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tenshi no tamagoryouri
とにかく食べ物大好きな食いしん坊のため、食べ物が出てくる作品を新旧問わず読みまくっていて出会った作品。
表紙に3人描かれているので嫌な予感がしましたが…。
クッキングスクールの講師と生徒の高校生、そしてその父親。
何となく高口里純さんの「PINK」を彷彿とさせる設定でした。
あの作品はわたしにとって地雷以外の何物でもないので緊張感が走りましたが、この作品では高校生が講師を好きと自覚するスピードについていけなかったのが功を奏して、高校生に感情移入することもなく、フラットな気持ちで読めました。
講師が子供を弄びつつ、裏ではちゃっかり父親とも…なんていうキャラじゃなくて良かったです。
ただどんなに綺麗事を並べても、母を亡くした幼い子供を知らない女性に転々と預けて男に溺れる父親の過去は受け入れられませんでした。
そのせいで素直に読むことができず、残念でした。
タイトルも内容につながらなくて肩透かしでした。
同時収録はショタに目覚めて慌てふためく小児科医の話。
天使のような美少年の中身は実は小悪魔ならぬ本当の…というファンタジーでした。
息子のために何とか料理を作ってくれる人を探そうとして、その結果勘違いされた女性に次々と迫られては捨てることになっている遊び人の父親に何とか料理作ろうとして頑張る高校生の多希。
その姿勢はいい、といいつつ講師の英二は以前に好きだった人に料理作る事を目的にうまくなったことを言います。
その多希の面影になにか胸騒ぎを感じてしまうんだけど、それは単にその父親に(当時は知らない)なんとなく似てたから、と後でわかるわけです。
そして多希は英二に惹かれていくことになります。
一方その父親側(最後まで一回も本名は出なかったな・・・)も昔母親以外にもう一人、好きだった人がいたことを告白、そして出会う。
これがまぁ最初のうちに主人公と思われた多希にとっては残念な出会いだったわけで。
英二側から見れば落ち着くところに落ち着いたエンドなのですが、三角関係寸前から多希は結局振られただけという話で終了・・・
結局主人公が息子たちから親たちへとどんどん脇へ脇へずれていく話でした。
多希に対して好意を抱いていた同級生、穂積の存在もせっかくいたのでもう1本書下ろしがあれば、読後感がホッとしたのになぁ・・・と思わなくもないのですが、
そういう不安定感がいかにも「昔のBL」って感じがします。11年前の作品ですしね・・・。でもその割には古臭くはないです。