こにしそる
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非BLですが、このくらいのテイストもいいなと思える面白さでした。
ただの友人よりは相手を大事にしてるけど、恋愛ではない、でも君を守るよという関係。
ジャンルはファンタジーというか、超能力系というか、不思議系なので普段はあんまり選んで読まない類です。なので最初はとっつきにくいかもと思いました。確かにキャラは型破りですが、誰かを大事にする気持ちというのはよかった。
主人公のさつきは不運続きて一人ぼっちな人生を歩んできたけど、突然超強力な守護霊がついて彼を守ってくれることに。
それとは別にさつきが偶然爆発事故で助けた極道の御曹司・古淵からも懐かれ、彼を守ってくれるといいます。
細々生きてきたさつきの世界がいきなり騒がしくなるんだけど、さつきは他人を拒む生き方をしてきたせいで彼らを受け入れられない。
守護霊という非科学的なお話だけど軽くさらっと読める感じでした。
さつきは別に暗いキャラでなくて、自己主張の強い意固地なキャラで可愛く、みていて面白かったです。
最後はまさか…と思いつつ納得できるラストでした。
ただ、一冊で終わらせるにはストーリーは詰めすぎというほどではないんだけど、やっと皆と少し親しくなれたくらいで幕引きなので、ここからもっと踏み込んだキャラクターの人となりが見たかったです。
森さつき(男)は、爆発事故に遭うが、奇跡的に助かる。
友人だと思っていた男に騙されて借金に追われる日々の中、二人の男につきまとわれていた。一人は、古淵隆景(こぶちたかかげ)というヤクザの息子で、爆発事故の際に助けてくれた恩返しがしたいと言う。もう一人は、大柄な黒髪の外国人で、自分は新しい守護霊だと言って――。
まるごと1冊1話の連載ものです。あとがきが2ページあるだけで、後日談のようなオマケの書き下ろしはありません。
この作者様のいつもの作品で、はっきりとBLな場面はなく、ハグはありますがキスはない友情止まりです。
殴ったり、銃を撃ったりのバイオレンスはありますが、痛そうな感じはしません。
主人公のさつきは血縁者にも友人にも恵まれず、なかなか哀しい境遇のはずなのですが、元気でコミカルに描かれているので切なさは皆無です。
今までの経験で頑ななになってしまったさつきの心を、隆景と守護霊がほぐしていき、そしてプラスアルファが加わり、最後には4人の後姿で、「俺の人生はひとりじゃなくなった」で終わります。
4人目が誰なのかは読んで確かめてください(笑)。
安定の面白さです。
作者様の他の作品「10-4」などが好きな方にはぴったりだと思います。