むぼち
fetters
このシリーズの主役の一人で、腰高黒スーツの立ち姿も麗しい、マフィア幹部のバージルに焦点があてられた本です。
『FETTERS』冒頭で、マフィアの次男ゴートの逆鱗に触れ、惨殺される男を冷徹に見ていたバージル。
彼の遺体を回収した、「掃除屋」アキのもとを訪れた際、アキに信念はあるかと問い、ないと聞くと、それなら少なくとも信念に基いたクソのような死に様とは無縁だからそれでいい、と意味深長な台詞を残していました。
本作では、その、殺された男・アヴィスとバージルとの関係と、バージルのマフィアに対する姿勢や、内に秘めた思いが明らかにされます。
このお話を読んでから、『FETTERS』を読み返すとたまらない気持ちになります。
あんな、涼しい顔(覆面で分かりませんが、きっとそう)の下に、こんな思いを抱えていたなんて、これが萌えずにいらりょうか。
ハジ先生によれば、主役はアキと、このバージルだそうで、今はアンドロイドのハルとイイ感じのアキが、黒髪ツリ目で細マッチョの萌えキャラバージルをいつか、組み伏せてはくれまいかと、期待は高まる一方です。
『FETTERS』でゴートに拷問された挙句銃殺された男。その一部始終を見ていたバージルだったけど、そのときに遺体を回収しにきたアキに言ったバージルのセリフの意味が、ここでようやくわかった。こんな少ないページ数で、二人の過去や関係性を説明的にではなく、物語として読者にわからせるこのテクニック!素晴らしい!そしてイーピンの紙袋なのに表情のあったバージルのほうが、晒した美形よりも好きだ。