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心の一部が、甘く崩れていく音がする。
itoshi no ibarahime
「365+1」に登場したモデルの美山靫彦を主人公にした物語。
時系列的には「365+1」よりも後なので、そちらのメインだった綾野と紺が仲良くやっているらしいのがぼんやりと見て取れます。
それよりも主人公の美山です。
なんて、なんって魅力的なキャラクターなのでしょう。ため息しか出ません。
断片的に要素だけを記せば、ネグレクトな母子家庭で育ち、母は出て行って行方不明、ティーンの時にファッション業界の大ボスに拾われて愛人になり良きも悪しきも様々叩き込まれ海外でも評価されているトップモデル、本人の自己評価は低い、不眠、神経質、片付け嫌い、好き嫌い多し、意地っ張り、等等等、ちょっとてんこ盛り過ぎます。
なのにこの魅力的なことはどうでしょう。要素が喧嘩しません。
ツンとふんわりのギャップと、頑なに意地を張る陰で悩んだり悲しんだりしているのが、どうにもこうにもやるせなくツボでした。
助けてあげたいけど、こちらは傍からぼんやり行く末を眺めることしか出来ません(あたりまえだ)。くやしい。
で、このめんどくさい美山が二度目に本気で好きになった人が、新進デザイナーの久保田です。
当初割れ鍋に綴じ蓋かと思ったのですが、でもよくよく考えるとそういうわけでもなくて、お互いがお互いを尊重して努力してなりたっていくカップルでした。
本書の3分の2くらいまでは目が離せなくて、美山が好き過ぎて気がかりで、読みながら私のモヤモヤが募り、彼をどうにかして差し上げろとグルグル唸っていたのですが、4分の3を過ぎた頃から、でもこれ実は灰原とよりを戻すのでもよくない?と思い始めてしまって、その分、その後の展開に気持ちが今ひとつ乗らなくなってしまいまして。勿体ないことをしました。
灰原は牙城だったので、なんの武器も装備していない一兵卒が大ボスから姫を取り返す暴挙を、手放しで賞賛できなかった。ここで盛り上がれたらよかったなあ。
作ってもらったカメリアを大事にしていたり、カメリアがあれば深く眠れたり、そういう美山が本当に可愛かったです。
前作「365+1」のスピンオフです。前作を読んでない方はぜひ読んでから、こちらを読むことをおすすめします。この作品の美山靫彦というトップモデルが他人から見たらどんな人なのか、よくわかると思うので。
前作で紺と綾野を引っ掻き回して、結果的に2人を元サヤに収めてくれた靫彦ですが、なかなかに寂しくて辛い生い立ちをしていました。そして本気で好きになった男性と、その後についても詳しく書かれています。本気の恋を手酷い振られ方をしたことで人を信用しないように生きている靫彦。
そんな靫彦のお相手は…と言うとちょっと意外な人物。こちらも前作から登場の紺や綾野と同郷の先輩、デザイナーの久保田でした。クリエイターにありがちなプライドの高さはありながらも決して傲慢ではなく、靫彦をまず1人のトップモデルとしてリスペクトしているところがとても良かったし、そこが靫彦にも響いたんじゃないかと…。
とにかく面倒臭い靫彦を深い愛情で包み込んでくれる久保田の愛し方がとても好みでした(個人の感想です)。また、靫彦のあしながおじさん的存在の当て馬さんも最終的には嫌な奴じゃなくなって全体的に丸く治まって最高のハピエンだったのではないかと思います。
また個人的な好みの話になりますが、口が悪くてツンツン女王様なんだけど実は寂しがりで甘えたな受けちゃんと、受けのお世話をしっかりしてくれる攻め様が大好物なので、大変よく刺さりました。
スピンオフ作品だそうですが、先に読んでしまいました。
「365+1」も買ってあるのに〜。
でも全く気にならずに読めたので結果オーライ。
素直じゃない美人受けがノンケに恋しちゃう、少し切なくも幸せな物語でした。
16歳の頃から年上の金持ちに囲われていたり、夜遊びもそれなりにやってきて、でも前の恋愛で大失恋をしたユキが、叶いそうにもない恋に落ちてしまうんです。
頭では分かってても、止められない恋心。
そして自分の操縦がきかなくなる…それが恋ってやつよね。
相手の一言や態度で、天にも昇るし地獄にも落ちそうに悩むユキが可愛くて微笑ましかったです。
攻めの久保田もノンケでありながらユキをほっておけない気持ちから好きになってしまって、同性に恋をしてしまった戸惑いが隠せないのもよく伝わってきました。
久保田目線の部分があったらなぁ、と思いました。
モデル、服飾業界のお話としても楽しめます。
凪良先生の作品はそういう部分もしっかり書かれているのでラブ以外の部分も楽しいんですよね。
スピンオフ元を読むのも楽しみです♡
いばら姫、とは、超絶イケメンの美山。実はスピンオフだと知らずこちらから読んでしまいました。
元作品を読んでいたら少し印象が違ったかな?
美山はモデルとしてプライドがあり、実際に一線で活躍している。しかし幼少期に家庭があまりうまくいっていなかったせいで、人間として愛情に飢えています。
一方の久保田はデザイナー。こちらはノンケで、あまり策略を巡らすタイプではなく、明るく面倒見がよく人タラシな感じ。
包容力の高い久保田にだ惹かれる惹かれる美山ですが、相手がノンケだけになかなか恋にならず。。
実際はこんな感じなのかな?ノンケさんとの恋というのは。。
なかなか恋にならないので、美山がむしろ不憫でした。
でも終わりよければすべて良しかな?
美山のパトロンだった灰原さん。こちらも包容力という点では抜群で、美山をひきとってトップモデルにしただけでなく、最後は久保田に譲るなど、ちょっとできすぎの感じがありました。
久保田がなかなか自覚しないので、読んでる方もじれじれしてしまった。
面白かったけど今ひとつ乗り切れず。。ごめんなさい。
「365+1」のスピンオフ
紺の家に、電気を止められる都度にホテルの代わりに泊りに来る
美貌のトップモデル。
棘で素の自分を防御した隙のない「いばら姫」が、
棘を隠して、素の自分、白いカメリアが似合うユキちゃんに成れる
全部を理解して包容する、久保田を受け入れることができてよかった。
というより、粘り強く愛を捧げる久保田の献身愛に感動した。
ユキちゃんは、傷つきやすい繊細な人。
それを見抜いた久保田の目は確かで、慈愛に満ちている。
久保田の白い花を見て、ユキが母のお手玉を思い出す場面や、
「恋をしているせいで、秋の訪れが・・」のくだり、とかの言い回しが素敵。
凪良先生の作品の中で、一番捻じれていない恋物語だと思う。
スピンオフと気が付かないまま読みましたので、こちらだけで読めると思います。
デザイナーとモデルが主人公、キラキラしていて、ドラマ化してほしいと思う作品です。
最近はBLも実写ドラマが放送されるようになったので期待したい。そして枕元に埋め尽くされたカメリアとウエディングドレスやシャツなどが見てみたい。
母親へのトラウマや裏切りに傷ついた主人公が
全て理解できなくても、わかりたいと思ってくれる相手と出会い、強ばった気持ちが解れていく様子、描写に癒されました。
今回も期待を裏切らない一冊でした。
『365+1』のスピンオフですが、未読でも大丈夫でした。
いやー、ほんとに読み放題ありがたや〜です。
人気モデルの美山とデザイナーの久保田が主人公。
何か大きな出来事が?……と思ったけど、特に何もない。
相手を知るほどに好きになって好きになられて──という、普通のラブストーリー。
それがこんなにロマンチックでドラマチックに仕上がるんだから、凪良先生は本当にすごい!
美山の結構キツイ生い立ちとかパトロンのこととか、サラサラ〜っと語られるけど、それがちゃんと美山のアイデンティティの形成に影響していたと分かる。
ツンツンしてるけど、本当は寂しがりやで愛されたがり。
眠りが浅いのも、帰ってこない母親を待っていた癖だと分かるから切なくなる。
久保田はノンケの人たらしですが、美山に惹かれていく姿には共感出来るものがありました。
正義感やプライドを振りかざさず、使えるコネは使うという人間臭さも良かった。
キャラとストーリーどちらも素晴らしく、二人の恋路が気になってあっという間に読み終わりました。
元カレ・槙原とのその後が詳しく語られないのもリアルですよね。
馬に蹴られて死んじまえー!って感じだし(笑)
描き下ろしも甘々で素敵でした♡
美山のドレス姿見てみたかったなあ。
スピンオフ元の作品でお気に入りキャラだった美山が主人公のお話、当然期待しながら読んだ。
散々めんどくさいと言われる性格の美山は、遠くから見ている分には分かりやすくて好きなタイプ。対する久保田は清潔な魅力があると思った。
悲観的な美山が欝々と悩みながら進むため、物語の雰囲気はあまり明るくない。おかげで仕事が上手くいけばいくほど落とされる恐怖に怯えながら読むことに。
そして迎える昔の男との取引……久保田のブランドを推薦する代わりによりを戻せって?この展開、古臭すぎじゃないか?さらにそれを受け入れる美山の自己犠牲で完全に引いてしまった。自分を犠牲に愛する男の仕事を成功させる、それを相手はかつて好きだった女のおかげだと思っている、それなんて人魚姫?
一見健気な行動だが、本気で久保田をリスペクトしてたら、失礼になるそんな取引はできない。何より相手が喜ばないことをしてしまうのが残念。久保田なら実力でのし上がると信じて取引なんて蹴って欲しかった。実力だけでやれない世界だと誰よりも知っている美山であっても、好きな人の仕事を信じられないという一点はどうしても引っかかる。相手のためというより自分が何かをしたい(してあげたい)というエゴが勝っているように思える。
その後なんだかんだあって久保田が腹を括る、その潔さはとても良かった。
スカっとさせてくれる展開やスマートに身を引く元彼が物語を締めにかかるのは少々流れ作業的。プロポーズはいかにも女子ウケが良い盛り上げ方、こういうの好きだよねーと惰性で読む。
自己犠牲愛を見せつけられた時点で美山から気持ちが離れてしまっていた。
作中に出てくるハイジやタッチは知っているがいまいちピンとこず、時代と年齢設定はどうなっているんだろうと思った。はっきり言って古すぎる。華やかな世界の話なのに古臭いエピソードを挟んだり、作者とキャラのジェネレーションギャップを考えてしまう。
サバサバ系かと思いきや全然そんなことはなかったという、美山の悪い意味での裏切りが最悪だった。強気に見えて実は脆く繊細、てだけなら良かったのにな。
美しい彼シリーズで凪良先生を知って他の作品も買い漁ったのですが、BLアワード2020で紹介されていたこちらの作品から読み始め。
悩ましい彼に美山が登場してたっていうのも気になって。
365+1のスピンオフの今作。
前作未読で読みました。
ネグレスト気味の母子家庭で育って16歳で生きていく為に自分のスキルを活かしてパトロンにサポートして貰いながらモデルとして生きてきた、美山。
寂しさ、満たされなさから不眠に悩まされ、
自己評価の低さから将来を悲観的に捉えている。
そんな美山には、デザイナーの久保田はお日様の様なお父さんの様な存在に感じたんじゃないかな。
好きにならない様に、気持ちにブレーキかけながらも惹かれていく美山にキュンキュンしました。
トップモデルの美山を崇めてくれている久保田、
美山は恋愛的な意味で久保田を好きになっていく。
地元の幼馴染の里江も絡んできて、あー、切ない〜。
クライマックスのウエディングドレスフィッティングでのプロポーズは高まりました。
安心して読めるラブストーリーで満足度も高かったです。
前作も読もうと思います。
とても好きな作家さんなので作家買いでした。
本編である「365+1」はタイトルは知っていたのですが、読んではいませんでした。
今回はスピンオフだとは知らずに購入。しかし、まったく違和感なく読み進めることができました。
そもそも好きな作家さんなので何も心配していませんでしたが、中でも大当たりでした。
「俺は『美山靫彦』だ」という表現が何度も出てきます。プライドが高く傍若無人で、やりたい放題・言いたい放題。だけどどこか投げやりにも見えるような言動。
ちぐはぐに見える言動が「俺は『美山靫彦』だ」を通して美山の考えがはっきりしてきます。
要所要所で意味が少しずつ変わっているのが個人的には面白く感じました。
美山が久保田に心を許し始めるのが結構唐突だなと思わなくもなかったですが、その分2人の関係性の変化に重さを置いていると考えたら気にならない程度でした。
あまり自分自身がツンデレ萌えするタイプだと思ったことはなかったのですが、美山はドストライクでした。キャラクターを嫌みなく表現することができるのは凪良先生の素晴らしいところだなぁと改めて実感。
あとがきでご自身でも書かれていましたが、ベタでやりすぎなくらい甘々な番外編もとても良かったです。
順番が逆にはなってしまいましたが、「365+1」も読もうと思います。