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ひとつ屋根の下、ココロ瞬く。
aozora orion
甥と叔父とその恋人による三角関係、と言うのをちるちるインタビューで拝見して気になっていたこちらの作品。
失礼ながら絵があまり好みじゃなかった為、購入を躊躇っていました。
しかし、評価からも分かる通り、やはり漫画って絵が全てでは無いですね!
お話は、甥が叔父(受け)の恋人を好きになってしまうところから始まります。
受けと攻めとの関係にヒビを入れるような存在である甥。
どうせ我儘言って二人のことを振り回して傷付けるんだろうと思っていましたが、物語は私の予想とはまた違った方向へと展開していきました。もちろん良い方向へ。
と言うのも、私なんかじゃ予想もできないほど、登場人物みんなが本当に良い子で愛情深い子ばかりだったからです。
登場人物はメイン三人の他に受けの兄とそのお嫁さんがいるのですが、もう本当にみんな良い子ばかり。
優しくて思いやりがあって、みんな主人公のことが大切で大好きで。
主人公もそんな周りの人のことが大切で大好きで。
だからこその葛藤や衝突がとても切なかったです。
登場人物が良い子過ぎて泣くなんて初めてでした。
最後は、攻め一人に受け二人と言う形で終わるのは嫌だと思っていたのですが、こうなると良いな〜と思っていた理想の収まり方をしてくれたので良かったです!
一冊丸々、カバー裏まで、切なくも温かい、素敵な作品でした。
ひとつ屋根の下で暮らしている叔父と甥っ子が、好きな人を巡ってライバルになっちゃうお話です。
叔父の有之介の想いに共感して、キュンキュンしました。初読み作家さんだったけど、とっても面白かったです!
有之介は、両親を早くに亡くして、兄に育ててもらいました。そんな兄も、結婚して子供をもうけたけど、幼い子供(総之介)を残して亡くなってしまいます。
その時から総之介を兄の代わりに幸せにすると決めて、これまで一緒に暮らして溺愛してきました。
そんな有之介をずっと支えてくれたのは、高校時代の後輩の一成でした。その2人の付き合いも10年になって。
そんな中、総之介が一成に恋しているのに気付きます。
一成のことは大好きで離したくないけど、総之介には幸せになってほしくて。悩む有之介が出した結論は…。
何と言っても、自分の幸せと大事な甥っ子の幸せの間で揺れる有之介が切ないです。兄を犠牲にしてしまった後悔に、雁字搦めになってて我慢してる姿が痛々しくて。思わず本心じゃないことを一成に伝えてしまったり。
でも、一成が有之介を溺愛してて、決して手放そうとはしないところに萌えました。
総之介も、途中で有之介の隠していた我慢を知って、自分の方が割り込んでたせいで有之介に色々なモノを失わせていたんだと気付けたのが良かったです。
最後は、3人で暮らし始めての、総之介の「結婚しないの」発言に、ちゃんと家族になったんだな~とホッコリしました。そんな総之介の新しい恋の予感に、ショックを受ける有之介が微笑ましかったです。
そんな、1冊丸々、家族モノの、とても心温まる素敵なお話でした。
有之介の兄に一成が殴られたエピソードも、大事な家族だというのが伝わってきて好きでした。