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yomi no kuchibiru
ホラー系は好きなので怖かったという印象もなくSF感覚で読めたので、普段あまりない設定という事もあり楽しませていただきました。
受けさんの久原も攻めさんの船戸も本当に健気!
気持ちが通じ合うまでは船戸が何を考えているのか分からずモヤモヤする事も多々ありましたが、お互いに勇気がなくて相手との繋がりを切らないように必死だったんだ、と気付いた時はもうなんか言葉では言い表せられないようなムズムズ感がありました。
久原は久原で、高校からの長年の片想いに疲れて間男に流されてしまおうかとか、船戸の事を忘れる為に仕事の協力を断ったりとか、色々悩みに悩んで行動するんですがやっぱり好きで諦めきれず。
そんな久原に(自称)愛のキューピッドの職場の後輩がナマモノと称して船戸を家に届けるんですけど、そこからの流れが早かった笑。
そこまでが本当に長い分めちゃめちゃ早く感じました。
蓋を開けてみれば船戸も高校からの長年の片想いだったようで。
でもこの2人の空気感、私は嫌いじゃないです(´ー`)
ショートストーリーの方は同棲を始めるにあたって…という話なんですが、2人のいちゃいちゃ感というか恋人になった空気感がたくさん詰まっていたので、ニヤニヤしちゃいそうなくらい幸せそうな2人が見れて大満足です。
最後の方までラブ度は少ないですが、ストーリー的にはきっちりまとまっているのでいつもと違ったお話が読みたい時の1冊にオススメです( *´︶`*)
表題作とショートの2作品が収録されています。
どちらも久原(受け)の視点でストーリーは進みます。
久原は霊媒体質であることを利用して、友人の船戸の仕事を手伝って失せ物探しをしています。
霊に憑かれた後は、身体が冷えて凍えてしまうので、温めるために船戸とセックスをしているのですが、船戸を好きな久原はそんな関係に疲れ始めています。
そんなときに、会社の同期である宮部に「付き合ってほしい」と言われて…という話です。
「霊を取り込む」イコール「冷たさを取り込む」ので寒くて凍えてしまう。
早く熱を生むために自慰をしていたことから、身体が性欲を全開にするようになった。
という前提を丁寧に説明してくれているので、理解しやすかったです。
船戸だけが秘密を知っていることも手伝ってくれるようになった経緯も自然に受け入れられました。
船戸はあっさりした態度なのですが、その理由を船戸の弟がなにげに説明してくれているのが面白かったです。やけに部下・伊藤との会話が出るなぁと思ったら、そういうわけでしたかと予想外でした。
職場での場面が結構ありますが、仕事モノというより恋愛メインの作品です。
船戸が意外にも奥手だと分かれば、ショートでの思惑はすぐ分かってニヤニヤしてしまいました。
霊が登場しますが、怖がりの自分でも大丈夫でした。
長い片思いの健気な受けや、脇キャラが活躍する話がお好きな方にお勧めだと思います。船戸弟の人の悪い笑顔のイラストも良かったです。