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「うねうねくにくに そんなところまで弄らないで……!!」
b-boy dos
触手というテーマ自体は苦手なのですが、新田先生を好きなのと、リブレさんの試し読みで主人公の清廉な美しさに見惚れて、読めるのを楽しみにしていました。
髪型や服装、人物達の名前から、時は飛鳥時代辺りかな。
主要キャラは4人です。まずは世継の王子である草壁王子(「皇子」となってはいません。架空のお話だからかな?)と、王家の末端に連なる家系の美しい斎王・明日香。二人は幼馴染で、昔から互いに想い合っている仲でした(と言っても「このペア」でアレコレあるかと言うと、違わないのですがちょっと違います)。
明日香はピンチヒッターとして斎王となり、都から離れた海辺の地で8年間お勤めに励んできましたが、それも明日で終わりという日、草壁王子が迎えにやって来ます。
前夜、二人はすれ違いからちょっとした諍いをしてしまい、草壁王子の見守る中、いまいち気の晴れぬまま最後のお勤めに静かな海へと入る明日香。しかしその時俄かに水面が波立ち、彼を海へと引き込み、都へ帰らせまいとする者がありました。それが第三の人物、いやさ生物、この8年の間、明日香に恋い焦がれ続けて来た一匹の大きなたこさんだったのです。ふざけているんじゃありませんが、字面にするとちょっと可愛いですね。
このたこさん、美しい斎王様に強い思慕の念を抱きつつも、(どうせ醜い自分なんて…)と、乙女ばりの羞恥心で何も出来ずにいたのですが、斎王様がいなくなってしまう寂しさに耐えられず、「海神様にお願いして海で生きられる身体を手に入れましょうぞ」と、明日香をどんどん海中へと引きずり込んでいくのです。私はてっきりこのたこさんが何らかの形で触手のテーマに沿ったお働きをするものと思ってページをめくったのですが、そこは新田先生、そんなに単純じゃありませんでした。
意識が遠のく明日香、ここでたこさんをたしなめ、「その者の命奪う事罷りならぬ!」と、第四の人物登場!それは明日香の愛しい人の面影を彷彿とさせる、見るからに神々しい雰囲気をまとったお姿の海神様で…。
―というお話です。あれ?草壁王子は?と思われるかもしれませんが、荒れる海へと引き込まれる明日香を見ていた王子は、いてもたってもいられず海へと飛び込みます。その彼の身体に…という風な形でその後も作中に姿は現しますが、ほぼ終盤まで彼自身の自我は無い状態です(7割くらいは海神様と明日香のお話と言ってもいいかも?)。もうお分かりですよね。
海神様は今回色々な意味でみんなのキューピッド。懐広く、何もかもを見透かし、まさに「神様」という感じです。先生の絵も本当に本当に綺麗で(ここ強調します)、海神様に相応しく美しく凛々しく気高く描かれていて、その姿に見惚れます。明日香も楚々とした、でも凛とした美しさで人を魅了しますし、裸体も綺麗。草壁王子はやや野性的な風貌のカッコよく立派な男性で、本当にどこを見ても素敵な人ばかり。まさに先生の筆冴え渡ります。その美しい絵を見ているだけでも幸せ……。それだけにたこさんのいじけっぷりがまた何とも言えず可愛いです(笑)
たこさんは海神様に感謝してもしきれません。ちょっとだけ斎王様への想いを遂げさせてもらえて、斎王様と離れたくない、ずっと一緒にいたいという切ない願いも叶えてもらえるのですが、その願いの成就の形がまた素敵なんです。最終ページが、明日香の台詞も含めて本当に印象的で心に残りました。
ちょっと変わった、でも心温まる本当に素敵なお話だと思いました。欲を言えば草壁王子と明日香の幸せそうな姿をもう少し見たかったな。
もし新田先生のファンの方でしたら、このお話のためだけにこの本を買われたとしてもきっと満足されるのではと思います。お気が向かれましたらぜひぜひお手に取ってみてくださいませ。
簡単ですが、他の作品の感想も書いておきますね。
◆アヤカシ嫁奇譚:「恋のアヤカシ、嫁さがし」のスピンオフという事でした。本編もこの作家さんもよく存じ上げなかったのですが、絵が綺麗で可愛くて、これだけでも楽しめました。
◆宇宙のもずく:う~ん、ぶっ飛んだ設定なのですが面白いです。外見は青年、ただし80才の博士のお爺さん口調と、その助手の冷めた青年とのやりとり、そしてオチが大変に面白かったです。笑ってばかりでした。
◆神様の言う通り:これもスピンオフなのかな?それとも連載なのか判りませんが、狐や鼠の絵がとても可愛く、和みました。これだけでも楽しかったです。
◆昼下がりのエクソシスト:不思議でちょっと怖いお話です…。
◆夢見るUMA:怪我で記憶を失った青年の前に現れた宇宙人との恋のお話です。実は二人は昔接点があって…という。状況や攻受関係等、「きみは星の使者」と同じタイプのお話かな。攻が可愛かったです。
◆秘夜に蜜杯:触手のテーマらしいお話です。
◆へびの嫁入り:これは蛇が可愛かった!全ての蛇がこんな風に愛らしければな…と思わずにはいられない可愛さでした。その本体とのギャップも良かったです。タイトルは「へびの嫁入り」ですが、内容は「ヘビへの嫁入り」です。
◆ブラック企業で貞操の危機に曝されています:これもまた触手のテーマらしいお話。
個人的に特に印象に残ったのは次の3作品でした。
霧間もっこりさん、はらださん、新田祐克さんの作品。
■五城タイガ 『アヤカシ嫁奇譚』■山の神(犬?狼?)×永花(妖孤)
山の神が操る樹の枝が触手のようにうねうねと蠢き妖孤の体を這い回り…ますっ!
ちょっと山の神様に執着とほのかなヤンデレの香りを感じる。
『恋のアヤカシ、嫁さがし』のスピンオフ作品。
※b-BOY ドS はずかし 剃毛プレイ特集 に収録されている短編
■はらだ『宇宙のもずく』■触手×博士(80歳)+助手の青年
博士の見た目は可愛らしいショタだけど、老眼で総入れ歯らしく…((((;゜Д゜))))
言葉遣いも「なんじゃ」「おぬし!」って感じ。
しかも何気に腹黒く、人体実験目的で助手を採用したという!
ま、あっけなく助手に触手生物のところに放り込まれちゃいましたけどねwww
細いのからぶっといの、ヒダがたくさんなのやらと触手の形状や動きはバラエティーに飛んでいます。
博士と助手のやり取りも中々楽しい。
■新田祐克『赤珊瑚の法悦』■(海神+タコ+ヌタウナギ)×斎王(海神を鎮める役目)
斎王の幼馴染みで想い人である草壁王子に憑依した形で海神さまが斎王にあれやこれや。
タコが健気っ!!!
そして可愛い系タコじゃなくてリアルタコ系という!
最初読んでいる時タコさんがメインで触手でエッロイことしてくるのかと思ったんですけど違いました。
海神さまがタコに引きこまれた斎王を追いかけて海に入ってきた草壁王子に憑依して…って展開に。
なんだかんだで海神さまってば色んな人の想いを繋げちゃってますねw
もはやキューピッドですね!
タコさん、憧れの斎王さまに触れられて、しかも指輪となってずっと一緒に居れるようになってよかったね!
■桜井りょう『神様の言う通り』■神様2人&触手×一般の青年
神使たちや動物たちが可愛かったです❤
神様たちは大人げないというか随分子どもっぽい喧嘩を長年している模様。
んー…何かのスピンオフなのかなー?って読み終わってから探したら…ありました!
『小便小僧におしおき!』が山神と拓哉の出会いが描かれている話なんですねー。
んー…でも発売日とレビュー拝読した感じではコミックスの方にアンソロのこの短編が同時収録されている模様。
■環 レン『昼下がりのエクソシスト』■触手・神父×会社員
…こ、この神父アカン!!!!ヾ(´囗`。)ノ
全力で逃げてー!!!
ホラーや…この触手は気持ち悪いやつ。
こんなん毎晩夢で現れたら病むわ。
■宝井さき『夢見るUMA』■宇宙人×小説家の青年
うん、攻めが可愛い。
受けは冷めた感じだけど、フヨフヨしたスライムのような攻めを抱えて目を輝かせている様子の小学生時代可愛い♥
あ、尿道責めがあったよ!
■霧間もっこり『秘夜に蜜杯』■
怪談BLで1番印象に残った思い出の漫画家さんいたーヾ(●´∇`●)ノ
ってことでお名前拝見した時テンションあがりました。
そして読み終わってまたテンションあがりましたーΣd(´∀`*)
田舎の因習的な触手イイ!!!
ツンツンした感じの受けがふにゃぁってなるのいいねっ!
お酒入ると可愛い。
助手の子が化け物にされて、しかも最後に消えちゃったと思って名前呼びながら泣いてるのとか可愛い♥(※助手くん、生きてます)
こちらも尿道責めありましたっhshs(*´Д`≡´Д`*)hshs
この人、コミックス出してないのかなー?って検索したんだけど無かった…orz
■東野 海『へびの嫁入り』■
イチゴ食べてる蛇が可愛いです╰(*´︶`*)╯♡
なつっこい様子も愛らしい。
でもタイトル違和感。
ヘビが嫁入りしてくるんじゃなくて、ヘビに嫁入りする話でした。
こちらの作品なんですが、なんか読んでいてこの話の前段階がありそうだったので検索したところ2016年4月9日にコミックス『へびの嫁入り』が発売予定なんですね。
■南条つぐみ『ブラック企業で貞操の危機に曝されています』■
触手の発想が面白かったです。
なるほどなー…と。
社員旅行先でフラフラ迷子になってたら売りの子と間違われて箱(ある程度身動き可能なぐらいの広さ)に放り込まれます。
箱の中に差し込まれる見知らぬ人達の手を触手として表現していて、それが他の明らかに“触手”だったり“蛇やタコなどの動物”とは変わった感じなのが新鮮でした。
こういう捉え方もあるのかと。
テーマがテーマなので中身はファンタジーだったりSFだったりオカルトだったり、展開もシリアス・シュール・コメディーとバラエティーに富んでいます。
触手も蔓だったり枝だったり蛇だったりスライムだったりよく分からない生命体だったり…こんなに種類あるんだなあと感心しました。
基本的には人と交わるというシーンが少なめで触手プレイメインです。
カップリングを楽しむお話では全体的にないのでそのへんはご注意・・・というか、カップリングが見たくて手に取る人はあまりいないかなというテーマなのでその辺は大丈夫でしょうか。
しかし好きで手にとったからにはも少しとことん!なのが読みたかったかなぁという気もします。
いえ、十分えろえろなんですが、個人的にはもっとガッツリ!えろい!ってのがよかったかも。あともう一押し!てとこでプレイ終了~みたいなのが多かったかなぁと思います。
男性向けではわりと確立されたジャンルかもしれませんが、流石に男性向けのような成人指定のないアンソロでそこまでの内容は無理なのかなぁ^^;
触手と繋がってる部分もわりとぼかし気味だったのが残念でした。
マニアックかもしれませんが、触手なので産卵とか見たかった。。全くないわけではないのですが。
アンソロジーのいいところって知らない作家さんの話も読めることですね。
一番好みだったのが霧間もっこりさんの『秘夜に蜜杯』。
えろいけどきちんとカップリングのお話でした。ただ、触手なのでやはり本命とする描写はありません。
はらださんの『宇宙のもずく』がとにかく一番よく出来ていたと思いました。
受けがショタで中身は老人、攻めは腹黒の部下、と萌えとはちょっと違ったのですが、コメディなのにえろえろで、何より触手プレイて何か?を一番ふんでたきがします。
伸縮自在でおあつらえ向きなイボやひだ、都合がよすぎる粘液(催淫効果あり)獲物の体液を搾り取ろうとする習慣・・・などなど。笑えました^^
なかなか嫌遠されがちなネタなのかもしれませんが、出来ればまた触手テーマのアンソロがあったら読みたいなぁと思います。