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messsage
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
魚住くんシリーズ3巻。切なくて胸が痛い・・・
さちのちゃんの死を目の前で目撃してしまった魚住くん。
これまでたくさんの身近なを亡くしてきたけど、今回ばかりはさちのちゃんの死を受け止めるだけのスペースが彼の中に残っていなかったのですね。
魚住くんの放心状態、まさかの久留米拒絶、そして・・・!!!
いつもだったら久留米が支えるのに、拒絶だなんてどうなっちゃうの
と思いましたが。
でも見捨てなかった久留米に感謝。
魚住くんの異変に気付いてくれたまりに感謝。
支えてくれたサリームや濱田先生に感謝。
魚住くんに幸せが訪れますように
魚住くんシリーズ3巻目、これまではほんのりとしたときめきに止まっていた魚住くんと久留米の関係が、この巻でいよいよ大きく動きだします。
季節は冬、もうすぐクリスマスという時期に、濱田の繋がりで大学病院の子供病棟で天使のボランティアをする魚住くん。
そこで無愛想な女子中学生のさちのちゃんと出会い、何となく不思議な感じで二人は友達になるのです。
HIVキャリアのさちのちゃんは学校で辛い目に遭っていますが、変な同情をしない魚住に心を開くんですね。安易な同情をしないのは久留米も同じで、年末に三人で浦安のディズニー(久留米曰くネズミの帝国)に行きますが、年が明けてすぐに、さちのちゃんは死んでしまいます。病気ではなく事故で。
帯に「最大の衝撃‼︎」とありますが、そうですね、読んでいてさちのちゃんが好きだったので、私も悲しかったです。
そしてここから!精神的にダメージを受けても、上手く表現できない魚住くんが衝撃的に壊れかけます。
さちのちゃんの死を目の当たりにし、久留米も死ぬのではないかと怖れるあまりの、リストカット。
本気の傷は魚住くんの手首に一生残るでしょう。
その後、なぜか久留米に会うのを拒否してぶん殴られ、さちのちゃんが久留米に送ったハガキを目にするのですが、今まで泣けなかった魚住くんが泣きます。
何とも言い尽くせない場面ですし、久留米への思いをはっきり言っちゃってるんですね。
「俺が久留米を好きだって、さちのちゃんは知ってたんだ」って。
そして久留米も、もう自分の気持ちを自覚している。
二人の関係が加速していく、重要なエピソードです。
巻末の短編、「あの青の中にいた」は辛い冬が終わり、春先の頃のお話。
魚住くんの祖父(養子先の、祖父母)の家で、静かな時間が流れます。
ラストは・・・久留米から魚住くんへのキスでクラクラしてしまいました。
何でこんなに萌えるんでしょうね。
裏表紙のあらすじの最後に「シリーズ最大の衝撃」と書いてあり、一体何が起こるんだろうとドキドキしていましたが、予想以上に衝撃でした。
魚住の周りには何故こうも死が近くにあるんだろう。
辛くて、胸が押しつぶされそうでした。
感情をあまり表さない魚住が、研究以外をシャットダウンして久留米までも拒絶して…読んでるこちらも苦しくなりました。
その後に魚住が起こす行動も衝撃的で、私のライフもゼロになりそうに辛かった。
目の前で失われた命を間近に感じて、1番大切な久留米が居なくなったら、死んでしまったら耐えられない。久留米より先に死ななきゃ、という思考回路がある意味魚住らしかった。
家族が死んでも、身近な人物が死んでも悲しさや怖さを感じなかった魚住がそんな感情を取り戻したのは成長であり、進歩であり、回復だったのかなと思います。
でも死んじゃったら意味ないよ。生きてて良かった泣
魚住が思い切り泣けたのが久留米の腕の中で良かった。
メッセージを残したさちのは魚住の鈍感さは繊細すぎるが故の防衛本能であることや、そんな魚住が安心できる場所は久留米だということに気付いていたんですね。
本当に不思議な子でした…。
生きてるって本当に奇跡なんだと、生きてることの幸運を忘れちゃいけないっていうメッセージをしかと受け止めました。
最後の最後にご褒美のような萌えシーンが!
やっと久留米が行動に移してくれました。
理性で押さえつけていた欲望を解放させた久留米にクラクラ。
あぁ、これが出勤前じゃなかったら…まあこの焦らし、嫌いじゃありません。
辛い巻でしたが、多分また読み返したくなる一冊になると思います。
シリーズ三冊目。これはなんといっても、未遂事件が描かれた巻、になるのかな。
最初からずっとそうだが、本当にたくさんの人が魚住のことを考え、魚住のために動き、ときに振り回されながらも魚住を支えている。本人がどこまで分かっているか不明だが、“死”以外の近くにあるものにも気付いて欲しいと願う。
「お母さんになってくれる?」と言う魚住はよく分からなかったけど、その相手が目の前であんなことになれば、おかしくもなると思う。魚住の中に積み重なっている過去を考えれば当たり前に。
久留米を避けて内にこもる魚住と、異変を察知して向かうマリと濱田。切迫感と緊迫感が交互に描かれ、読んでいるだけのこちらも焦燥感と緊張感を煽られる。場面が場面だけに言い方が難しいが、この描写、表現がすごく好き。
今まで、自死を決断した人間に、残される人のことを考えろとの説得が有効と思ったことはなかったが、今回の魚住のような理由であれば納得の言葉だった。本当に、マリがいないと成り立たない物語。
描写は無かったが、居眠り運転で事故の加害者になった相手とは南雲先生が戦ってくれるのか、そちらもちょっと気になった。ジェンダー問題に比べて作者の関心が向かない分野なんだろうな。
後半のお話は、ゆったりした日常の中で、また少し人間らしさを見せるようになった魚住が描かれる。久留米の恐怖と安心と腹立ちも。
後から事の顛末を聞かされた久留米は、湧き上がるたくさんの感情とどのように折り合いをつけたんだろう。最後の行動は、それらを納めた箱から漏れ出た何かによるものなのか。
簡単に両片思いと一言で片づけたくない二人の関係性がとても良い。続きが気になる終わり方だった。