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俺は夏目の特別だと思ってた でも、それは俺じゃなかった――
ashita ga kawaru koi wo suru
八川さん作品、初読みです。
以前ピアスでも描いていた方とは思えぬほど、エロさが少ない本でした。
もう少し入っていた方が自然じゃないかな?とは思ったけれど、
ところどころで表情がすごくよかったり、引き込まれる瞬間があったりで、
地味だけど結構いいなぁと思いました、読めてよかったな。
繋がりのない3つのお話が入っています。
■表題「感光のセンチメント」「明日が変わる恋をする」2話+描き下ろし
モテるのに、そういうことに全然興味がない陸上部の攻め(表紙右)が、
夜のランニング中に、外でおじさんとキスをしている男の子を目撃。
なぜかその男の子が光って見えて、オバケか!?とビビるが、
実はその子は同じクラスになったばかりの受け(表紙左)。
話が合うというわけでもないのに、お互い遠慮なく言い合えて、
なんだか仲良くなっていくふたり。
攻めは、その後も受けがキラキラ光って見えて、
自分は受けのことが好きなんだと自覚するけれど、ちょうどその時に、
受けから叶わぬ恋をしていると打ち明けられて……
高校生らしいまっすぐで潔い感じが、とてもよかったな。
受けが失恋したと知って、優しく慰めるんじゃなくて、
「早く一緒に忘れるぞ! いいな!」と言い放った攻めにキュン。
描き下ろしでは、6年後のふたりが描かれて、
攻めが当たり前のように受け大事にしていて、胸があたたかくなりました。
■「花とクズ」1話
女のヒモで仕事もしないのに浮気はするというクズ男(攻め)が、
とても可愛い花屋の男の子(受け)に出逢い、ナンパ。
いかにも純粋でウブそうな受けを、軽く手玉にとるつもりが逆に…!?
■「くにくの恋人」2話
美大生の先輩後輩で、何股もかけているだらしないノンケ × 冷静なゲイ
偶然、攻めの修羅場に居合わせて巻き込まれたことがきっかけで、
なぜか受けは攻めに懐かれて、仲良くなるふたり。
受けはゲイながら、攻めは全然好みではないのだけれど、
あまりに攻めが女性問題が酷すぎるので、恋人役のふりをすることに。
すると次第に……
ウソの恋人役のはずが~~なんて、ありがちな展開ではあるんですが、
友達として心を許していく → 恋人になってもいいかも? という段階が、
無理なく描かれているのがよかったな。
ちょっと甘い気もするけれど、次作も楽しみだなぁ!とすごく感じたので、
萌え×2評価です☆☆
陸上バカの松雪(攻め)は、ランニング中に男同士でキスをしている幽霊を目撃する。しかし翌日、クラスでその幽霊を発見。光っていたので幽霊だと思ったが、普通のクラスメート、夏目(受け)だった。なりゆきで時々一緒に時間を過ごすようになり、夏目に叶わぬ片想いの相手がいることを知るが、いつの間にか惹かれていって…。
エロなしの、モテるけど陸上バカで恋愛経験のない攻め×義父に片想いしているゲイの同級生受け。
攻めは恋愛に興味がなく、冷たく女子を振ってばかりの子です。でも、幽霊だと勘違いした受けと、ご飯を食べたり一緒に過ごすようになって、周りには見せない笑顔なども見せられるようになって惹かれていきます。
受けは、母と再婚した義父に片想いしています。想いを伝えられるわけもなく鬱屈していましたが、自分がゲイだと知っても何ら気にするわけでもない攻めと一緒にいるとラクで楽しい。
そんな2人がくっつくまでの話です。本編ではエロはなく、どっちが攻めか受けかもわからなかったのですが、描き下ろしの6年後の2人は同居していて、大学4年生で就職が決まっても、変わらず一緒にいることを決めている関係。
受けは色々悩みがちなキャラですが、攻めが飄々として揺るぎないキャラで、いい組み合わせだなと思いました。高校生から長く続くBLカプって、見てるとジーンとします。
しかしなぜ最初に攻めの目に受けが光って見えたのかな。運命の相手だったからとか、仮定でいいから理由をつけてほしかった。
同時収録が二本。1本は、女のヒモをしてる浮気性のクズ男が攻め、花屋の店員が受けという短い話でした。
これはBLなのかな…? 面白かったけど、愛はなかった。
もう1本は、女の子に好きと言われたら断らないので常に二股三股をかけている大学生攻めと、攻めの痴話喧嘩に巻き込まれたゲイの同級生の話。シモユル×ゲイというカプでしたが、愛想のない受けが可愛くてなかなか萌えました。