ひめごと

一途な年下x臆病な作家

こちらは、「抱かれたい男」収録の「秘密のダイアリー」の図書館司書・御薗が登場します。
(「秘密のダイアリー」は読んでなくても、一応大丈夫です)

作家である平井の自宅は、蔵書が多すぎて管理が行き届かず本がただ積み上がっているだけの状態になっていた。それを見かねた担当編集・伊佐見が、いとこの御薗という者が司書をやっているので片付けを手伝わせる、とテキパキと話を進め、あれよとその御薗が家にやってくる。
御薗は本物の「本の虫」で、黙々と蔵書整理を続けます。
ただ、平井はいつも行く図書館で御薗を見かけていて、一方的に面識はあり。
だが、それは決して一方的だったわけではなく、御薗は小説家・平井のファンだったのです。
少しずつ会話をするようになって打ち解けてきたそんな時、ある日偶然に御薗が平井の昔の写真を見つける。それは平井が男性と仲睦まじく頬を寄せ合っている写真などで…
ショックを受けて御薗は平井の家に行けなくなってしまう……
平井へのファン心理が実は恋愛感情だった事を自覚して告白する御薗。
平井は過去の辛い思い出を御薗に語り始める…

…伊佐見は何もかもお見通しだったのかしら。
一つの恋を喪い、恋を封印していた作家が新しい恋に踏み出していくお話でした。エロも適度。
しっとりしたお話でとても良かったです。