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utsukushiimono
綺麗な短編ばかり、
登場人物は全部違う人物。 でも、どれも似た容貌の他人だから区別がつかない。
・・同じ容姿のキャラが違う物語の主人公たちが、時と場所を違えている続き物化と勘違いしてしまった。
どれも耽美的な終わり方の、片思いの主人公たちにとって「美しい思い出」の話。
◆ただいま
・・理想郷を探す旅を続けるタイジは、野良猫そっくり。タイジの理想郷は「おかえり」を待つシゲさんの所。
◆タイムロス・ラブレター
・・友哉が幸宏に告白して以来の再会。タイムカプセルに入れた手紙の返事は良い返事だった。
◆非 親友関係
・・光の家は、旅館を経営。ある日の宿泊客は、昔告白された同級生の友喜二だった。光は、戻る場所がない友喜二と向き合う決心をする。
◆Crybaby & S
・・泣き上戸の蒔田が気になる潮谷が可愛くて仕方ない。
◆ いってきます
「ただいま」の続き。
一冊の中に4作品収録の短編集です。
全体的にエロ描写はありません。
再会ものが多く、出会いと別れ、その時その時の感情の揺れを描いた切ない系の作品集でした。
日常系・エロなし・再会もの・切ない系でピンときたらお試しされてみて下さい。
この手の作品が苦手な方は読んでも内容が薄味に感じると思うのでお勧めはしません。
■【ただいま】
理想郷を探して旅をしている青年(タイジ)×青年が帰ってくる場所を与えてあげている男(シゲ)の話です。
詳しく描かれていませんが、タイジはシゲのことを「シゲさん」と呼び、シゲはタイジのことを「タイジくん」と呼んでいるので、歳の差があるようです。
二人は夜を共にすることもある関係ですが、はっきりと恋人関係にあるわけではない様子。
そこで、タイジが悪戯心でシゲの本心を引き出そうとすると…。
シゲはいつもの穏やかな表情を崩し、焦った様子で、タイジがそのまま帰って来なくなることを不安に思っている事を告白したのでした。
タイジは「例え旅先で理想郷を見つけたとしても、必ずここに帰ってくる」と約束します。
旅をする青年と、それを静かに待っている男の、切なくも心温まる話でした。
ただ、シゲのことを思うと少しさびしいような、可哀そうな感じがしてしまいます。
四六時中一緒に居たいとは思わないだろうけれど、何か月も、下手したら年単位で会えないこともあるかもしれないのに。
こんな不安定な相手を、待ち続けられるなんて、シゲはすごい人だと思います。
本当に、ちゃんと帰ってきてあげて下さいね、タイジくん。
■【タイムロス・ラブレター】
小学生の時に埋めたタイムカプセルを掘り起こすために、
同級生たちが集まって―――…
そこであの頃友達同士だった幸弘と友哉は卒業以来久しぶりに顔を合わせます。
実は小学生の時、友哉は幸宏に「告白」をしているのです。
そして幸宏にはっきりと「友哉おかしーよ」と言われてしまったのでした。
そんな過去があったので、友哉は幸宏と顔を合わすのが辛かったのですが…。
―タイムカプセルが時空を飛び越え、二人を繋げ、そこから始まる物語。
時間が人を良い方向に変えるその瞬間に、ほんのり感動しました。
■【非・親友関係】
高校時代の同級生・友喜二が、光輝の民宿に泊まりに来た―――。
友喜二はゲイで親に勘当されているので、実家には戻れないので光輝の民宿に泊まりにきたのでした。
光輝は高校生の時、友喜二と二人で夜釣りをしている時に雰囲気に流されて、
思わず友喜二とキスをしてしまったのですが、途中で我に返り、友喜二を拒否した過去がありました。
友喜二は何を思って光輝の民宿に泊まったのか―――。
あの頃よりは心も成長して、友喜二の気持ちを思いやることができるようになった光輝は…。
自分たちの関係を見つめなおすことができ、再びゆっくりと二人の親交が始まります。
■【Crybaby and S】
蒔田は高校時代、陸上の練習中に潮谷を不慮の事故で突き倒し、怪我を負わせたことがあります。
その負い目からか、蒔田は同じ大学に入ってからも、いつも潮谷の様子をうかがうように話しかけてきます。
一方、潮谷のほうは怪我をして陸上ができなくなったことは何とも思っておらず、むしろ辞めるのに良い理由ができたぐらいに思っていたのでした。
しかし、やたらとかまってくる蒔田に潮谷はイラっとし、なぜか蒔田の泣き顔が見たくなってついつい意地悪なことを言ってしまいます。
健気ワンコな蒔田と、俺様ツンデレな潮谷のコンビがすれ違いながらもお互いの本心に触れたとき―――。
心温まる、不器用な恋愛模様でした。
やはり短編なので「この先が読みたい!!」という気持ちがわきました。
この手の方向性の作品としては良い感触がありましたが、
短編だとどうしても満足度が低くなりますね…。
ぜひ、表題作一冊いく作品を描いて欲しいです。
「キスと災難」を読んだので、読破魂が疼いて購入した短編集。
作者さんのデビュー作だそうで。
「ただいま」中立
「理想郷」を求めて世界中を放浪するタイジと、2年前にそんな彼を家に泊めたシゲ。
タイジが自分勝手すぎて、全く好きになれない子でした。自分のやりたいことだけを優先して、ひとを振り回すのに躊躇ない攻めと、それに振り回されるのが満更でもないという受けの関係が好きな方には最適です。
猫好きの方、多いと思うのですが、そういう方はわたしと同じ意見になるかも。
なぜか最初バックパックをランドセルと思い込んで小学生だと思ったまま数ページ読んでしまいました。
「タイムロス・ラブレター」中立
小学校に埋めたタイムカプセルを開けるため、6年のときに告白した幸宏に再会した友哉。
10年ぶりの再会ですが、うーん、何だろう。どうしても片方が性格悪い設定じゃないとだめな作家さんなのかなと思ってしまいました。
登場シーンから幸宏の性格が悪すぎて、そのあとも「こいつ嫌い」という気持ちを拭いきれず。約束のエピソードは素敵なのに、幸宏の性格のせいで何もかもがぶち壊しでございました…。
「非・親友関係」萌
高校時代、親友同士だった光っちゃんとユキ。
ユキの大学推薦が決まった後から話さなくなって数年…、という再会ものです。
回想シーンで、そのときどきのユキの気持ちを考えるとつらい…。誰にも理解されないまま、打ち明けられないまま、ひとりでずっと抱え込んできて、唯一の逃げ場だった親友にも距離を置かれて、それでももう一度戻ってくるって、相当な勇気が必要だったはず。それでも光っちゃんに会いたかったユキの気持ちを思うと…。
親に理解されず、街にはいられないユキと、ここでずっと生きていく光っちゃんとではしあわせな未来は見えないけど、どうなるんだろうなあ、という作品でした。
「Crybaby and S」萌
高校の陸上部で知り合って、大学入学後も陸上を続ける蒔田と、蒔田との接触事故がきっかけで陸上をやめた潮谷。
潮谷の嗜好が若干変態風味ですが、性格が悪いわけではなく、そこに至るまでの経緯がしっかり描かれているので共感できます。
問答無用に蒔田の泣き顔が可愛いから、余計に!
続きは読者それぞれの脳内でいかようにも、という終わり方ですが、きっと悪くないんじゃないかな、と思える雰囲気でした。
後半は性格の悪いひとが出てこないので、穏やかに読めます。