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long long lost time
風緒先生の作品は、いじらしくて切ない受ちゃんが多いです。みんな幸せになってほしい!
①ロングロングロスタイム
②メリーメリーメランコリック
・・・・!サッカー好きなので、サッカー選手でゲイっていうのがどのくらいレアで(少なくとも日本のプロ選手では聞いた方がないかも)、生きづらいのかは、想像に難くない、、!同じ有名人でも、俳優やアーティストとは違った、マッチョな世界。それをイメージしながら読むと、尚一層、切なくてそっと抱きしめたい作品です。
③背中には恋の跡
切ない。救われたけど、こぼれ落ちたものも。教え子とセンセイの話。
2カプ収録されています。
【ロングロングロスタイム】
高校時代、サッカー部で二年間相棒を組んだ二人の別れと再会のお話。
保井は膝の故障を隠したまま家の事情で突然、蛯沢の前から姿を消します。
かつての相棒・蛯沢はプロサッカー選手となり、ついに日本代表に選ばれるのですが、その晴れ姿を特別な思いで見つめる保井。
自分は平凡そのものだと考える保井にとって、蛯沢の相棒でいられた二年間は何よりの誇りとなっていて……。
相棒でいられただけで幸せでその思い出を壊したくないと考える保井と、それ以上のものを求める蛯沢との両片思いもので、蛯沢が二年間の思い出を「そんなもん」と一蹴するところが好きです。
【メリーメリーメランコリック】表題作の続き
日本を代表するサッカー選手であり有名人である蛯沢にとって、自分の存在はリスキーだ……と思い悩む保井。
もっとこじれるかと思ったら、あっさり着地&解決。
この表題作を長編で読みたかったなぁといつも思う。
おいしい香りを漂わせているので、もっと色々膨らませたら切なさ倍増するのに、サクッとしてて勿体ないなぁと。
描き下ろしの攻め視点・七年間ずっと受けの姿を追い続けていたというアツイ話も、もっともっと膨らませて長くして読みたいー!!と思う……。
【背中には恋の跡】
生徒×非常勤講師。
色々拗らせた先生がまっすぐな年下ワンコのおかげで……という王道ではあるのだけど、先生がかつて実の父親に恋愛感情を抱いていたというクセのある設定。
ガチ親子は私の地雷なので、父に恋愛感情を抱いているという表現だけでなんかモヤるものがあるのです。
しかし毎度スッポリ忘れてしまい(おまけに二重購入しそうになった)再読するたびにこの父親への思いのところで、おおぅ……そういえばコレそうだった……と思う。
しかも両親のセックスを目撃しちゃって、母親に嫉妬するというオマケつき……。
でも父親への歪んだ愛、そして大学の先輩の都合の良いオナホ代わりでしかなく、まともな恋愛ができなかった先生がワンコに出会って
「真夜中に目が覚めたとき 自分が誰かに抱きしめられているなんてことがあると思っていなかった」と思うところが、すごくすごくすごく好き。
表題作『ロングロングロスタイム』
7年前、学生時代チームメイトとして共にサッカーをしてきた
友人の蛯沢に恋をしていた耕太。
足の故障からサッカーをあきらめ、家の事情で蛯沢に黙って学校を去り
数年後蛯沢は有名なプロサッカー選手になり
耕太は平凡な電気屋の店員。
そんな時蛯沢の日本代表入りのニュースを見る耕太。
離れていた7年間・・
再会してわかる真実。知らなかったお互いの想い。
逃げるように去った耕太の気持ちと
何も告げず姿を消した耕太への想いだけでサッカーに打ち込んできた蛯沢。
その2人が再会し、学生時代の切ない恋をやり直すストーリー。
住む世界が違いすぎる、かつての相棒に男の自分が恋人であることが
スキャンダルになるのでは・・と心配したり
だけど、女性との記事には「お似合い」なんて心にもないことを言ってみたり・・・
大人になっても高校生のような初々しくて切ない恋愛をする2人が
結構可愛く見えました。
『背中には恋の跡』
先生と生徒です。
好きな先生(片桐)が世界史の先生と学校でやってるところを見てしまいます。
それを見た生徒(薙原)は自分のカラダが反応してしまいトイレで自慰をしてしまいます。
先生が抱かれて喘ぐ姿を思い出し自慰行為をするシーンがリアルで
Hシーンよりもエロさを感じました。
先生の生い立ちや性癖、細かいところも描かれていて
話の流れがわかりやすかったです。
でも、内容はちょっと暗めかな・・・
いわゆる先生は外にできた子ども、たまに会いに来るお父さん。
15歳のとき、そのお父さんに抱かれる母親を見てしまい・・
片桐の複雑で切ない心の内。
好きな先生に真っ直ぐな薙原。
薙原の高校時代から大学、就職・・と長い年月を描いています。
好きな先生のために自分のできることをして、支えたいと思う気持ち。
片桐の父や母への想いと別れ、好きだった同僚の結婚と再会。
いろんな要素が盛りだくさんですが、それが嫌味ではないんです。
片桐の生きてきた証であり、それを含めてずっと守って行こうと誓う薙原。
片桐はちょっと不運な人生と思われがちな生い立ちですが
今、誰よりも片桐のことを大切に想い愛してくれる人がいること
一番実感しているのが片桐なんですね。
この数年で大人になった薙原はすごくカッコいいです。
高校生の頃はちょっとあどけなさがあり可愛らしいのですが
大学を卒業するころになると、すっかり大人になっていて
片桐を抱くシーンでも、高校生の頃とは違う色気を感じます。
そして、小柄だった彼が背も片桐を抜いてグッと大人に近づきます。
何年もかけて、「先生」と呼んでいた薙原が
「一さん」と名前呼びするようになったとき
ハッピーエンドで良かったぁ・・と実感しました。