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ai wo naku canary
音楽学校を舞台にした、ピュアな少年たちのラブストーリーです。同じように音楽学校を舞台にした、古川ふみさんの『天使の糧~君に贈る歌~』が好きだったので、こちらも興味を引かれて手に取りました。BL未満という感じだったけど、音楽学校が舞台の話だから、それでイイと思えます(勝手な個人の意見だけど…)。
「カナリア」としてしか見られない、孤独を抱えた学校一美しい声を持つイシル。ピアノを弾くことが好きだったのに、親からのプレッシャーでいつしか音楽と真面目に向き合わなくなったナイト。
そんな2人がお互いを純粋に愛して、相手に恥じないようにと音楽と向き合うようになっていく過程が良かったです。おまけに、音楽を愛する者同士の告白の仕方も、恥ずかしくなるほどの純粋ぶりでキュンとなりました。そして、終盤に2人が素晴らしい才能を披露して、見事に1位を取った場面では感動すらしました。
実は、絵がもう少し綺麗な方が好みなんだけど、それでもピュアでキラキラした世界を堪能できました。
表紙の美しさに惹かれて購入した本でしたが
ピュアな青年期の恋心、ファンタジックな世界観、そして私が大好きなギムナジウム!
ギムナジウムもの、耽美、詩的な世界観がお好きな方には本当にお勧めです!
お話も勿論ですが、キラキラした作家さんの絵がまた美しくて
世界観にぴったり合っていると感じました。
声楽に力を入れている音楽学校、その全校生徒の中から毎年選ばれる
類稀なる美しい歌声の持ち主、象徴としての”カナリア”
”カナリア”に選ばれた孤独な少年と、才能ある奔放なピアニストのお話です。
才能がありながらピアノを弾く意味を見失っていた少年が、初めて見つけた愛の為に奮闘する姿は
王道ながら、心にくるものがありました!
題材としてお話を占める歌曲達も本当に素敵で、凝ってお話を作られているなぁとも感じました。
久々に心が洗われるような作品に出会えたなぁと思います。
濃いBLではありませんが、儚い少年期の中で確かに芽生える唯一性は、個人的にはBL界の粋だとも思っております。
次回作をまた楽しみにしております!
■プロローグ
指折りの音楽学校に通うナイトと"カナリア"…。
"カナリア"とは学校で最も美しい声を持つ少年に与えられる称号だった。
ナイトは"カナリア"に初めて出会った瞬間、その美しい視線に心を射抜かれてしまい…!?
■感想
とある音楽学校での少年たちの淡い恋物語です。片思いから両想いに転じる王道のストーリー。
作中で多用されている"カナリア"という言葉に注目すると物語の面白みがグッと引き立ちます。
コンクールの自由曲でお互いに恋の告白をするというシチュエーションはとてもお洒落ではがゆく、読んでいるこちらまで恥ずかしくなってきます。
作品の表現性とストーリーはとても良いのですが、キャラクターの描き分けと作画の拙さが少々気になりました。
総合的に判断して、評価は「萌」とさせて頂きます。