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nemureru mori no nobara
沉睡森林的野蔷薇
ちるちるではあまり取り上げられることのない先生ですが、私は好きな作者さんです。
本作は、2015年発表の短編集。
「眠れる森の野ばら」
バイト青年xフローリストのビッチさん。
花屋経営でアレンジメント教室も人気の野原は、夜毎相手をとっかえひっかえのゲイ男性。
そんな野原を心配する硬派なバイト君の臣(おみ)。
野原は臣の好意をわかっていて、これ見よがしに男を漁る。
一方臣は、いくら野原から誘われても遊び気分の野原には応じない。
野原は本気の恋心を向けられることに慣れなくて…
誤解と思い込みによるすれ違いです。
2人の恋路はある意味王道だし萌える要素もかなりあるんだけど…何しろ野原のルックスが全然私の好みじゃなくて。
臣の方はシュッとした塩系で良かったので、つくづく野原が残念。
「青春は雷鳴」
兄の同級生・健(たける)が病気休学からの復帰で弟のクラスに編入してくる。
兄・史人はお節介で親切を押しつける感じで、弟の清人に健の面倒を見るように、と命令。
健の病気は心臓病。胸に大きな手術痕がある。清人は健に見せて、触らせて、と。
躰の、傷の痕。からだに走る稲妻のような閃光の痕。
そこに触れる。非常にパーソナルで、秘密を奪うようでもあり共有するようでもあり。
この作品は、私個人のフェチにグッと食い込んでくる。
この作品に関しては「神」レベル。
「エロスで殺して」
これはね〜…攻めが腹立つんですよ。
興味本位で、ゲイの教え子にちょっかい出して。男だからって傷つかないと思ってるんでしょうね。
一方、受けになるゲイの子もね…若くて大人には太刀打ちできないんだろうけど、好き放題にされて…
あーもう、キ〜〜ッ!てなる。この後攻めが逆に絡め取られればいい。
「しない、させない」
刑事同士の衝動的な関係。
これ、ちょっとわかりづらい。けど面白い。
酔って、衝動的に襲った…と思ったけど、自分だけが悪者なのは納得できない火野。
その後、取り付く島もなく逃げる矢沢。
火野は、今思えばずっと矢沢を抱きたかった、と自覚し。
一方矢沢は、誘ったのは自分だった、と告白し。
もう言い訳なんてどうでもいい、というお話。
以前に評価だけ入れていて「萌」確定になっているのですが、「青春は雷鳴」一択で「萌x2」でお願いします。
4作品、6編収録の短編集。
花屋さんの店長とバイト、高校生(同級生)、大学講師と生徒、同僚刑事、、と舞台はBLによくあるところですがキャラたちは一癖アリな人たちばかり。
裸体はありますが、ヤッてる場面は少なく恋の芽生えのような話が集まってました。
【眠れる森の野ばら】
【眠れる森の野ばらの王子様】(描き下ろし)
表題作は花屋のバイト:臣(おみ)×店長:野原(のはら)
前半は臣目線、後半は野原目線と視点チェンジがされることでほどよくお互いの気持ちがさらされていました。
帯に魔性って記載がありましたけど野原は小綺麗なビッチじゃないか…と思います。
魔性という言葉から受ける神秘性は感じませんでした。
前髪が変なカットでそれしか頭に入らなかった…。
恵まれない家庭環境から傷つかない予防策のように他人と深く繋がらない奔放な私生活をおくる野原は、ぶっきらぼうながら誠実な臣の人柄にふれ隠してきた自分と向き合います。
自分の感情の出しかたがわからない野原は大人びた子どものようなんですが、本当に自分を大切に想ってくれる臣と過ごすうちに笑顔だけじゃない本当の顔もさらせるようになります。
くっつくまでが描かれた話なのでふたりが築き上げる密な関係はわからないため、恋人というより子育てみたいな印象を受けました。
与えられたことがないと与え方がわからない…育むというのは恋情にせよ愛情にせよ大切なことと今さらながら思います。
野原のルックスが自分好みなら萌え萌えだったハズ。
描き下ろしは臣の実家の話。
お母様とのやりとりに笑いました。
野原の心の移り変わりが中心なため目立ちませんが臣はかなり好青年です!
【青春は雷鳴】
兄:史人から病気のため留年していた羽鳥健(たける)の面倒を見るように頼まれた清人。
興味と劣情の微妙な配合3人組。
史人はちょっと強引でジャイアン風味な長男、清人はやんちゃだけどまぁ普通の次男。
健はちょっとミステリアスな感じ。
清人は自分の中に生まれた性を意識させる感覚を健の傷痕に投影してるようなんですが、それが恋なのか兄への対抗心なのか曖昧。
健は健で史人が気になっていつつ清人の接近を拒めず…夏の暑さと高校生と傷痕。
萌え要素たっぷりなんだけど、始まりを予感させつつ平行線で終わる話。
これってどうなるのよ!?という結末が嫌いな方にはオススメできません。
【エロスで殺して】
大学講師?冴場×生徒:森園琉加。
女生徒との不適切な関係の口止めに自分に想いを寄せる琉加と関係をもった冴場。
タチの悪い攻キター(笑)
おぼこい琉加には荷が重いかと思っていましたが、こういう子に百戦錬磨タイプがハマる逆転ケースは好き。
しかし、タイトルが合ってない…。
【しない、させない】
【刑事小谷のしない、させない】
刑事:火野×刑事:矢沢。
酔った勢いでもった関係から気づく想い…THEテンプレ!
ですが良い~。この作品が一番好き。
様式美だろうが顎髭とメガネはBLの宝←
意地っ張りな矢沢が見せるデレにグイグイ入り込んでくる火野の『純なあつかましさ』がいい。
7年前の作品とのことで、タクミユウさんのその頃の絵柄が好きっていうのもかなり大きいかも。
ふたりの同僚の小谷さん、口は悪いけど実はすごくいい人だと思います。
タクミユウさん【スモーキンライフ】も火野さんていましたよね…。
表題作は気持ちの変化がこちらにもわかりやすく良作だとは思いますが、1冊まるまる手放しに好きだ!!とは言いづらい短編集の難しさ…ゆえ評価は【萌】で。
毎度、もうちょっと、あと一押し、何かが欲しいって思ってしまいます。
表題作はやっとちゃんとくっつくんだなって、よかったなー……って思った瞬間に終わった。もっといちゃいちゃが見たかった。
恋多き魅惑のフローリスト×バイト年下攻め(帯より)の表題作他、関連のない4カップルの短編集です。
臣×野原「眠れる森の野ばら1」「眠れる森の野ばら2」「眠れる森の野ばらの王子様」
花屋×バイト。年下攻め。野原は毎夜行きずりの男と寝る関係を続けている。臣が「自分を大切にしろ」と言っても、野原は「僕にはその価値がないから」と目をそらし…という話です。王子様にキスをして目覚めるお姫様という構図が良かったです。
清人×羽鳥健「青春は雷鳴」
高校生カップル。年下攻め。兄・史人から手術で留年した健の面倒を頼まれた清人は、手術跡をなぞっているうちに欲情してしまい…。史人とのあけすけな会話が楽しかったです。
冴場×森薗琉加「エロスで殺して」
教師×生徒。前校で生徒に手を出して辞めさせられた冴場は、懲りずに女生徒とキスをしている光景を森薗に見つかる。だが、森薗が自分に気があることに気がついた冴場は、口封じだとキスをして…。
火野×矢沢「しない、させない」「刑事小谷のしない!させない!」
新米刑事カップル。大学時代からの親友が、酔った勢いと寝不足のせいなのか、寝てしまい…。負傷だらけの火野と、二人の反対をする小谷刑事が面白かったです。
仏頂面な攻めを描けば天下一品だと思っているのですが、その魅力がいかんなく発揮されています!(冴場以外)
表紙の野原は耽美的で美しいですが、私は本編の髪ピンとめた嘘くさい笑顔の方が好きでした(笑)