教師がAV監督と恋ができるか

kyoushi ga avkantoku to koi ga dekiruka

教師がAV監督と恋ができるか
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×28
  • 萌9
  • 中立4
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
5
得点
68
評価数
22
平均
3.3 / 5
神率
4.5%
著者
高山はるな 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
秋水社
レーベル
Daito Comics BLシリーズ
発売日
価格
¥648(税抜)  
ISBN
9784864950916

あらすじ

親の敷いたレールに乗って教師になった俺。
『男が好き』だということも隠し続け、きっと一生つまらない人間で終わるだろうと思っていた。
―ゲイビデオにスカウトされるまでは…。
AV監督の黒川さんの真剣なアプローチは俺を本当に必要としてくれているようで、思わず出演を承諾してしまったが、カメラや大勢の人の前で俺は…!

会社の先輩との同居が始まった初日に美味しくいただかれてしまった「いじわるな同居人、家賃はオレのカラダ。」も同時収録!

秋水社の公式HPでは、1話目が無料で立ち読みできます!

表題作教師がAV監督と恋ができるか

AV監督
教師

同時収録作品いじわるな同居人、家賃はオレのカラダ。

会社の先輩
後輩

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数5

意外といい話

タイトルに惹かれて購入、初読みの作家さんです。


高校教師とAV監督。
まったく縁がなさそうな二人が出会ったのはまったくの偶然。
高校教師の慎は自分の性癖を隠し、教育者の親の敷いたレールの上を生きてきた。
今までもこれからも何も変わることなく、面白くもない人生を送るとおもっていたのに・・・

AV監督の黒川に声をかけられ、一度だけと思って出演したゲイビ。
その黒川に惹かれていく慎。
本当の自分を見ないように、すべてに蓋をして生きてきた。
だけどくすぶり出したこの気持ちをどうすることもできなくて・・
ゲイビに出ていたことが生徒にばれて脅されたことをきっかけに
学校を退職、家も出て再出発する慎。

最初は突拍子もない話だと思いましたが
読んでみると、なんとなく主人公の慎に共感できる部分もあり
今まで自分の性癖に気づきながらも、封印するように目を背けてきた慎が
好きになってしまった黒川の家で自分のやりたいことを見つけた時の
あの嬉しそうな目の輝きと
その直後に、黒川と元カノが写った写真を見つけてしまった時の
落胆と悲しみの表情を見たら、グッと来てしまいました。
親ともめることのわずらわしさから、自分の性癖は隠し通してきた慎が
初めて自分の意思でやりたいことを見つけ、それに向かって歩きだし
黒川から離れて、心の整理をしていく・・・
学校を辞めて一人暮らしを始めた慎は、以前よりもずっと自分らしく
解放された表情をしているように思えました。
失ったものは大きかったけど、得たものはそれ以上だったのかも・・・
黒川に彼女がいると勘違いし、自分とは違う世界の人と避けてきた慎。
本気で好きになった人に散々振り回されもしたけど
変わりたいと思っていた本当の自分の気持ちを引き出してくれた黒川。
その黒川も、なかなかいいキャラです。
AV監督なんて仕事をしてるけど、根は真面目で何事にも真剣。
結局は振り回されていたのは黒川だったんじゃないかと思うくらい
最終的には慎にメロメロになっちゃうし・・

複雑な心境が絵の表情からとてもよく感じ取れます。
高校教師の慎、AVに出た時の慎、黒川の前での慎、一人暮らしを始めた慎。
それぞれに違った環境、違った心境であることが
主人公の表情からうかがえました。
同じ慎なのに、みんな違うんです。
もちろん慎だけでなく、黒川のいろんな表情も素敵でした。
手放したものもあったけど、一番大事なものを手に入れた慎。
最終ページの黒川と二人で過ごす慎の表情は
最初に教壇に立っていた彼とは全く違っていて
自分を求めてくれる人がそばにいるだけで、
人はこんなにも優しく穏やかになれるものなのかと感じました。

自分の気持ちに嘘をついていては
幸せにはなれないということですかね。



8

救いのない状況に救いを

表紙の黒川がカッコ良すぎて。

教育者である親の敷いたレールの上を外れずに生きてきた教師の慎(まこと)。
あるとき街でゲイビデオのスカウトを受けて…。

親の期待に沿うだけで、自分で選んできたことは何もなくて、自分のやりたいことが何なのか考えたことすらなかった慎が、やりたいことを目標に、それにつながる仕事をしている黒川と出会って、変わっていくストーリーです。

黒川見られているというだけで、からだが反応する。
その原因である「気持ち」に気付いたところで、ぶつけようもないつらさ。
親の言う通りにしてきたのに、ちょっとでも期待通りにしないと叱責される。
自分を押し殺して、このままずっと生きていくのかという苦しさ。
慎の感じている閉塞感が、読んでいるだけで重苦しくのしかかってくるようでした。

さらに追い討ちをかけるような不幸が慎に襲いかかりますが、そこに偶然居合わせた黒川に対する慎の行動と台詞が良いです。
黒川が慎に声をかけたのは、キャストの穴埋めという「そっちの都合」。
断ることもできたのに受けたのは、慎の選択。
他人がした選択に責任は取れないし、赤の他人の人生になんてさらに責任は持てない。
でも「そっちの都合」が1人の人生を狂わせることもあって、黒川の仕事はそういう危険性を孕んでいるわけで…。難しいですね。

前半からの慎目線の閉塞感とやり場のない気持ちの描写が重かっただけに、終盤の黒川目線のストーリー展開が効いてます。
なぜ声をかけたのか、なぜ慎だったのか、自分はどうすればよかったのか。
そんな疑問をひとつずつ潰していくうちに見えてきた本心に一安心ですよ。
その後の展開も、流されやすい受けが苦手な方には嬉しい流れ。
ぜひ読んでみてください。

同時収録はアパートの取り壊しを機に、会社で憧れの先輩のところに住むことになった後輩の話です。
こちらは途中まで心理描写が良かったものの、後半でがっかりでした。
流されやすいのはだめですよ…。しかも超理論で誘導されて…。
先輩の主義もずるくて嫌だなあという短編でした。

1

キュンとくる成長物語

親の敷いたレールに乗って諦めた人生を送っている、高校教師のラブストーリーです。

ゲイであることを隠して、好きなこともせずに親の望むイイコでいた慎が、全く接点のなかったAV監督と知り合って恋をして、人間らしくなって好きな夢を追いかけるのがキュンときて萌えます。
一方のAV監督もノンケだったのに、危なっかしい慎から目が離せずに、追いかけていきながら恋に堕ちていく様子が良かったです。
そんな2人がくっ付くまでの、それぞれの葛藤が切なくてキュンとなります。
面白かったけど、一つだけ納得いかないのは、本の薄さです。この薄さでこの値段はちょっと…と思ってしまいました。でも、慎の新しい未来を手に入れた幸せそうな表情に、胸が温かくなって読後感は良かったです。

4

自分の気持ちのままに生きて行く。意外に成長物語。

この煽情的なタイトルにそぐわず、意外にいいお話し。
高山はるな先生の既刊では、「弟は兄2人のオモチャ。」という、トンデモ3Pを既読でして。
そんなしっちゃかなドタバタなんだろうな、なんて先入観で読んでたものですから、ちょっとびっくり。
意外にしっとりしたトーンで以って、自分の性癖に悩みながら、それをひた隠しにして来た主人公の恋と成長の物語であります。

自他共に認める「つまらない人間」だと半ば諦めて生きてきた慎は、ひょんな事からゲイビにスカウトされ、監督の黒川に抗えない魅力を感じてしまう。
初めて自己の性癖を解放する気持ち良さを知ってしまった慎は、自分の職務の為にいけない事だと思いながら、深みにハマってしまいそうになる。
ある日、その秘密を知られた生徒に学校で犯されそうになる。
脅されてホテルへ連れて行かれそうになった時、たまたま黒川に助けられるが、
黒川がノンケだと知っている慎は報われない恋に別れを告げ、学校も辞めて、家を出る。

黒川もノンケでありながら、慎にどんどん魅かれていて。心がチリってなってるんだけど、言葉にしないし、自覚も無いので、慎にはもちろん通じてなくて。会えなくなってから気付く。
諦めずに慎に会いたいと、探し回ってくれたお陰で、二人はやっと想いを交わす。
ロマンティックで切なくて。ちょっとだけホロリとさせてくれる、いいお話しでした。
慎は、自分では気付いていないけど、魔性のノンケ堕としです。
黒川がちゃんと男前なのも良き♡ 二人のこれから、またはその後の甘あまをもっと読んでみたい。

同時収録は、憧れの先輩がまさかのゲイで両想い♡
「いじわるな同居人、家賃はオレのカラダ。」高山先生らしい、ドタバタラブコメです。

4

受け様の性格が気になりましたが…

全体的には萌を感じられる作品でした。
表題作は無料中に『モバイルBL宣言』で1話目を読んでいたので気になっていた作品です。
この作家さんのコミックスとしては初めて読んだ作品になりました。
絵柄もスッキリ綺麗で読みやすかったです。

タイトルからも分かる通り、表題作はAV監督と真面目な高校教師とのお話です。
両親も教育者で期待をかけられ、両親が敷いた人生のレールに従って歩んできた主人公が好きなことを仕事にしている黒川と出逢い変えられていくお話です。
そんなに長くないお話なので深みは感じませんでしたが、上手く纏まっていると思いました。
黒川の男前さも好きです。
気になったのは慎が最初は健気だな~と思っていたのですが、途中から卑屈さが感じられた事でした。
特に黒川を責めるシーンは遠回りな言い方で、何も悪くない黒川に責任を負わさせているように感じられました。それがもし黒川から逃げるためだったとしても、切なさや慎に対する同情は全く感じませんでした。
こういう性格の人が個人的に苦手なので、ちょっと好きなタイプとは違うと感じたシーンでした。

同時収録は同じ会社の先輩と後輩社員のお話です。
男前で強引な先輩とワンコでちょっと天然(?)な後輩の、絆され系のストーリーだと思います。
作者さんのコメントによると、このお話はオンラインのお話(1話物の電子版のことでしょうか?)を描き直されたそうで、ストーリーも少し違っているようです。
電子書籍サイトで1話物のサンプル画像を見たのですが、最初の数ページは確かにこのコミックス版とは全く違ってました(そこまでのストーリーは大体同じでしたが…)。
スーツ姿の男性を中々カッコ良く描かれる作家さんだと思いました。

1

この作品が収納されている本棚

レビューランキング

漫画(コミック)

人気シリーズ

  • 買う