ayaayac
tareka karasu no shiyu wo shiranya
クール薬剤師と、天然ほんわかホストの恋の話。
電子単話の連載はいまも続いてますが、10話で一区切りついてます。
電子の表紙は使い回しが多いのに、11話すべて違うカラー絵が描かれていて、とくに10話までは二人の距離が少しずつ近づいていく絵で作者さんの想い入れが伝わってきます。
ホストの翔平は、仕事明けに急性アルコール中毒で倒れたところを、薬剤師の矢上に抱きかかえられ、心地よさそうな表情を浮かべる。
クールな矢上はホストなんて好みじゃないのに、翔平の表情が忘れられず、ほかの男と遊ぶ気にもならない。
夜の街で再会した二人、「俺、ゲイなのかも」という翔平に「試してみるか」と矢上はホテルに誘い…
翔平は優しく抱かれて、矢上のことが好きだと気づいたのに、矢上は冷たい。
それでもめげない翔平は家に押しかけ、カラダが嫌いじゃないなら抱いてと体当たり!それで矢上も流されるけど、二度目は扱いがひどくて、ほぐすのも自分でやらせるし、抱き方も激しい。
矢上は製薬会社の跡継ぎだったのに、弟にゲイをバラされ父親から見放される。さらにその窮地を救ってくれた恋人の死に目に立ち会うことができず、ゲイなのにゲイを憎んでいる頑なな男。
それを聞いて、泣いちゃう翔平がいじましい。でもホストだから天然なだけじゃなくて、矢上の本心をついたり、心に入り込むのが妙にうまかったりする。
翔平は奔放な母親に捨てられ、種違いの高校生の弟を育てていて、実はすごく疲れていて、矢上の腕が離せなくなってしまうのがよくわかる。
そして二人の関係が翔平の弟にバレ、矢上は翔平に自分のように傷ついてほしくなくて手を離そうとする。翔平はゲイを受け入れてもらえない苦しさを実感するけど、それでも矢上を求めていて…
黒髪美形メガネの白衣姿と端正なスーツ姿に萌え、ホストの天然なかわいさにほっこりしました。
それにゲイゆえの苦しみや、ノンケがゲイに恋してしまうところも納得の流れで、ストーリーもおもしろくて、大好きな話です。
でも吉野先生のツイートによると紙媒体でのコミックス化はないそうで…
電子利用者も増えていると思いますが、電子オンリーと、紙本化された作品とでは広がり方にまだ差がある気がします。
こんな良作品が紙本派の方に読まれることがないままなのが本当に残念。
電子も1話ずつ開くタイムラグで集中力が途切れるので、紙本化、それの電子化でまとまるのを心待ちにしているのですが…
出版社には紙本化を再検討して欲しいです。
白衣で眼鏡が読みたい…と思ったのが、この作品を購入したきっかけです。
ayaayac様が詳細なレビューをあげて下さっているので感想のみを書かせてもらいます。
矢上(攻め)はもちろん、物語自体が翔平(受け)の人柄にすごく救われていると思う。
二人で居れば楽しいこと・嬉しいことは倍に、悲しいことは半分に…それを体現してくれるキャラなので。
ゲイである自分への葛藤、かけがえのない人との別れ、未だに癒し方を知らない“痛み”から翔平を遠ざけたい。痛みのないところへ 大切なものを失わずにすむ場所へ戻してあげたい。
矢上がそんな一心で翔平に「越えさせまい」と積み上げた壁を彼は、好き という強い気持ちだけで越えてしまう。
翔平の人間としての強さ 最後の最後まで「自分」として生きていく清々しさが心に残るお話でした。
まあ、そんな愛すべきキャラが ひときわ輝いているのは、矢上という心の支えがあるからなんですが。
結婚もなく子どもをもたない人生は「おめでとう」を言う方が多く「ありがとう」の数は少ないかもしれない。でも人の心や物事の優劣の本当の正しさなんて誰が判るだろう…
「それでよかった」と思う生き方をすれば何ともないことなのかも…
そんな風に考えさせられる、じっくり丁寧に描かれた作品です。
leeとsoup様
タイムリーなレビューありがとうございます!
leeとsoupさんのレビューを楽しみに待ってました。
これをキッカケに読む人が増えて紙本化につながりますように。
>「おめでとう」を言う方が多く「ありがとう」の数は少ないかもしれない。
この言葉沁みます!
人から言われることは少なくても二人の間ではたくさんの「ありがとう」が重ねられていくのでしょうね。
二人の幸せそうな日常が想像できて嬉しいです♪
古風なタイトルに惹かれたのと、電子書籍サイトで3話まで無料で読めたのが読んだきっかけです。
その後12話まで読みました。
表紙は明るい色調で綺麗な絵柄で、主人公がホストということもあり軽めのお話なのかな?という印象で読み始めたのですが、なかなか重いところもあるいいお話でした。
お店でナンバー5ホストの翔平はノンケなのですが、今までの彼女とは長く続いたことがなく、今も「恋人が欲しい」と夢見ています。
後輩ホストからも慕われる先輩で華やかな世界で活躍しているのですが、プライベートでは父親の違う年の離れた弟との生活を一人で支えている頼もしいお兄ちゃんでもあります。
薬剤師の矢上とは仕事の帰りに立ち寄ったドラッグストアで出会うのですが、こちらはゲイで眼鏡がクールな美人です。
そのクールな美しさのせいもあって、性格も人との距離を空けるちょっと冷たそうなキャラなのですが、基本明るくて前向きな翔平とは対照的でした。
この2人が知り合っていくうちに2人の過去も分かってくるのですが、なかなかヘヴィな内容です。
でもその中で翔平がへこたれずに頑張っているのが頼もしくて健気でした。
ヘタレな矢上に真っ直ぐぶつかっていくシーンは男前でしたし、翔平にとってはそうすることが自然なんだろうなと感じられて、とてもカッコ良かったです。
翔平の弟や後輩ホストにも人間性が感じられて、いいドラマになっています。
さり気なくコミカルな場面がホッとしました。
ayaayac
leeとsoup様
電子合本の方が可能性高そうですよね。
編集の方がレビューは読まれてる証拠だから応援になると言ってました。なので、leeとsoupさんもお時間のあるときにぜひ!楽しみにお待ちしています。
定広美香先生『アンダーグラウンドホテル CROSS OVER』も、1巻の初動が思わしくなく3巻の予定が2巻に減ったとツイートされていて悲しく思ってたのですが、それも大都社なので、紙出版にシビアな会社なのかもしれません…
ayaayac
leeとsoup様
はじめまして。コメントありがとうございます。
leeとsoupさんもお好きな作品なのですね!同志の方がいてうれしいです♪
人気があるから話数も伸びてると思うのですが厳しいですよね…
でも吉野先生も完全に諦めたわけではないようなので、出版社にリクエスト出したりしながら、いつか紙本化、電子合本が出ることを私も諦めずに待ちたいと思います。
leeとsoupさんのレビューもぜひ拝見したいです。
お時間があるときによろしくお願いします。