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cadenza
続きが出るまできっとまた間がありそうだから、どうせなら完結を待とうかな…と思っていたのですが、見かけたらやっぱり綺麗な表紙に惹かれてしまいます。
しかしやはりまだまだ続くし先も長そうです。それも非常にいいところで終わっています。
次回が派手になる予定、と作者さんが予告してるので、今回は少し地味。
山場の前フリという感じでした。
でも前回から時間が経ってるのに、不思議と内容ははっきり覚えてるんですよね。すごく大好きなシリーズだし、大好きな二人です。
前はようやく「月の独立」という大きな目標に向かって始動した感じでしたが、今回はそのための作戦の準備段階、という内容です。
根回しをして、下準備をして…それでも予想外の事態はいくつか起こり、作戦は何度か変更・改案、ラストでいざ決行!ってときにまたまた予想外の事態が…
なかなか進展しないなぁ~と思うのですが、次回が本番らしいので期待して待っています。
でも三四郎とカイの関係は少し進展したのではないかと思います。
物理的な距離感そのものは進展していないむしろ離れてる…のですが、この「遠ざかった距離感」がいずれ心理的な進展に結びつくことを期待します。
前回大きなすれ違いをして、三四郎はカイと抱くことはもうしないと言い、拒まれたカイは酷く傷つくのですが、でも傷ついたカイをみて三四郎も傷つくのですよね。
抱かないだけで話はするし、カイの作戦は最後まで協力するし、相変わらず情にはあついのだけど、カイにとって三四郎はそれではダメなのですね。
今回はカイが自分について、三四郎にどうして欲しいのかについて、いつもなら苦しくてやめてしまうところを乗り越えて真剣に考えています。
それが読んでいて苦しいのですが、一緒になって考えてしまう。一体どうしたいのか?相手とどうなりたいのか?
この「2人はどうなりたいのか」て、きっとシリーズが始まった最初から考え続けていることだと思います。
カイは、向こうが差し出してくれるものだけじゃ嫌、差し出してくれないものも全部がほしいという、自分との間に線引きをした三四郎が、優しさをちょっと残すくらいなら完全に締め出してほしいという考え方です。
優しさや守ってもらうだけでなく、前みたいに怒りも憎悪も全部向けてほしい。全力で全部欲しい。それが無理なら全部いらない、そういう関係を望んでいます。
それが恋人とは違う部分かなあと。
これを読むとカイを全て射止めることって、「恋人」という関係では端から無理なのかと思います。
魅力的で皆から欲しがられる人だけど、「恋人になりたい」人では無理なのかも。
それがきっと「バディ」という関係がしっくりくる…という事が前回カイが言っていたことと繋がるのかなぁと悶々と考えてしまいました。
恋人になるのがゴールじゃない、長い間読んできたけど何だかそんな単純なものが終わりではない二人です。
カイとの関係に息詰まりを感じた三四郎は、時期をみて月を去ることを凱に打ち明けますが、逃げないで考えろと叱られます。
確かに、いつもいつも面倒になって考える事を放棄してしまう彼ですが、もういいかげんきちんと自分が何を考えているか、どうしたいか、カイのように考えてくれることを望んでしまいます。
こんなにずっと読んでるのに、いまだに私は三四郎が何を考えているかわからない。
三四郎は考えないで行動するタイプで、自分でも考えがよくわかっていない、まとまっていない、わからなくなったら考えるのをやめる、という人間です。下手したらカイよりも冷たいところのある人間。
カイはクールだけど、本当はお人よしで優しいですよね。
もともと考え出したら止まらなくなって、思考が深みにはまっていく作品です。それを長い間繰り返している気がします。
決着に少しでも近づいてくれることを願って、次回作を待っています。