あらすじ
1970年代の初頭、既にスターダムを手に入れていた「ガードルード・レアモン」は、親友にして師であるシャンソニエ「スーヴヌィール・ド・アレキサンドリア・ヴェルネ」から、突然の引退を知らされ、伝説的な彼自身の名「薔薇の名前」を継がせるという若い男を託される。
ロンドンの街路でガードルード・レアモンが見出したその男〔ヘンリィ〕は、少年期に父親に撃たれ、頭部にいつ死に至るか知れぬ致命的な傷を持っていた。彼は母親とその恋人との子であり、父は母を道連れに自死していた。
スーヴヌィール・ド・アレキサンドリア・ヴェルネからその名を譲られた男ベルネ(ヘンリィ)はガードルードの助力で歌の世界に分け入ってゆくことになる。
ガードルードが見出した画家「アルドウ」もベルネと出会いベルネを描く。アルドウの描くベルネは神秘と示唆に満ち、やがてベルネもアルドウを強く意識してゆくことになる。
ー作者HPより抜粋ー