BLコミック&BL小説、業界最大級の品揃え!
qpa
何十人でローテーションを組んでるんだろう?
電子専門としては、雑誌(アンソロジー)の規模が大きいと思う。
現在は4~5つにファイルが分かれてて、読み切りは少なく、連載が多い。
毎月連載してる作品もあるけど、各ファイルで巻頭にくる多くは隔月。
価格は平均か、それより高め。いつも作品をシャッフルして分冊するから、コミックス派の読者が作家目当てで買おうとすると、数人分でも総額1000円以上かかる可能性アリ。
■副題:閉所暗所~見えなくてもわかってる
★束原さき「Powder Snow Melancholy」第5話(32頁)[vol.28,30,32,34]
エロは苦手って人でも読める作品だと思う。1~2話は未読で、3話以降の内容で判断してるんだけど。普通の大学生(凌)と、ちょいハイスペックな大学生(成川)の、遅れてきた青春恋物語・・・なんじゃないかと。
公式による1話目の作品紹介が、
[無愛想で苦手なタイプだと思っていたけど、もしかしていい奴…?って思えちゃうこれがゲレンデマジック!?]
で、2話目になると、
[俺のせいでケガさせちゃったし、一緒に風呂入って背中を流すのは当然だよな…なんてもしかしてこれは罠!?]
だから、ゲレンデと宿泊施設の大風呂で何かあったのは想像がつく。
でも、主人公の凌が「男同士って何すんの?」と、検索した画像にショックを受けてたから、序盤もたいしたエロは無いはず。
もうちょい続きが読みたいんだけど、そういえばこれ5話目だわーと軽く絶望したよ、もったいない。
このムッツリ(成川)には、まだ伸び代がある。
■副題:かさなってればこわくない…。
★碗島子「雨雫 ―溺れる井戸―」第3話(28頁)[vol.32,34]
祖父の死を機に、家族で母の故郷の田舎に引っ越してきた高校生の池田サダオ。雨の降らないこの村の人間は皆、彼に特別な視線を投げかける。
遠巻きにじろじろ見てくる村人達の中で、ひとりだけ、サダオに親しげに近づいてきた人物がいた。彼はサダオの同級生の、沼之端 灯流(ともる)。
彼は言う。「雨守の名前は代々サダオ。サダオが泣けば、雨が降る。」
そして、雨守を泣かせるのは、雨守番である自分の役目だと―――。
迷信が現実として存在してる世界観。先祖の雨守と雨守番の間に起きた忌わしい出来事が、現代のサダオ達にも影響してるような場面があった。
特に、普段は優しくて物腰の柔らかい灯流が、雨守を嬲りたい衝動と、それに抗おうする気持ちの間で揺れている様子だった。
今回は、サダオの身に危険が及びそうな素振りもみせて、じわっとホラー。
■副題:そばにいるよね?
★蔓沢つた子「好物はいちばんさいごに腹のなか」(38頁)
これ読んだときに「あれ?先月号じゃないよね?」と表紙を確認してしまった。ケモミミ+女でもよくね?な、SF妊娠設定つきファンタジー。vol.35の妊娠系男子特集ですら誰も踏み込まなかった領域に・・・恐ろしい子。
でもこの内容だと直球すぎて「妊娠“ 系 ”」にはならないのか。
竹書房で発表した蔓沢つた子さんの作品は、他に「この趣味だけは受け入れて貰える気がしない」(3話)と「いままでみたく、いままで以上に」(1話)。特殊性癖と歳の差近親・・・そして、今回のSF妊娠物。
電子専門ではニッチながらも在るネタだけど、紙本派、特に雑誌を読まないコミックス派の反応がこわくないのかな~って思う作品群。
もしコミックスに全部収録されるとしたら、かなりカオスになる予感。
■副題:せまければくっついてればいいじゃない
★ウノハナ「初恋を処する方法」第2話(33頁)[vol.34]
田舎の学校に新卒採用され、夢だった教師になれた本巣佳月。
民家を借り上げた独身寮に住むことになった佳月は、先に住んでる男性教師と対面して衝撃を受ける。
彼は7年前、高校1年生だった佳月に、初恋とトラウマの両方を刻んでいった野球部の先輩だった―――。
1話目の冒頭から、なかなかキツイ内容。トラウマから立ち直ってきた矢先の再会は、佳月に新たな傷を負わせるんじゃないかと心配になる。
でも、先輩も再会するまでの7年の間に、体に異変がおきるほどの心の傷を誰かから受けていたようで・・・。2話目ではその部分にスポットが当たりかけたところで次回へとつづく。
―― 作品の傾向としては、フロンティアワークス、ジュネット(ピアス)、その他の電子専門と近いかな・・・。10代~20代前半、ライト層、web配信作品に慣れてる人との相性が良さそう。