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kurumosou no yumemiru junin
地元で念願のペットサロンを持てる事になったトリマーの純と、東京でのメジャーデビューを勧められたバンドマン・情和という自分の人生の岐路にそれぞれ立った男二人の姿が描かれてます。
あなたが側にいないと生きていけないのよぉぉというやつではなく、お互いが進むべきを歩き始めるんだけど、その一歩を踏み出せる勇気が持てたのは「あなたがいてくれたからこそ」「あなたに出会えたからこそ」だからなんだというところが凄くいい。
でも遠距離を続けているうちに……。
スランプに陥り、発作的に地元へ戻ったバンドマンの情和が目にしたものは、酔いつぶれかけながら「俺はあいつのためにも強くありてえのに」と言う純の姿。
もう思わず涙ですよ。
そしてその姿を見た情和が地元に戻るのではなく「今度俺がしょぼくれてたら あんた歌ってくれよ 俺のために」と言った純とのかつての約束をちゃんと果たすところもまた涙。
お互いの夢を叶えるために遠距離恋愛を選んだ彼ら。
はちきれそうに会いたい気持ちを抱えながらも、お互いが今、立つべき場所でそれぞれ踏みとどまって頑張って、そして励まし合う。
数年間に渡る遠距離を続けても消えない恋心を「彼が俺の心に灯した火は 時の流れに負けずにいる」と表現する平喜多さんの感性よ!
このほかにも平喜多さんならではのモノローグが随所に光ります。
音楽プロデューサーに上京を勧められて「きっかけをくれたのは純さんなのに、俺が行きたい方向にあなたがいない」というモノローグも沁みる。
久しぶりに読んだけど、泣けたなぁ。
【あまい手をあげる】
表題作にも登場してた内気な高校生が主人公のお話です。
家族に問題があっていつもうつむいていた彼。
好きな人から言われる「大丈夫」は自分自身で言い聞かせる「大丈夫」よりも、あったかく滲んでいくというところが好き。
萌萌か神かで迷ったけど、ちょいおまけで神。
見た目がかなりトガッてそうな純がトリマ―というギャップ、
そして面倒見の良さがとても魅力的です。
お世話されるわんちゃん達はきっと純の優しさを感じとっているんだろうなぁ。
才能ある若者ミュージシャンの情和が
つらい思いをしてきながら音楽に感情をのせていける事が羨ましくもありました。
好きなことが出来るというのは楽しいだけでは決して続けられないし
その時その時の出会いによって左右されたり
陽の目を見るミュージシャンなんてほんの一部が当たり前の世界。
寂しさとプレッシャーとともに前を向ける情和の強さは
やはり純が信じて待っていてくれただけではなく
彼自身の夢を実現させて気持ちを引っ張り上げてくれたからでしょうね。
思い出の胡桃荘が無くなっても
お互い相手にとって胸をはれる自分でありたいと奮闘する二人が
これからも穏やかに暮らせるといいな。
『あまい手をあげる』
本編にも登場したDK新谷くんのお話ですが
境遇が可哀想でしんどい…。
バイト先のチーフ・津蔵さんが全てを包み込んでくれるようで安心ですが
新谷くんに少しでも悲しい想いをさせないであげて欲しいと思ってしまいました。
わんちゃんのいる生活、やっぱりいいな~…。
色々大変なのもわかっていますがめんこいもんなぁ……。
こんなにも素晴らしい作品に出会えるとは。
BLにハマって良かった、むしろ生まれてきて良かったとまで思いました。
この感動をすべて表現できないのがもどかしい。
今までわたしは平喜多さんの作品の醍醐味は巧みな人物描写に基づいたモノローグの吸引力だと思っていました。これに関しては平喜多さんは他の追随を許さない技術を誇っているのは確かなのですが、それだけではないことをこの作品で見せつけられました。
人生を変えた歌を指針に生きる男・純と、その歌を作って歌った男・情和。
母親の何気ない言葉に傷付いている状況から抜け出したくて、ただ自分のためだけに作った曲が誰かにこんなにも深く受け入れられていたこと。その事実がまた情和に曲を作りたいと思わせるのです。
勝手に流れ出すコード、胸から溢れ出すリリック。今度は自分のためにではなく、もう一度前へ踏み出す勇気をくれた純のために…。
音はインクで描けるものではないし、音楽がテーマになっているまんがは作者さんのイメージするものを完全には読み取れないどころか、表現しきれない部分を読者の想像に頼る感じがしてあまり好きではありませんでした。最初のライブハウスのシーンでこの作品も同じかと思っていたのですが。
情和の音楽が伝わってくるのです。紙とインクで描かれた絵なのに、スピーカーもついていないのに、何かを搾り出すように歌う声も、独りぼっちになった部屋で感情の赴くままにかき鳴らしたギター、ライブハウスの熱さ、喧噪。歌う情和と聴く純の表情だけで自分もそこにいるかのように感じるのです。こんな感覚は初めてでした。
絵の表現力がものすごいです。失礼な言い方になってしまいますが平喜多さんより「綺麗な絵」を描く作家さんはいらっしゃいますし、「絵」の技術がずば抜けているわけではないかもしれません。なのに平喜多さんが描く人物はどの表情もすごく人間らしくて、「つくりもの」であることを感じさせないのです。
そこに一切ブレない人物描写から生み出された言葉が加わることで、登場人物の誰もがこの上なく「本物の人間」に感じられました。
どんなに熱くてクサい台詞も純らしいと思えるし、脆さしかなかった情和が純の存在で強くなっていく姿もすごく自然で無理がない。
真っ直ぐな信念、ほのかに胸に灯った気持ち、一緒にいることで育っていく想い、誤解、溢れ出して相手にぶつけるしかない衝動、どれも嘘がないから直に胸に沁みるし刺さってきます。
こころを揺さぶりそうな過去を回想シーンではなく会話の中にしか出さないやり方も、必要な情報を夢という形で伝える方法も、ドラマティックにするためにしがらみのある人物と安易に再会するという展開がないことも、もうとにかく何もかもが絶妙で、足りないものがないし余分もない。
無理矢理感動を作り上げようとしないので、素直に純と情和の感情の動きだけを追える、ふたりの人生の一部分を切り取った映像を観ているような作品でした。
感じたことをすべて書くとどれだけ長くなってしまうか分からないので、この辺りでやめます。
あえて作品の内容には細かく触れないようにしたので読んでいただいて、実際に感じてほしいです。
神以上の評価ができないのが惜しいほど、読んでいない方全員に読んでほしい作品です。
幻冬舎の電子セールで、買いそびれてた今作をいの一番に購入。
やっぱ平喜多先生の作品は外れなかった!
かなり好みな作品でした(*´Д`*)
以下、あらすじ無視な感想を。
とにかく純が良い男すぎて!!
真っ直ぐで男気あって、惚れない訳無いですよ…。
情和も大人しめな性格ながら素直だし一途だしで良い子。
想いあう二人がお互いの夢のために離れて頑張る訳だけど、寂しかったりうまくいかない時もあります。
そんな時には恋人に寄りかかりたいのだけど、そんな事をせずに二人ともしっかりと踏ん張る姿が素敵でした。
音楽をやめてた情和が、母親の死をキッカケに胡桃荘に越してから音楽を再開し、トントン拍子で東京進出はうまくいきすぎだろと思う点はあります。
でもそんな感想を打ち消すかの如く、純と情和の『熱』にあてられた感じでした。
あと登場人物が皆魅力的です。
うるふさん可愛いかった…(´∀`*)
あー、ものすごく素敵な作品でした。
バンドマンと、トリマー(あまりないよね)という設定が好きです。
そしてどちらかがどちらかを支える、ではなくふたりとも同じぐらいに今を頑張って、刺激し合い進んでいく、というようなところが熱くていい。
男と男の話だなーという感じです。
その中での脇キャラ、そして、とにかく「わんこ」の存在がすごくよかった。
どのシーンもかわいくてかわいくて、たまりません。アクセも。
主人公ふたりがとっても愛おしいです。
疲れているときに読むとすぐに泣いてしまうわ。
環境は違えど、こういう気持ちを知らない人なんていないはずでしょう。
ぜひたくさんの人に読んでほしいです!
お互いがお互いを励まし夢に向かって進む姿。
お互いがお互いを尊重し想い合う姿に泣けました。
とにかく男らしい純に惚れました。こんなに熱い男はいますか??素敵です。
情和の一途さも凄く好感持てました。
一緒になる展開は早かったけども、それはそれでよかったかなと。
夢に向かって離れないといけない、なんて切ない…
是非読んで欲しいと思いました。
平喜多ゆやさんの新刊、表紙が大人っぽいので
いつもと違う路線の話か!?
とワクワクしておりましたが
読んでみるといつもの平喜多さんでしたw
キャラは真面目で一途で
可愛い動物や子どもが出てきて
別離(今回は遠距離恋愛)という切ない展開を経ての
ハッピーエンド……。
安定感はありますが、マンネリを感じてしまったのも事実です(すみません)。
昔、シンガーソングライターの情和(受け)の歌に
勇気をもらった純(攻め・トリマー)。
亡くなった母親や元バンド仲間のことで
トラウマを抱える情和を
今度は純が勇気づけ、やがて愛が芽生えるも
情和が音楽活動のため上京し、遠恋。
それぞれに夢を追い、愛も育んでいくという
ハートフルなお話です。
この話、情和の性格が暗めなので
何となく切ない雰囲気ですが
じつは切ない要素は「遠恋」だけで
全体的には順風満帆なサクセスストーリーに思えます。
情和が音楽で成功することは予想できてしまうので
その障害となるトラウマや苦労がじっくり描かれるのかと思いきや、そのへんは純の励ましや、動物やご近所さんとの交流により、いつの間にかクリアしていきます。
そもそも、母親に「あんたは好きなことやれていいわね」と言われたことや
元バンド仲間(男)への失恋くらいで
音楽から離れたがるなんて繊細すぎるような?
過去の話は、セリフによる説明が大半で
具体的なエピソードに乏しいため
情和の苦しみに寄り添うことが難しく……。
情和への共感を、読者の想像力に頼りすぎているように思えました。
後半、遠恋が始まってからも
二人とも大した挫折はなく夢を叶えていくので
どちらかと言うと平淡な展開に思えます。
会えなかったり、連絡が滞ったり等の
辛さはあっても、相手の愛情を疑ったり
別れそうになったりするような危機感はないので
恋愛面でも比較的平和な雰囲気。
また、平喜多さんの作品、
この手の「会えなくなる」パターンの展開が多いので
デジャブを感じてしまったことも
入り込めなかった理由の一つです。
平喜多さんは好きな作家さんで
本作品もいわゆる「イイ話」ではありますが
展開が予定調和的で、やや面白みに欠けるのが
個人的にマイナスポイントでした。
胡桃荘という小さなアパートで繰り広げられる、夢を追いかける男のコ達のお話です。
昔バンドをしていた情和。母親とのいざこざや、メンバーへの恋心から上手くいかなくなって、夢を諦めてやって来たのは胡桃荘でした。
そこには、トリマーとして自分の店を持ちたいと頑張ってる純がいたのです。
純は昔、ライブハウスで情和を見て、悩んでる自分を歌で励ましてもらってからのファンでした。
歌うことが怖くて曲も作れなかった情和。でも、純の熱意にふれる内に、あの頃の情熱を取り戻していくのです。
そして、お互いを励まし合って頑張ってる内に芽生えた愛情。
無事に付き合うようになった二人に、遠い距離という試練がやって来ます。
純は胡桃荘を出てお店を始めるし、情和は音楽活動のために東京へ行くのです。
最初は、頑張れた二人も、だんだん会えないことに辛くなってきます。
曲も書けなくなった情和が黙って帰ってきて見たのは、弱り切った、でもこんな姿は情和には見せたくないと強がる純でした。
その時思い出したのは、遠い昔に交わした約束。その思いを曲にして、純に届けるのです。
二人がお互いを想い合う心が、温かくて切なくてキュンキュンします。お互いの存在が生きる力になるっていいな~と思います。
最後は情和が地元に帰ってきて、仲良く暮らしてるのが見れて良かったです。
もう一つのお話は、胡桃荘に棲んでた、家庭に問題ありの高校生のお話です。このお話も切なくて、でも心がホッコリして良かったです。
胡桃荘は幸せになれるアパートのような、心温まるイイお話でした。カバー下のお話も可愛くて、ホッコリします。