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エロス:★☆☆☆☆
好み度:★★★☆☆
『言うんだよ、必ず。
オレが怖くなったら。
そうしたらオレはいなくなるから。』
真名白は、人型をしているが、
その正体は、人に寄生しないと生きてはいけない寄生生物。
八樹が6歳の頃、宿主をなくした真名白を拾った事がきっかけで、
「寄生者」と「宿主」の関係となった。
だが、真名白は、以前自分を創ってくれた宿主を喰い殺した経験があり、
いつか八樹も同じ目にあわせてしまうのではないかと、常に不安をかかえていて…。
宿主と寄生者のせつない物語。
「手の中の願い」
BLで「寄生」と言うと、
思わずエロい方向に意識がとびがちですが(あれ?私だけ??(笑))
この本には、そう言う表現はいっさいないです。
勿論、キスしたり、抱き合ったりくらいの表現はありますが、
基本的にストーリー重視。
おまけに、内容が内容なだけにかなり「重い」です。
でも、個人的にはその重さがせつなくてたまらないんですが…(>△<)
中身ペラッペラの、やりゃあ終わりみたいな漫画とは一味違う作品です(^-^)☆
主人公の八樹くん。
可愛い外見で、細身、おまけに背も少し低いので、
表紙だけ見たら「ショタ?」っとか、「可愛い受?」と誤解されるかもしれませんが、
成長が遅いのは、真名白に寄生されているため。
口も悪い感じです(笑)
でも、真名白が、
「自分が寄生する事で、八樹に迷惑をかけている。」
と感じている事を知っているから、
身長が低い事を気にしてはいますが、決して文句は言いません。
口は悪くても、そう言う言っちゃダメなところは心得ている。
そう言うところはかなり好感。
真名白は、自分を創った人を喰い殺してしまっているので、
その事を淡々と語りつつも、どこか影があり、
笑う時も、どこか淋しそうに笑います。
普段は、八樹の事を優しく守っているお兄さんのような存在ではあるのですが、
そう言う過去を思い出している時は、凄く辛そう。
でも、その重い空気をフッと解いてくれる、八樹くん。
ある事情があって、
八樹くんが瀕死の大怪我をしてしまうのですが、
その後の、真名白と八樹くんのやりとりが個人的にはお気に入りです。
せつないものをお探しの時におススメ。
でも、「寄生者」と「宿主」と言うものをテーマにしていますので、
オチは結構想像しやすいかも…???(汗)
個人的には、もっと深く掘り下げてもいいかなっと思うところもあるのですが(せつないの大好きなので。)
でも、二人のあたたかな関係は凄く好きですね。