冬草
furikaereba koe ga kikoeru
しきなゆさんが描く御幸先輩と沢村くんがとても好きです。
野球至上主義の御幸先輩はめちゃくちゃ男前で
投げることが大好きな沢村くんはすごく可愛いくて。
今作は、恋という名前がつく手前くらいの想いを抱くふたりの話。
声がきこえなくても、見ているだけでわかる。
何を話しているのか、何を考えているのか。
豊かに溢れる感情、熱のこもったその表情を見ていれば―
捕手の御幸先輩にとって、投手沢村くんは”バッテリー”として
当たり前のように特別な存在だった。
けれど、どこかで感じている、野球から少しはずれたところで
彼を特別視している自分がいることを。
それは沢村くんも同じで、
気づけばいつでも御幸先輩に目を遣っていた。
密やかに心に抱く、淡い独占欲と共に。
何か大きな変化や事件が起こるわけではなく
野球中心の日常生活の中で
リリカルな心理描写が瑞々しく丁寧に描かれた
甘酸っぱい空気が広がる作品。
しきなゆさんの描くきれいで繊細な絵柄にぴったり合います。
萌えポイントとしては、ラストの御幸先輩の半端ない格好良さ!
想いを伝えようとする沢村くんの口を押え
沢村くんと賭ける”最後の夏”への熱い想いと共に、
『全部終わったら、俺から言わせて』というエンディングには
部活ものBLとして、この上ない爽やかな”キュン”と好感を覚えました。
イチャラブだけが同人誌じゃない、
清々しさ溢れる読後感がとても素敵!
うーん、しきなゆさんの御沢、本当に大好きです♡