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koisuru ookami ookami wo karu housoku
本編を読まずにこちらから読んでしまいましたが、ほかの方も書いてくださっているように毎回違うカップルで独立しているようで、人間関係とかは問題なく読めました。
ただ、短編だし、読み始めた本は最後まで読むことにしているので完読はしましたが、メインカップルの心の動きよりも、友人カップルやおばあちゃんとのにぎやかな会話が多く、あまりストーリーに入り込めませんでした。
受けのレインはなかなか魅力的なのですが、ドジさ加減とそれを全面的に愛でる攻めのデヴリンに何となく引いてしまいました。私がシリアス好みなせいかもしれません。すみません。
人狼もの、という以外はベッタベタのBLで少々面食らう。
今作のカプは、イマドキ二次元でも珍しいくらいの天然ドジっ子レインと、溺愛系スパダリっぽいデヴリン。コメディタッチの中編で、さらっと読めた。
運命のメイトとの偶然の出会いから始まる物語は、基本的に優しい世界の中で繰り広げられる。家族や友人達も二人の関係をすんなり受け入れ、祝福してくれる。根っから明るい性格のキャラばかりなので、とても楽しい気分になれた。
悪者は性格・行動・立場等、いかにもな設定で分かりやすい。デヴリンの活躍で、スカっと成敗して人狼としての地位も手に入れる。見事な起承転結で読後感もすっきりだった。
エピローグは翻訳ものでしかおよそ見ないであろうエピソード。ラブラブで微笑ましく、今後の心配など要らなそうな二人だと思った。
ストーリーそのものに特筆すべきところはないが、全体に漂うカラっとした爽やかさが良かった。思い悩む様子にじめっとしたウジウジ感が無く、悪キャラの企みにも強い陰湿さは感じない。キャラも明るくて好き。
方向性はシリーズで「狼を狩る法則」に近いかな。
メイトと分かったらずっぽり一目惚れ、即エッチ。オメガバースの運命の番より分かりやすい光の速さの相性占いです。特にこの2人はよほど相性が良かったようで出会って3秒でベッタベタ、トラブルは外的要因で、身内も全員手放しの大喜び。ここまですんなりだと物足りない気がしてしまうもので。
濃厚なラブシーンは面白いものの、大立ち回りのアルファ争いも数ページで終わりますし、何かクセが欲しかったところです。
2015年の小説ディアプラスに掲載され、電子配信されている作品です。
人狼シリーズの番外編で、他作品とは完全に独立した物語となっています。
物語の人物設定自体はだいたい他作品と似ていて、攻めは見た目も心も男前の強い狼。
本作の受けは、体格は小さく守ってあげたくなるような可愛らしさを持った狼です。
そして、元々の群れを乗っ取った素行の悪いアルファに乱暴されていたところを、攻めのデヴリンに助けられます。
受けのレインは、デヴリンのメイトでした。そして群れのオメガ。
…という設定で、デヴリンがレインのためにアルファから群れを取り戻す、というのが物語の大きな流れ。
レインは注意欠陥というか、大変なおっちょこちょい?ドジっ子?で落ち着きのない子です。
でもそんなところもデヴリンには好ましく見えるのですね。レインといれば毎日が楽しくなるようです。
そしてメイトですからHも濃厚。レインは可愛いけれどとても感じ上手で、そんなところもデヴリンを喜ばせる感じ。
悪いアルファの嫌がらせやデヴリンとの対決、家族愛、仲間との絆等、短いながらも読み応えあり。
物語はもちろんハッピーエンドで、読後感も良いです。
スピンオフとなってますが、3作目まで毎回違うカップルで、ほぼ独立して読めることを考えると、毎回がスピンオフ、あるいは今作が第4作と言ってもいいと思います。
今回は、アホ(ドジッコ)のお花屋さんと、強い社長さんのカプ。この辺はどの作品もお約束な関係のオンパレードですね。スパダリが多め。
当て馬っぽい、弱い人狼が邪魔してきますが、無事退治してハッピーエンドな、かいつまんでしまうとそういうストーリーです。
受けがあんまりアホでドジなので笑える、というところぐらいで、そんなに萌え要素はなかったかな。でもなんだかんだ言ってシリーズ全作読んじゃいました。
アルファ・オメガ設定以外は本編と一切関係がない、
正しく番外編なのでかなり気楽に読んでよろしいかと
思われます。
注意が必要とすれば、情交描写がかなりあからさまで
ある事です。紙媒体ならページをそっと閉じる事で
冷却できますが…。
慌ててアプリを閉じて深呼吸はなさいませぬ様。
あと、この作品をいきなり読んでも恐らくアルファ・
オメガ設定について飲み込む事は出来ないだろうと
愚考します。
本編初刊の『法則』である程度設定を掴んでから
臨まれると愉しみやすいかと。
小説ディアプラス(2015年フユ号&ハル号)に掲載された短編で、わたしは雑誌を基本買わない為に読めずにいて悔しい思いをしておりました。
文庫化は量的に無理だろうと諦めていたので、こうして発行されてとても嬉しい!
新書館さん、本当にありがとう!チュっチュッ♡
J・L・ラングレーさんの人狼シリーズではありますが、お話自体はカップルも人狼の群れも既刊とは違うので単体でも読むことは可能です。
ただ、ある程度用語は知っていた方が読みやすいですね。
特に『メイト』。
これはこのシリーズの攻め受けは皆そうなのですが、運命の相手といいますか伴侶(狼は一夫一妻型と言われていますし)、その相手に一目合えば自分の狼の血が教えてくれるただ一人のパートナーです。
ただ必ずしも人狼の皆が皆、メイトへ出会えるわけではありませんので、メイトと巡り会えることは幸福なのです。
そして、シリーズ通してカップルだけでなく家族との交わりが深く書かれていて、本当に心がホカホカ致します。
家族へ向かって「愛してるよ」なんて言える文化って、素敵だなあ。
家族との関係が希薄であるのはもちろんですが、直接的な言葉や行動は慎むべきという日本人の美徳がこういう時は残念に感じてしまいます。
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攻めのデヴリンは、友人(こちらも人狼)と営む建設会社の移転のためにアッシュビルへとやってきた人狼。
体格も良く、喧嘩も強いたくましい男性。
受けは小柄で美しくお婆ちゃん子な、群れのオメガであるレイン。
ただ外見に反して、不器用で考えていることが態度や口にすぐ出してしまう率直な性格です。
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デヴリンは事務所移転のためにアッシュビルを訪れ、その地域の群れのアルファ(ボス)へ挨拶をするために約束の場所へ向かいます。
しかしその顔合わせの場で群れのオメガが暴行されている様を見て、群れのアルファと対立することに。
オメガは力は弱く、人狼でありながらも気質は従順です。
しかし、群れのメンバーとアルファとの架け橋であり調和であり尊ばれる存在。
ただしレインの所属する群れではアルファによって、オメガは軽んじられています。
そんな態度で臨むわりに、アルファはレインを手に入れようと着々と策を練ってきます。
序盤、デヴリンがレインを救い自分のホテルのベッドへ寝かせた時『その白い額に寄った眉間のしわを 、指先でさすってやりたい』というくだりがあるのですが、そこが何気ないのに相手を愛おしむ気持ちが現れていてすごく好きです。
訳者の冬斗さんは、アドリアンイングリッシュシリーズ等BL小説の訳に慣れた方なので、こういう何気ないBL的な心情を訳されるのがうまいと思うのですよね。
もちろん国産BLとは文章の感じがまったく違うのですが(特に特徴的と思うのはワンセンテンスが短いこと)、ただこの作品はシリーズの他の作品よりも国産寄りに訳されているのではないかと感じました。
翻訳物は一人称がけっこうあるのですがこのシリーズは三人称ですし、本編既刊三冊よりも短い(というか本編の厚さはすごい。特に三冊目)のでお試しによろしいかと。
こちら一作目同様、受けの方がアソコが大きい(笑)仕様です。
これは海外ならではですよねえ。
そしてわたしが読んだ冬斗さんの翻訳の中では、一番直接的な官能を表されてらっしゃるなあと感じました。
わたしはあまり翻訳BLの行為シーンは数は多くてもエロく感じないのですが、こちらはひじょうにうまく、そして馴染み深く表現されておりました。