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BLという括りでこういった作品にお目にかかれる僥倖。どのジャンルにも当てはまらない作風といった方が正しいのかもしれません。先のレビュアーさまも言及されていらっしゃいますが、長野まゆみ先生を彷彿とさせる、…と表現したらお終いよ、というくらいわたしにとって青井先生の描く世界観は長野まゆみに重なります。これはもう仕方がない。デビューと同時に追っかけていた長野まゆみ先生がよもやこっち方面(男同士のうんたらかんたら)に流れて行くとは…という事実の方に当時は驚愕いたしました。(予感はありましたが…。)
さて、これはいつぞやの時代の、何処かの異国の、不思議な特性を備えた民族の末裔、イーリスのお話。その民族の持つ特性と絡んだ対象物を研究をしている学者、ベントと彼が出会うことで始まる股旅物です。一コマ一コマが丁寧にびっしりと描き込まれており、作家さまの執念にも近いモチーフへのこだわりを感じます。ただ個人的 にはどの作品を読んでいてもキュンやドキッが感じられず、人物のお顔立ちもキレイ過ぎてアニメ寄りに感じてしまい、「好きな作家」さんと声を大にして言いたいのだけれど、厳密には言い難い葛藤がありまして…。
この作品は、完成された物語、また珠玉のアート作品としての観点から「神」作品とさせていただきました。
作者さんの味のある絵や装丁やページごとに鉱石が書かれてる丁寧さが好きです。
お話は一緒に旅をする学者のベントと鉱石を食べる少年イーリス。
ベントはイーリスに市民籍を取らせ旅をしながら美しい自然や産物を教えて。
途中までは緊張感を少しはらむもののイーリスが新しい世界を知っていくのを、ベントと穏やかに旅をするのを暖かい気持ちで読めます。
しかし実は…。イーリスの狙われる理由やそれを最初から知っていて記録をつけていたベント。
あわや!のところでベントによってイーリスが助けられ。
お互いに大切な存在だとわかりベントは記録を燃やして。イーリスは逆に自分の関わったもの全てを記録することに。そしてまた二人の旅は続く。
不思議であたたかくて二人がいつまでも無事に仲良く過ごしてくれたらいいなあと祈りたくなるお話でした。
主人公の男の子が「鉱物」を食べて生きているという
摩訶不思議な内容でした。
内容的にはほんのりわずかに萌要素があるだけで、
あとはファンタジーに包まれた童話・絵本のような作品です。
「おじさん×無垢な年下受け」っぽい匂いがして、
なんかこう、妄想がかきたてられて萌萌しました。
ページ数は一冊にまとめるには若干少ないように感じますが、
この手の内容は余計な同時収録作品を入れるより、
同じ作品でまとめたほうが、
一冊の絵本のようなまとまりが出て、
雰囲気が出て良いなと思います。
自分の友達に「石」が好きで、
天然石を集めている友達がいるのですが、
私は石とか集めないのでそこまで魅力を感じないのですが、
少年イーリスのような人が隣にいたら、
石の魅力がもっと分って、
その不思議な世界に魅了されて、
私も石に興味が持てるかも?
と思いました。
物語全体はもの静かに淡々と進む印象ですが、
その中に動の部分もあり、
淡々としているようで、
起伏もしっかりあります。
今回も丁寧につづられた言葉や絵が、
素晴らしい作品でした。
以前にこちらのサイトで見つけ、綺麗な表紙と面白そうな内容に惹かれ、購入しました。
青井先生の本は初めて読みましたが、絵がとても綺麗でスラスラと読めました。
内容については、個人的には山なし谷なしのゆったりしたお話でした。特殊な体質で人とあまり関わらないように生きてきた主人公が、ある旅人と出会い、心を通わせていく…といった内容です。珍しい種族故の悲しい過去がありますが、そういったことを乗り越えて生きていこうとする主人公にとても惹かれます。
わたしはヒヤヒヤする物語が苦手なので、こういった一冊を通して大きな事件(?)もなくゆったりと進むお話はとても好みでした。中盤に少しひやっとする場面もありましたが、大きな怪我もなく安心して読めます。
腐的な要素はほとんどないので物足りない方もいらっしゃると思いますが、読んだ後に心が温かくなる素敵なお話です。気になった方は買ってみて損はないかと思います。
発掘調査を生業とするベントと、鉱物を食べる希少種族の少年イーリス。
調査していた廃鉱の中、目の前で倒れたイーリスを、ベントが助けたところから二人の旅が始まります。
童話や絵本のような雰囲気で、めずらしい漫画だと思いました。
装丁のデザインがとてもきれいで、それだけでも買ってよかったです。
BL的な絡みはないし、恋愛要素も強いわけではないけれど、読後の充実感は確かです。
絵からも滲み出てくるように、細部までものすごく丁寧に作られたお話で、
ちるちるで勧めるには、BL要素が少ないので萌え×2ですが、個人的には大好きです。言葉の選び方、旅の背景、小物、表情、開くたびに小さな発見があります。
皆さん書いてらっしゃいますが、この空気感が好きな人には『こういうの待ってた!』となるのではないでしょうか。
また、以下のモノローグが一番心に残りました。
ーーーーー似ている、はあくまで似ているだけで、完全には重ならない。けれど、お互いの『似ている』と思った感情は重なるのかもしれない。(本文抜粋ではないです)
ビー玉や、石や、ガラス細工を掌にのせて、すっと差し込む光や色を楽しんだことはありませんか?
何年たっても大事な宝物のような、本を開けばいつでも旅を始められる、そんな不思議で素敵な物語です。
ジブ⚫︎のラピュ⚫︎や耳をすませ⚫︎の鉱物、にピンとくる方はきっと気にいるのではないかと。
作者さんの精密な絵で神秘的な石が沢山描かれていてとても魅力的です。
その石を主食にしているのが『砂漠の金剛石』と言われている種族の生き残り…呼び名の通りとても美しい少年(実は25歳)です。
ずっと一人だったイーリスが学者のベントと旅をするようになり、少しずつ打ち解けていく様子は微笑ましいです。美しい少年ははにかむだけでも目の保養ですね〜
何故一人だったのか。その理由がかなり残酷で悲しいものだった…またそれが原因で危険な目にも合うのですが、結果的に前向きな決断をする事になったラストが良かった。
イーリスとベントの関係は恋愛というよりは親子みたいな感じ。でも時折二人とも頬を染めたりするんですよね、単にシャイだからなのかはたまた恋愛的なものか。
これはBLなの?と言われると言葉に詰まりますが、美しく描かれる世界感は唯一無二。今日は恋愛抜きにして綺麗なものを読みたいなーという時におすすめです♪
イーリスは鉱物を食べるというだけでなく長命な種ですが、パートナーとずっと同じ時間を生きる事は出来ません。二人が理解しあって少し経った所で話は終っていますが出来ればもっと先まで読みたかったです。
起伏の少ない話と繊細の絵柄が相まって淡々と進んでいきます、誘拐事件のような事も起きますが割とあっさり解決します。
でもそれが妙に心地良くコマ割りにしても台詞回しにしても考え抜かれて配置されてるのだろうと思いました。鳩山郁子さんや市川春子さんが好きな方に薦めたい作品です。
初読み作家さん。
Canna Comicsのフェアでペーパー目当ての物色中に、タイトルに惹かれて手に取り、カバーの雰囲気も好みの感じだったので試しに購入。
BLかと言われると微妙なのですが・・・
1冊で綺麗に纏まっていて、世界観も丁寧に描かれて、一族の切なく苦いエピソードが一番衝撃ですが、
静かに淡々と語られていく様は、1作のロードムービーを観たような読後感でした。
シネマな感じがしました。
頁に添えられた鉱石等細かいディテールにも拘って作られた1冊でした。
どちらかというと小説が多いので漫画は詳しくないのですが、BLレーベルから発売されてるのに驚きです。
BLという括りに捉われないというか、この作品はBLは意識してないよね~と。
無理くりほんのりと思えなくもないですが、どちらかというと人類愛的な。
でも、こういう作品もあって読書の興味の幅が広がるのは良いな~と思いました。
ファンタジー好きにはお薦めです。
宝石をカリカリ食べる寂しげな男の子と、石研究者の物語。
食べた宝石によって瞳の色が変化するイーリス。
まさに瞳そのものが宝石です。
美しい種族なだけに残酷な経験をし、人も世界も諦めた心を研究者のベントが救います。
青井秋先生が描く物語は本当に美しい。
日常で荒んだ心が洗われます。
彼らが言葉を交わしたり、想いに耽る1秒1秒の時間の流れが伝わるページ構成で、読者もその世界を経験できます。
ちなみに、ページ数のところに小さな小さな絵柄が描かれるのも素敵です。
今回は宝石たちが書かれていました。
青井秋さん、四冊目の物語です。
今回は王道ファンタジーと絵本を目指して描かれたものらしいです。
世界各地を旅し、その土地の地質や鉱石を集め研究する学者のベント。
旅の途中に立ち寄った薄暗い廃鉱の中で出会ったのは、鉱石を食べて生きる種族の少年イーリス。彼らは普通の人間よりも長命であり、瞳の中に瞬く虹色をもつことから「砂漠の金剛石(ダイヤモンド)」とも呼ばれた希少な存在だった。
互いに一人旅を続けてきたが、これから目指す場所が同じということもあり、共に旅をすることになった二人。
特異な体質ゆえに今まで隠れるように一人きりで生きてきたイーリス。
ベントとの旅を始め、彼から教わる様々な知識や旅先での出会いを繰り返し、今まで見ていた世界が変わっていきます。ベントの優しい言葉に触れ、悲しい過去により閉ざしていた感情を取り戻し、自分がこの世界で生きていくことの意味を見出していきます。
恋愛的な要素は薄いですが丸々一冊のお話ということもあり、青井秋さんの世界観はもちろん、ベントとイーリス二人の想いも多く綴られているのでしっかりと物語に浸れます。ファンタジーものではありますが、旅を通して得られるもの、その土地だけに根付く自然や何百年とかけて紡がれていく星の歴史についても語られています。
そしてそして、この物語を飾る表紙も素敵ですね。
イーリスの頭上に翳された手からこぼれる宝石。
何も知らなかったイーリスがベントや旅を通して出会った人々。そこから生まれた知識や考え方。それら一つ一つが小さな輝きとなり、イーリスへと降り注ぎ、"世界を知った"イーリスを鉱石や植物が重なり連なっていく様はこの物語そのもののようにも感じます。
二人で旅を始めて間もない頃、長年石ばかり見続けてきたと言うベントにイーリスは「好きなんだね 食べるわけでもないのに」と言います。
鉱石は生きるための食べ物でしかないイーリスからすれば何気ない一言なのですが、ベントは「結局どうしようもなく好きだから」と自分が鉱石へ抱いた想いを語ります。それはイーリスが自身を顧みるきっかけにもなるのですが、今まで歩んできた生き方も考え方も違う二人が出会い、それぞれの想いを少しずつ分かち合っていく様が緩やかに紡がれていて、それがこのお話の魅力のようにも感じます。
彼らのその後を描いた『二十億回のまたたき』まで、切なさを孕みながらも幸せを滲ませる二人。そして青井秋さんが綴る言葉に色々と感じさせられます。
全ての想いを形にはできない。命はいつか消え、抱いた記憶も過去も砂のように曖昧になる。けれどそれを未来へ残し、後の百年へと紡ぐ術がある。この物語のなかでイーリスが見つけた"永遠の結晶"を読み終えた時、読み手としても分かち合える部分があると思います。
そっと本棚に置いておきたい一冊です。