまによるマジックなのだろうと思うようにします(苦)。家族をテーマにした作品がお好きな方なら楽しめるかもしれません。今のところ電子オンリーみたいです。