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恋は、一ヶ月の嘘で終わるはずだった
yoake no uso to ao to balanco
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
第一印象は「分厚っっ!!」でした。
これでお値段がそこまで高くないのは、
なんとも嬉しい事だったのですが、
果たして、この本を読破することができるだろうかと
不安を抱きながら本を開きました。
…その思いは完全に裏切られ……冒頭から一気に物語に
引き込まれました。
興味をそそる冒頭、著者の朝丘戻さんの力量を感じます。
それからも飽きさせることなく、物語にグイグイと引き込まれ、
気がついたら、一気に読んでいました。
大人でも子供でもない、幼さと大人らしさが混在したふたりの
純粋過ぎるラブストーリーでした。
◆◆ ◆◆ ◆◆
《CP》
1か月限定の恋人でサークルの先輩・眞山 × サークルの新入生・志生
大学でサークルに入った志生(受け)は、
サークル内でゲイだとカムアウトしている眞山(攻め)と、
周囲に囃し立てられ、流れで1か月限定の期限付きで恋人となります。
皆のからかいを、冷静に冗談と見ている眞山と、
真剣に恋人になろうとしている志生の対比が面白く読める冒頭です。
主人公はどちらとは決まっていません。
章ごとに志生→眞山→志生…というように変化します。
どちらの心の微妙な動きも追うことが出来、感情移入しやすかったです。
でも、どちらかと言うと志生(受け)が主人公っぽかったかな~。
重要なシーンではいつも志生視点だったので。
人と付き合うのは初めての2人。
お互いにキスすらしたことがありませんでした。
そんな2人のファーストキスのシーンはとにかく萌えました!!(><)
キスシーンだけでこんなに萌えたのは初めてかも知れません。
期間限定の恋人になって11日目。
キスをしたいといったのは、志生(受け)からでした。
しかし、志生に惹かれながらも、まだ静観をしていた眞山(攻め)。
ファーストキスは、大事に取っておきなさい、と諭す眞山。
それに対し、志生が言った言葉がとにかく凄くて印象大でした。
「……ぼくもゲイに生まれたかった」
かつて、こんなことを切望した登場人物はいただろうか。
ノンケに生まれたかったというゲイはいくらでもいただろう。
しかし、その逆なんて……。
驚いて、言葉も出ませんでした。
その言葉にひどく心を動かされた眞山は、不器用なキスを志生にして……
くうぅぅぅぅ!! たまらーーーーーん!!
萌える! 萌えます! モダモダします!><
交換日記という時代遅れの2人の遣り取りも面白かったです。
志生(受け)も眞山(攻め)も普通の恋人のように
メールのやり取りをしているにも関わらず、
その間に交換日記を描くなんて可愛かったです。
お互いの心をつぶさに追うことが出来、とても良い小道具だと思いました。
あと笑ったのが「はんこ注射」。
BCGの跡が、まだ志生には残っていて、それをストーリーの
最初から最後までコンプレックスにしているのが可笑しかったです。
「僕なんて、はんこ注射」っていう卑下がなんとも志生らしく、
可愛く思えました。o(^-^)o
眞山(攻め)が実は勃起不全だと知った時、
一緒になって心を痛める志生(受け)が、嬉しかったです。
眞山の傷を一緒になって、分かちあおうとしている姿が健気に見えました。
そして、問題の1ヶ月がどんどん近づき……。
周囲でいろいろな問題が起き、
ついには交換日記で志生に別れを告げる眞山。
そしてそれを信じようとしない志生。
志生はこれからもずっと、眞山とこんな幸せな日々が続いていくのだと
信じていました。
志生も眞山も、それぞれの事情があって……
でも相手のことが好きで好きでたまらなくて……
だからこそ眞山は身を引き、志生はそれを信じずに食い下がる…。
1ヶ月の嘘で終わるはずだった期限付きの恋。
たかが1ヶ月。 されど1ヶ月。
2人の愛を育むには、充分な時間だったのだと思います。
エッチシーンは1回だけ。
挿入は1回だけですが、1回という気がしないです。
2人とも「好きで好きでたまらない」という感情が
本の最初から最後まで溢れていて、イチャイチャしてばかりなので、
どこからがセックスでセックスじゃないのか、
境界線があやふやなシーンがありました。
でも「イチャイチャ」といっても嫌なシーンではないです。
お互いがお互いを好きでたまらないという気持ちがいっぱいの、
幸せな気分になれるシーンの連続…とでも言えばいいのでしょうか。
◆◆ ◆◆ ◆◆
読んでいて、とにかく「この人が好き!」という感情が
どのシーンも溢れていて、嬉しくなると同時に萌えまくります。
ピュアな恋。 ピュアな愛。
一直線で、決して偽ることが出来ない…相手に対しても、周囲に対しても。
「好き」という気持ちがこんなに愛おしいなんて、
この本が改めて教えてくれた気がします。
長い愛と恋の物語ですが、是非皆さんに読んでもらいたい1冊です。
いやー甘酸っぱい。きゅんきゅんしてしまいました。
周囲の提案で、お試しで期間限定でのお付き合いを始めた
眞山(攻)と志生(受)。
お互いが愛の告白をしたわけでも無いのに、読んでいるだけで
お互いのことが好きで好きで仕方ないという気持ちが伝わってきて
悶えました。いいなー 私も混ぜて。
年上である眞山(攻)が照れ隠しでなのか、会話の中で志生(受)を
”さん”付けで呼び、敬語になるところが大好き。胸キュンよ もう。
初めてのお付き合い、交換日記、キス、そして ゆくゆくはゴニョゴニョ…
手探りで奮闘する純粋な2人にほのぼのしました。
眞山(攻)も志生(受)も過去の出来事で心に傷をもっていていますが
志生(受)は聡士や周りの人々のおかげで克服し
その原因となった友人とも割とすんなり和解します。
一方、眞山(攻)の方は、当時のことを自分なりに消化してはいるものの
バイト先でのトラブルなどがきっかけで、自身がゲイであることで
一生つきまとう問題を再認識し、志生(受)を不幸にしてしまうと
大いに悩みます。さらに志生の兄(ブラコン気味)からも2人の関係を
否定され、志生(受)のために別れを選びます。
いちゃいちゃシーンが大好きだったので
眞山(攻)が悩み、落ち込み、別れを選ぶシーンは辛かったですが
サークルのメンバーからのフォローやら
志生の兄が別れろって言ったってすんなりバラしちゃったりやらで
よりを戻すお膳立てはバッチリで、別れてから再びくっつくまでが
割と短くてストレスなく読めました。
また、なんといっても志生(受)がまっすぐで素直で前向きなおかげ!
ネガティブ聡士さんに体当たりで思いをぶつけ、めでたく本当の意味での
お付き合いが始まります。
読んでいて、大学生って成人してるけども、親の庇護下にあるっていうのが
どうにももどかしい!と感じました。
社会に出て、自分で稼いで自分の責任で生活して…っていう状況だったら
また違ったんだろうな。どうかな。
とにかく不器用で純粋で心優しい2人が
どうか末永く幸せでありますように!
ふぅ〜…… もっかい読も!
私の中で、一番のBL小説です!
あらすじは上記を見てください。
表紙に惹かれて購入し、始めは読みやすい作品だなぁと思いながらページを進めました。
次に、ただ可愛いだけでない志生の性格が徐々に見えてくるので、私も聡士目線で「こんな可愛い彼氏たまらない!」と言ってしまいそうになりました。
二人の交換日記を挟んで、聡士目線での話も順にあるので、お互いが相手をどう思っているのかがわかり、イチャイチャ?っぷりに、読んでいてニヤニヤが止まりませんでした。
ホントに、幸せなお話で、このまま何もなく二人がいられたらいいのにと思うくらい。
でも、中盤あたりから、幸せの中にも寂しさが出始めます。それでも読む事を止められないくらい、引き込まれました。
あぁ、ゲイであるが為の苦しみって、こんななんだ。。。と、沢山のBL作品を読んできたくせに、今更気づかされたような気がします。
若いからこその危うさや、真っ直ぐな気持ち、嫉妬、初めてだから色々考えて、二人で築き上げていく事など、心に残る場面が沢山あります。
後半何度も泣きそうになり、最後のページで涙が溢れました。
表紙が本当に作品と合っていて、読みながら何度も見てしまいました。
是非、読んで欲しい作品です。
初読作者様です。
大学3年生と1年生のCPで、何ていうか…とてもリアルだなと感じました。お互いに中学時代にトラウマがあって、そこを克服しながら成長し、お互いになくてはならない存在になっていくお話でした。
きっかけは強引な提案から始まったとはいえ、人ってこんなふうに人を好きになるんだなっていうのがほんとにリアルに丁寧に描かれていて、自分まで学生時代に戻ったような、くすぐったい、甘酸っぱい気分にさせてもらえました。こんなネットやSNSが発達してる時代に交換日記とか萌えしかないです!!
でもお互いのトラウマやゲイに対する世間の目の部分ではそこもやはりリアルで、何度も涙をこらえながら読んだし、もう許してあげてよって気分でした。
でも最後は受けが強かった。過去のトラウマごと攻めを抱き込んであげるんだけど、でもそこまで受けが強くなれたのもやっぱり攻めのおかげで。このお話の核になる部分は1ヶ月という短い期間なんだけど、それでも2人ともすごくお互いに影響を与え合いながら成長していて、眩しくなりました。
辛さや悲しさも大きいけど、2人の成長を見守ることができたし、改めて他人を傷付ける反動や重さみたいなものも教えてもらえたような、自分への戒めとしても繰り返し読みたいと思える1冊となりました。そして他の作品も読んでみたくなりました。
朝戻さんの作品は、思いやりのある、優しい登場人物が出てくるイメージが強いのですが、この作品もそうでした。
中学生の時に親友に恋をして、自分がゲイであることが周囲にばれ転校した経験を持つ眞山。
眞山と同じく、中学生の時に友達を傷つけた過去のトラウマから人づきあいが苦手な志生。
トラウマを持つもの同士の、優しい恋のお話でした。
二人が付き合うようになったきっかけが、志生が二人の所属するサークルの仲間から「ゲイで恋愛経験のない眞山と1か月限定で恋人になってあげて」と言われたことから始まった関係であること、お互い相手を想う気持ちが強いことなどから、ゆっくりと二人の距離が近づいていく過程がとても良かった。
そして、まれに二人にきつい言葉を投げかける登場人物も出てきますが、基本的に二人を取り巻く人たちは優しく思いやりのある人たちばかりであることも加わり、全体を通して甘く、優しい空気の流れるストーリーでした。
ただ、それ故に上滑りしている部分も。
志生のトラウマになった過去は、そんなに引きずることじゃないんじゃないのかな、と思ったり。
「おためしで付き合ってやって」と言われて付き合い始めるのはありだと思うのだけれど、そこから二人の気持ちが近づいていくのが急速すぎて「??」と思ったり。
裸の写真をメールで送り合うのも「んん?」と思ったり。
お互いに、相手に少しずつ寄り添っていこうとする気持ちがある一方で、急に展開が早くなる部分があってちょっと混乱したりしました。
眞山の抱える身体的な問題からセックスシーンはちょびっとだけ。それは別に全然いいのですが、じりじり進んでいる割に、『なぜTkbの写メを相手に送れるんだろう…」とかね、思ったりしました。
あと、ごめんなさい。これはまったくもって好みの問題なのですが、絵柄がちょっとストーリーに合っていないというか。
セリフとか、考え方が年齢の割に大人びている二人なのに、絵柄が可愛すぎちゃって…。あと、志生が女の子に見えて仕方なかった。
けれど、ゲイならではの葛藤や、家族愛なんかもきちんと書き込まれていて、王道ならではの萌えがぎっしり詰まっていました。
個人的に最後の志生の交換日記がとても良かった。7年後、っていうのが。すっと幸せな二人でいてほしいなと願っています。
まずは、とても分厚くて驚きました……!
相変わらず美しい朝丘戻先生の文章です。しかし、最近の先生の文章は一層ポエムっぽくなったような気が……感情の描写が丁寧で、朝丘先生の作品は大好きなのですが、こんな大学生いない!ってくらい台詞が甘いです笑
読む人を選ぶ作品かもしれません。
ともあれ、私は今回も楽しめました!!
先生の作品のなかでも甘い作品だったと思います。のんびりと二人の距離が近付いていく感じがよかったです。
それと、表紙のイラストが私はとても好きです!とても内容の雰囲気にあっているので、表紙の雰囲気がお好きならば楽しめるのではないかと思いました。
電子書籍版を購入。
挿し絵あり、あとがきあり。
表題作品の他に、結ばれてからの二人の日常が書かれている限定SSが収録されています。
えっと、「中立」評価です。
高評価の中、低評価をつけてしまって、ごめんなさい。
「しゅみじゃない」と迷って、甘めにつけました。
以下、辛口です。
なんだろう?
長い長いポエムを読むのに疲れました。
一人称なのに交互に視点が入れ替わるのがイマイチなのかな?
二人の基本的な考え方というかスタンス?(ウジウジしてるところ)が同じで、メリハリがなくて余計に長く感じた。
お兄ちゃんが実は弟の事を好きだったとかの展開があれば、もっと楽しめたのにな。
お母さんが病んで、コンビニに嫌がらせをするとか。。。
または、リストラ中年が受けをレイプするとか。。。
あ、それだと、朝丘戻先生の作風じゃないですね(汗)。
このポエムなところが朝丘戻作品。
この作者様の作品は、世間の高評価に「今度こそは……」と手を出してしまうのですが、いつも読後に疲れます。
(もちろん、感動する素敵な話もあるのですが)
根本的に私が求めているものとは違うのでしょうね。
今回で、ようやく納得できました。
やっとこさ読み終えました。皆様おっしゃっている通り結構分厚いです。
中学の頃ゲイであることが同級生に知られ心に傷を負った眞山と、友人を傷つけてしまったことを未だに気に病む楠木の大学生にしてはピュアすぎる恋の物語です。
登場人物には、メインの二人を含めサークルメンバーやお互いの家族にも好感が持てました。周りにけしかけられてお試しでお付き合いする、という設定も面白いと思いました。
が、いかんせん…ストーリーがなかなか前に進まない…。
おこった事柄よりも会話や交換日記の内容、それから心情の描写が圧倒的に多く途中読むのが疲れました。
最後頃はようやく話が動き出して、ほっとしました。紆余曲折はありましたが、お互いの家族に理解され、サークルのみんなに後押しされ、幸せな結末でよかったです。
ただ、文章のくどさが少し苦手だったので…この評価にしてすみません。
大学生同士が初めて同性と付き合う話です。
1ヶ月の期間限定で付き合ってから、その先がどうなるのか…見守る気持ちで読みました。
朝丘先生の作品は大好きで、感動する作品も沢山あるのですが、私の心がおばさんになってしまったせいか、感動する場面はあまりなく、本作は一冊を読み切るのにとても時間がかかりました…。
理由としては、2人の恋愛の話以外にも、例えば聡士(攻)がゲイであることがきっかけで、過去に親友と仲違いしたことや、バイト先で嫌がらせにあったり…。
また、志生(受)の家族との関係性の部分など、読んでいると苦しく感じる部分が多かったからだと思います。
学生って、時間もあって身分的にも自由が多いようでいて、実はお金がなくて自立していないし、家族からの干渉があったりなど、不自由な部分が多いなぁと改めて感じました。
その学生の立場ならではの苦しさ、初恋ならではの苦しさを感じさせられた作品でした。