女子BL(アンソロジー著者等複数)

joshi bl

女子BL(アンソロジー著者等複数)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神29
  • 萌×210
  • 萌8
  • 中立10
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
12
得点
219
評価数
58
平均
4 / 5
神率
50%
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
シトロンコミックス
発売日
価格
¥1,200(税抜)  
ISBN
9784799726686

あらすじ

カバーイラスト:秀良子
ラインナップ:秀良子、志村貴子、ふみふみこ、西田 東、はらだ、市川けい、小鳩めばる、糸井のぞ、ためこう、プルちょめ


わたしが感じることができないときめきを見た。
女子が主人公、女子視点のBLアンソロジー。

時折、BLに登場する憎めない愛すべき女子たちがいます。
傍観者だったり良き理解者だったり恋敵だったり……。
このアンソロジーはそんな女子たちによる女子視点で綴られます。
女子の感情と瞳を通してせつなく伝わるボーイズラブ。
ストーリーテラー達による新たな萌えの世界。

表題作女子BL(アンソロジー著者等複数)

その他の収録作品

  • 「少女C」秀良子
  • 「玉井さん、恋と友情」志村貴子
  • 「貪欲な花」西田 東
  • 「神の道徳論的証明」ふみふみこ
  • 「わたしたちはバイプレーヤー」はらだ
  • 「はいはい、かわいいね」小鳩めばる
  • 「ナチュラチュラリィ」市川けい
  • 「ストックホルム」糸井のぞ
  • 「種田くんと付き合いたい」ためこう
  • 「おりぼんちゃんと男の子」プルちょめ

レビュー投稿数12

ネタバレなし、かなり好みでした

ネタバレなしレビューです。敬愛するはらだ先生の作品が収録されている事から本書に興味を持ち手に取りました。結果、今まで導入部だけサラッと読んで絵柄が好みじゃないとか、なんか話がボンヤリしてると読まなかった(本当にすみません)作者さん達が物凄く面白い作品を描かれてることを知る手がかりになり…一言で言うと感謝してます。

0

女子から見たBLの世界

錚々たる執筆陣。
いつ読んでも色褪せない(一部除く)、珠玉のアンソロジーです。

【少女C】(秀良子) 萌2
『学園天国』の小泉くんの取り巻き、少女AでもBでもなく、Cというところが、脇の中でも目立たない、より一層のモブ感を醸し出していてイイ。
アイドル的存在の小泉くんの秘密を知った瞬間、突然顔がデフォルメじゃなくなる演出もイイ。
「主役になれない子が、特別になれた気分」という描写が秀逸です。
個人的意見なので、お許しを。女子目線のBL作品は、秀先生のものが一番好きです。
『STAYGOLD』の美浦さん然り、少女C然り、彼女たちの心理描写が卓越してます。

【ストックホルム】(糸井のぞ) 萌
ストーカーに誘拐されたJKと、そのストーカーをストーカーしていた先生。
歪んだ関係の中で、現実と向き合った少女の決断が…。

【神の道徳論的証明】(ふみふみこ) 萌2
クラスの王子様・早坂くんと、彼の秘密を知る同級生・田辺。
別マンガかと思うほど、タッチの違う2人の間に芽生えた友情にほっこり。
この2人、いつまでも良い友人でいてほしいと願わずにはいられません。
田辺さんがいい子過ぎる。

【ナチュラチュラリィ】(市川けい) 萌2
双子の高校生・顕(あき)と花菜、それに顕に告白してきた1つ上の先輩・龍司。
同じはずなのに、選ばれた方と選ばれなかった方になって、選ばれなかった方の選ばれたかった気持ちがつらい。
運命共同体のように感じていた2人が、1人の人間として歩み出す第一歩が、切なくも見事に描き上げられています。
成長って、何かを失ったり、何かを得られなかったり、痛みを伴うものですね。

【貪欲な花】(西田 東) 萌
元教師の独居老人の田中さんと、悪徳訪問セールスの2人組。
わちゃわちゃする2人を、まだらに記憶が交差する田中さん目線でコミカルに、だけど物悲しさも感じる雰囲気に仕上げた作品。
「良い」だけの人間も「悪い」だけの人間もいないという西田節を堪能できます。

【種田くんと付き合いたい】(ためこう) 萌
カッコ良くて、性格も良くて、彼氏にしたい同級生・種田くん。
そんな種田くんの金魚のしっぽ的存在の有馬くんとの関係を察知した女子目線。
冒頭と〆の会話を重ねてくる演出がニクい。

【おりぼんちゃんと男の子】(プルちょめ) 中立
気持ち良いことが大好きで、男子に好かれて女子に嫌われるミレイちゃん。
親友同士で告白してきた翔太と凌太、2人と付き合うことになって…。
これはBL?深読みすればそうとも取れなくはないけれど、要審議。
絵とノリが時代を感じさせます。

【はいはい、かわいいね】(小鳩めばる) 萌1.5
フラれるたびに兄のゲイバーでクダを巻くトモと、トモの兄に恋する揺(ゆらぐ)。
揺の恋を応援しつつ、最後に明かされるトモの本心が予想外の方でした。
もう少し長めに、もう少し詳細に読みたい!と思わせる作品。

【玉井さん、恋と友情】(志村貴子) 萌2
コンビニでバイトする玉井さんと、バイト仲間の兄弟。
好きの矢印は思うようにいかないものです。
ただ、三角形の1点から見たら、他の2点が太線で繋がってたなんてこともあるわけで。
志村先生も女の子を使った心理描写が得意な方だなあと、しみじみ感じます。

【わたしたちはバイプレイヤー】(はらだ) 萌2
少女漫画なら主人公当確の姫海さん。
こんな素敵な女子高生ですら、恋のターゲットにならないのがBLでございます。
頭をぶつけて中身が入れ替わるという「転校生」的ハプニングからの、ドーン!みたいな笑えて、切なくて、「お、おう…」という展開。
女子BLでもはらだ先生はやっぱりはらだ先生です。

それぞれ、各先生方の単行本にも収録されている作品だと思うので(自分が作家買いしている先生についてしか確証はありません。すみません)、それを全部持っていたら、購入する必要はないかもしれませんが、フォルダにまとめて読みたいなあという方にはいいかも。

0

萌え<せつなさ

blで今すぐ萌えたい!っていう人にはこの本じゃなく別の本をすすたいですが、
純粋にすごくすごく面白かったです。

起きて最初にすることは
の続編があると聞いて、それ目当てに購入しましたが、他作品も素晴らしかったです。
余韻が残りますね。。。

私が好きだなぁと思ったのは
ストーカーの話ですかね、、
あと、玉井さんの話。

双子の話や最後のお話なんかはうーん、せつない。。。

2

BL入門書として…

BL×女子という難しいテーマを、
どの作家さんも自分の強みを活かしながら
面白く描いていたと思います。

テーマありきの作品集なので、
萌えよりも技巧のほうに比重が置かれすぎてるかな~。

でも、not腐女子の友達に入門書として渡してみるのはいいかも!

1

女子目線のBLは難しい

少女漫画で少しBLちっくな展開があるのが好きなので、きっと私はイケる!と思い読んでみました。
結果…やはりBLは女子目線というだけでは萌えないんだなぁと実感。
まずBL展開がありえない少女漫画だったらきっと萌えるんだと思います。上手く言葉で言い表せないんですが…アウェイでラッキーなモノが見れたって思っちゃうかも(笑)
しかしはらだ先生の話だけはコミカルで切なく面白かったです。
お話の作り方の上手さもあるのでしょうが、主人公も男2人も輝いて見えました。
しかし1200円+税は高いです。

1

新たな視点で見るBL

私は昔から第三者目線でみたカップルの話が大好きだったので、今回は女子目線のBLと聞いて是非読んでみたいと思い購入しました。

「ナチュラチュラリイ」市川けい
何をするにも二人で一緒だった双子だが、双子の片割れを好きだという男の介入で二人の関係が変わってしまって、というお話。
始め女の子は男の介入をうざがっているのかと思っていたのですが、まさかの切ない展開でした。
いっつも一緒だったのに、なんで今回は違うのと涙を流す女の子が切なかったです。

「わたしたちはバイプレーヤー」はらだ
この主人公の姫海さんがまたとっても良いキャラクターでした。
物語は終始コミカルな感じで進んでいき、魅力的なキャラクターとテンポのよさがさすがはらださんだなと思いました。

1

作品世界に投影される女子の自我

以前から、BL作品に登場する女性、という存在にとても興味があったので即買いしました。。

期待通り、とても興味深い。萌えとはちょっと違うんだけど…。
何が興味深いかといえば、やはり作家さんごとに、女子のからめかたが全然違うんですよね。
読者や作者が女性であれば、やはり作中の女、という存在には自我が投影されて当然かと思います。作中の女子たちは、作者自身であり、読者自身にも置き換え可能。
ほとんど傍観者のような立ち位置であったり(たとえば秀さんの作品)、時に相談役であったり(名前忘れちゃったけど、女装男子のやつ)、がっつり二人の間に入っていたり(ぷるちょめさん)、作家さんの欲望の具現化のようでもあり、読者にとってのBLとは何なのか?を気づかせてくれるものでもある。

かくいう私は、西田さんの初老女子(むしろ女史?)に、やられた!と衝撃と共に親指を立てたくなる気分を味わいました。
だって、まさかのおばあちゃん!西田先生っておいくつなんでしょうか?
酸いも甘いも噛み分けたおばあちゃんの人生においては、男二人の色恋沙汰など些事ということなのか…。BL作品ではもちろん、世界の中心は主人公たちなわけですが、この作品ではいい感じに突き放された脇役感があります。けれどもその突き放しが冷たくはない。人生の何歩も先から慈しむような、暖かさも感じる。腐女子から貴腐人へ、さらにそのまた先へ、徳を積んだ私たちはいったいどこまで進化するのやら、と腐女子の未來について想いを馳せずにいられない壮大な作品でした(笑)

はらださんのメタ視点や、秀さんの女の子キャラが記号的なモブ子ちゃんから、一人の女の子として作中で変化していくところがとても興味深かったです。

逆にあまり好きでなかったのは、ぷるちょめさんの作品。女子ががっちり男二人の間に入りすぎていて。しかもすごくムカつくタイプの女子が。あまりに女子中心に物語が進んでいくので、あまりBLっぽく感じませんでした。まぁ、これくらいの近距離で二人を観察するのも悪くはないと思いますが。

4

凪BL

執筆されている作家陣も、女子目線で語られるBLという題材も素晴らしいのですが、実際はそこまで萌えるというほどでもありませんでした。

全ての短編を読んでわかったのが、女子目線、というだけでは面白い話は作れないということ。なぜならそれは自分自身が既に行っていることだからです。
はらださんの話が面白く感じたのはきっと、自分(女子)も物語の一員となって動いてくれたからではないかと思います。やはり、傍観しているだけだと、当て馬になって失恋するか、そもそも面白い話は生まれないんだと思いました。

ただこのアンソロジーに参加されている作家さん方は有名でかなり実力のある方々なので、その微妙な心理描写やコマ使いでどのお話をうまくまとめてあると思います。

6

はらださんは面白かったけど、他はあまり…

BL本に女の子が出てくるのは嫌ではないし、
前に秀さんの「STAYGOLD」で女の子視点の描写を見た時も、
すごくいいなぁ上手いなぁ…と思ったので、このアンソロは期待大でした。
が、
実際に読んでみると、興味深くはあったけれど、
共感も萌えは思っていたほど感じることができず、残念…(>_<)
これなら普通の少女マンガの方が楽しく読めるなぁ~
なんてわたしは思ってしまったな。

作者の個性はよく出ていたと思いました。

モブのように女子を簡易描きにしてる作品(秀さん・ふみふみこさん)も、
反対に、ツヤツヤの唇やパンチラを何度も見せて、
女の魅力を見せつけるように描いている作品(プルちょめさん)もあり、
視点が初老のお祖母ちゃん!という作品(西田さん)もあり、多彩。
そして視点の女子を、
単なる傍観者や脇役にしている作品と、あて馬的立場にして、
最後は失恋しちゃって切ない余韻が残るものと、だいたい2:1くらい。

ただ、どれも話が短いので、
女子が見てる、男(の子)達の関係性も魅力も、サラッと描かれるだけ。
じゃあ、視点の女子については?というと、
感情移入したり魅力的だなぁと思うには、ページが足りない感じ。
ほとんどの作品が、
結局どっちの描かれ方も中途半端だなぁと思ってしまったな…。


そんな中で、
はらださんの作品は、頭2つくらい飛び抜けて面白い!!と思いました。
■はらだ「わたしたちはバイプレーヤー」
美人で才女で、そんな自分に酔ってる女子高生が、
地味で頭が悪くてガサツなクラスメイトと入れ替わっちゃって、
どうしよう!オシッコは?着替えは?見ないでよ!!とギャーギャー☆
で、どうにか事を終わらせてトイレから出ると、
女の子が狙ってる爽やかイケメンくんに見られちゃってて…

イケメンくんたら、わたしのこと好きなの?
でも嫌だ、ガサツくんもなんか格好いいじゃない??
もしや2人は私をとりあって喧嘩!?
テンパりながらも、グングンと勝手に突っ走ってく女の子は可愛いし、
女の子とガサツくんの入れ替わっての言動は、すごく可笑しい♪
そして実は、
ガサツくん×イケメンくんは恋人同士…と女の子が知るシーンが、
2人が繋がってるアソコ越しに描かれる!ってのが、…上手すぎる☆

はらださん、キャラの魅力と情報量の詰め方&見せ方が非常に巧みです。
この作品だけなら、神評価!
ただ、このアンソロ全体の評価となると…わたしは中立寄りかなぁ。

10

彼らを見つめる「わたし」の分身たち

表紙のデザイン、よ〜く見ると女子の瞳に映りこんでいるのです、右目に茶髪君、左目に黒髪眼鏡君。さらに『わたしが感じることができないときめきを見た。』との帯のキャッチコピー。
最高にイカしてますな。中身もイカしてます。
(ただし、万人受けはしないと思います。萌えというよりも、新しい発見のある、とても意欲的に丁寧につくられたアンソロです。)

表紙とキャッチコピーの通り、女子が主人公となって語る、彼らラブストリーが集められています。
その立ち位置というのが、お話によってこんなにもバリエーションが出るものなのね〜と、ひどく感心してしまいました。
ポジショニングの違いがとても面白いです。

そして、その彼女たちは、どれも「わたしである」のです。

秀さんは、クラスメイトの彼の秘密を知ってしまうモブキャラC子を。
糸井さんは、おそらく疑似家族に居場所を見つけるなつみを。
ふみふみこさんは、優等生の恋の共犯者みのりんを。
市川けいさんは、もうひとりの自分(双子の兄)と決別していく花愛を。
西田東さんは、教え子たちを懐かしみつつも、したたかな田中のおばあさんを。
ためこうさんは、カッコいい彼の隠れた顔にドンびく思春期女子の高木さんを。
プルちょめさんは、動物的感を働かせて恋のキューピットになるミレイちゃんを。
めばるさんは、自分よりも可愛い女装子に負けてしまうトモちゃんを。
志村さんは、『起きた最初にすることは』矢野兄弟を鋭く見つめる玉井さんを。
極めつけは、アンカーのはらださん!このアンソロジーのオチを姫海さんという美少女を登場させ、これでもか!?という形で私たちをメタ化してきます。

ときには嫌悪感や嫉妬心を抱きながらも、やはり彼らの恋を応援する彼女たちの姿は、どれも「私」です。
いわゆる「現実社会の恋愛」という戦場からスタコラ逃げ出した私には、
自分と同じ性を持った主人公が恋愛するマンガなんぞ、怖くて読めず、その逃げ場がBLなのかもしれません。自分が戦場に出るという恐怖から遠い楽園、それがBL。BL世界では、壁の目である自分。

でも、この女子BLでは、いつもはいる必要のない自分が登場するという、ちょっぴりのやるせなさと共感が胸に突き刺ってきます。
さらにお互いさえ知らない彼らの秘密と本当を知る第3者視点には、奇妙な快感と萌えがあります。
そんないままでになかった感情を揺さぶられる、エアポケットのようなBL作品です。

どのお話も秀逸で作家さんのカラーがそれぞれ濃厚なので、ちょこっとずつ、それも順番通りに読むのがバランスがよく、オススメの読み方です。
最後ははらださんに、ガツンとやられちゃってください。

18

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