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yoimachi zshizuku
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
双子の画家兄弟×祖父の絵を探している22歳。
家政婦として攻めズの家に入ったのに、攻めズには行き違いで官能モデルの応募だと思われており、2人がかりでエロい目に遭わされる、という話。
モデルと間違えられてエロい目に、といっても、受けの許可を得るまでは本番はしないとか、割と真面目な攻めたちでほほえましかったです。
絵があまり好みじゃなかったので期待せずに読んだのですが、攻め2人、双子の兄と弟の性格の違いや、いわくのある絵の因縁や、あと受けの秘めた事情なんかのこともあり、なかなか盛りだくさんで楽しく読めました。
行為中は耽美なのですが、普段の生活や3人の日常的なやりとりなんかはクスッとしてしまうようなほのぼのな可愛らしさでした。ゆず湯に入れるゆずに顔を掘って風呂に投入し、攻めたちを驚かせたりとか。
複数って基本、無理ですよね。
快楽目的や興味でえろすを行う、気持ちの伴わないえろすは出来たら見たくないですね。
「激しく同意!でもBLをもっと広い心でおおらかに楽しみたい気持ちもある…」という方に朗報です。
こちらの作品、3人です。
表紙からも見て分かるように3人です。
でも大丈夫!怖がらないで!そこには愛があるから!
受け1人に攻め2人なんて、受けがいいとこ取りで優柔不断なだけじゃないの?と疑っているあなた。
わたしもそういう作品を数々読んできて、「またこういう受けだよ…。はいはい、モテてイイネー」なんて毒を吐いてきましたが、この作品の受けはそうじゃないんです。
家族愛、とでも言いましょうか。
そう言ってしまうと今度は、「え、近親相姦無理!」という方がいらっしゃると思いますが、そこもちょっと待って!
今までわたしも「実兄弟はちょっと…」とか「はっきり言って気持ち悪いです」なんて失礼極まりないレビューを書いてきましたが、ここで言う家族愛というのはむしろ、「人間愛」みたいな。もっと広い感じの。「人類みな兄弟」みたいな。
前置きが長くなりましたが、幼い頃に両親を亡くし、ずっと一緒に暮らしてきた祖父にも先立たれ、天涯孤独になった千羽が、家に伝わる天人の絵の片割れを探すところから話が始まります。
あるとき不幸な事故で千切られた天人の絵は、失われた片方に天人の愛した地上人が描かれていて、天人と恋人をもう一度会わせたい一心で、片割れの持ち主である日本画家・深山月白に辿り着くわけです。
家政夫の募集があると聞いて訪ねていったところ、いろいろな誤解や手違いがありつつも、双子の画家と心を通わせていくというストーリーでした。
読んでみると3人で、というのがとてもナチュラルに受け入れられます。
むしろどちらか1人と、という方が想像できませんでした。
この形が3人のあるべき形なんだな、と納得できる流れなので、嫌悪感は一切起きませんでした。
途中、何やら悲しいラストになりそうな気配になりますが、想像していた展開にはならなくて安心しました。ご都合主義と言われても、これ以上悲しいことは起きなくていいじゃない!というくらい千羽が可哀想な生い立ちの子なので、しあわせに暮らしていける予感しかしない終わりに大満足で読み終われます。
ところどころデッサンが…というコマもありますが、概ね美しい3人組を愛でつつ、複数のえろすを心穏やかに読める自分にちょっと嬉しくなれる作品です。