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soshite dameninaru
那之后再也不能
カバーイラストからして好みで、ずっと読んでみようかなと思ってたんですけど、こちらの評価があまり良くなかったので延々買おうか迷っていました。好きな作家さまだし、新刊が出たのを機会にエイヤっと併せて購入して、結果的に大満足しています。
三作品収録された短編集。わたしはどの組み合わせも好きでした。特に最後に収録されている作品は先生には珍しく3Pだったので、新鮮だったうえに内容的にもかなりコーフンさせてもらいました。
表題作は元高校同級生同士の再会もの。公立図書館の司書でとっつきにくいタイプの碓井と、女のヒモで生活を繋いできたタラシな嶽のツンデレラブ。どちらも本能的に相手を欲しているくせに、片方は頑なに、もう一方は軽薄に、相手に対して裏腹な態度を取ってしまう。描き方がさりげないのに胸がギュッてなるんだよなぁ。図書館萌えのわたしとしては、嶽が碓井との出会いを回想するシーンがたまりませんでした。碓井がむっちゃセクシーです。図書館(室)で芽生える恋が好きだぁ〜!
「眠れない夜はブルー」は、報道記者とその見習いバイト学生の関係を描いたもの。いつ命を落とすかしれない男に惚れてしまったら…?これまたハラハラさせる三角関係モノで、主人公の大学生が記者の男に抱いていた思慕の念が恋情となり、さらに愛へと変貌を遂げんとするまでの段階が凝縮して描かれていて、グッと読ませてくれました。最終的には三者三様、きちんと決断を下す前向きな締め括りとなっていて、短いながらも清々しい読後感でした。オジ受けです。
「壊れたアクアリウム」はちょっとシリアスめでダークな三角関係。父親の営むアクアショップで働く広末、常連客の月成、広末の友人の謝花。広末(攻め)は月成(受け)を思い、謝花(攻め)は広末を思っている。広末は下になる気は全くないので、謝花とは友人として付き合いたいと思っているところに、ビッチの月成が謝花に誘いをかける…。
3Pも色々ですが、このお話は個人的に好みの設定でして、先生と同じツボだと思うと感激で。。好きなヤツが抱けないなら、そいつが抱いたヤツを抱く!なんてステキなドM男なんでしょ〜笑
タクミユウ作品は地味に爪痕を残してくれるんですよね。時間が経ってもふっと思い出すことがあります。あとがきで各話について記された先生のコメントを読んで、やっぱり先生のお話は好きだなーと思いました。
一読目。このヒモ男、コワイ。無神経すぎ。
二読目。なんでほだされちゃう?
三読目。司書さんの複雑さ、セクシーじゃん?
登場人物に感情移入できるようになってからは、恋情の一筋縄ではいかない感じがよく出ている!と感じるようになりました。恋は一直線、てわけじゃないでしょ?それに、行為的には司書・碓井xヒモ・嶽の固定かも知れないけど、心情的にはリバなのかも…って感じがする。
高校時代に隠れてキスしてた二人。見られて噂になって。無神経な嶽は平気だけど、繊細な碓井は傷ついてしまう。 碓井は多分ゲイだけど、一度も他人と関わらず、人嫌いで通してたんだと思う。
他人との距離感が全然違う嶽と再会して、痛みや恥やいろんな事思い出して。同僚の地味女性にまで声掛けてるとこ見て苛立ったり。
対して、ヒモ業なんてやってるけど女性がマジになるとわざと引く嶽も、高校時代から確かに碓井に惹かれていた。学校の図書室で独り本を読む碓井に、嶽は惹かれていた。
帯は「俺のこと、好きなくせに。」とあるけど、これは言葉にしては言わない二人それぞれに当てはまってる。
「眠れない夜はブルー」
仕事と私、どっちが大事なの?のBL的回答譚。
年上・既婚者の戦場ジャーナリストに恋している若いバイト君が恋の覚悟を自覚するお話。仕事に命懸けの人間に恋することを受け容れる事。
「可哀想だったあ惚れたってことよ」(by漱石)
「壊れたアクアリウム」
コレ好きでした。月成さんと謝花君がソックリなところが?だけど、3Pに至る過程がそれに輪をかけて不思議で。
この曖昧さ、浮遊感。共感の出来ないところが逆に新しい。
謝花君、執着心の果てに何があった?「おまえを抱けないなら おまえが抱いた相手でもかまわない」
読んでしまえるのが残念。この本の前に、他の方のガッツリしたのを読んだのも悪かったのでしょうが、さーと流れるように読んでしまいました。
好きな作家さんなんですが、いつも最後が物足りなく感じてしまうのです。好みの問題でしょうけど。雰囲気はすごく好きなんですが。
表題作は長さの割にあっさり終わりすぎて、物足りなく感じましたが、「眠れない夜はブルー」は中年のジャーナリスト(受)とジャーナリストの卵(攻)の年の差カプのお話で、短いながらも好みでした。もっと若い子がやきもきする様を見たかった気がしますが、サラッと読めてしまうのはこの人の作風なんだと思います。いつもいつも、もうちょっとくれと飢えながら、絶対買ってしまうのです。うだうだ言いつつも好きなんですよ、きっと。
最後のお話は3Pでした。
作家買いしているタクミユウさんですが、今後は内容によって買うのを考えないといけないのかな…と思ってしまった読後感。
なかなか登場人物たちに気持ちが寄り添わず話に入り込めなくて、何度も何度も読んでしまいました。
そういう意味ではかなりリピした1冊。
図書館司書の碓井とヒモ同然の嶽は高校卒業以来の再会。
誰にでも思わせ振りととれる嶽の態度に碓井は振りまわされて…という展開。
過去と現在をという対比を効かせながら、ふたりの心情を浮かび上がらせていくんですが高校時代の姿と現在の姿があまり変わらないため、ちょっと混乱してしまいました。
碓井は嶽が女にだらしない男だっていうことを十二分に承知している。
それでも転がり込む嶽を拒絶できないのは傷つくのをおそれて周囲と馴染まない碓井と人当たりが良いのに心の底では人を信用していない嶽が共有した高校の図書館での静かな時間への記憶。
報われない過去って思い入れが激しい分、日々のどうしようもなさを知ってしまった大人の人にはじ~ん、ときちゃう切なさがあるはずなのに私はダメでした。
絵柄が好みから微妙にズレてしまったせいかもしれません。
【眠れない夜はブルー】
大学生:百合野×ジャーナリスト:渋谷。
同じ世界の先を歩く渋谷を慕う百合野の覚悟。
大人対子どもという図式ではなく成長まっただ中の百合野の不安定な揺れ具合がよくわかります。
【壊れたアクアリウム】
顧客の月成に誘われ身体の関係を続ける広末と、広末を好きな謝花。
広末の月成への想いがメインなのかもしれませんが私は謝花推しなので(笑)
謝花寄りの視点で読んでみたら妙にしっくり収まりました。
ゲイ同士であっても互いにタチゆえ友だち同士なら成り立つ関係は謝花にとっては切ない。
Wikiによるとアクアリウムの生態系は自然界で見られる平衡を再現するのが理想だけど実際には完全なバランスを維持することは不可能だそうです。
バランスのとれた捕食と被食の平衡関係を維持する手段を取らなければならない。
その手段が月成だとしたら…。
謝花→広末×月成の3P。
広末を抱けないなら広末が抱いた男を抱くことでかまわない、そうすることで広末の意識に自分を刻める…という謝花の意図を理解し3人で楽しむことを提案する月成。
戸惑う広末が今後どうなるか見たかった気もします。
壊れているのはアクアリウムではなく情念だろう…と思うと面白かった。
3作の中でいちばん好きです。
この作品がなければ【趣味じゃない】評価でした。
うーん、なんかよくわからない。
表題作の図書館司書とヒモ男の話は、結局はお互いに高校時代から好きだったと言うことなんでしょうけど、ヒモ男、嶽くんがなんでそういう行動をしていたのか理解できない。よくあるツンデレとか、素直になれないとか、自分をホモだと認めたくないと言うのとは違う、独特の性質なのかな?まだ、人嫌いの図書館司書碓井君の方がわかりやすい。
同時収録のおじさんレポーターとバイト学生の話は、単におじさんに萌えないというだけ。
最後の3人の話は、歪んでいて好きじゃないです。