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vocalise
父親を亡くしている少年と年の離れたピアノ教師が出会う所からお話は始まります。
少年はピアノが好きで、かつて父親が好きだった曲をそのピアノ教師が弾いていたのがきっかけで出会います。
でも正式にピアノを習うでもなく、足しげくそのピアノ教師の元へやって来てピアノの練習をする。
何故習わないのかな?と思っていたのですが、ストーリーが進むとその理由が明らかに…。
少年の母親がキーなのですが、この母親が私は好きになれませんでした。
自分の都合で子供を押さえつける親はどうも苦手です…。
でもそれでこのお話が切ないものになっているのは確か。
頑張っている修司に明るい未来が訪れたらいいな~と思いつつ読みました。
ラマニノフの「協奏曲2番」=フィギュアスケートの定番?
「ヴォカリーズ」もラマニノフの曲ですが、かつて韓流ブームを巻き起こしたドラマ「冬のソナタ」に挿入され、また、フィギュアスケーター・浅田真央さんが割に最近、エキシビジョンで採用していた曲。
透明感と切なさを秘めた曲ですな。
「協奏曲2番」はドラマチックだが深い激情に胸押しつぶされそうになる。
しかし、「ヴォカリーズ」はもっと優しく愛おしさにあふれております。
よもやBL…というか限りなくショタなBLでこのタイトルを目にするとは思いもよらなんだ。
ですが、ストーリーはまさに「ヴォカリーズ」のイメージどおりに進行します。
つくも号センセイ、ショタ同人のビッグネームですが、エロくさいショタとあなどってはいけません!
この方、同人のほうでショタエロ描く時は予想以上のエロエロ(しかしなぜか下品ではない)しかし、いっぽうでは胸の痛みが止まらない、号泣寸前のストーリーを編み出してくれます。ラマニノフの切なさとクロスオーバーします。
高校生の修司は、ピアノ教室の先生・健史にピアノを教わるうち、彼に恋心を抱くようになり、一線を超えてしまいます。
そのままピアノの道へ行こうかとする修司ですが、母親には大反対される。
なぜなら、修司の亡き父は健史が恋焦がれていた師だったから。
恋した人の息子と関係を持ってしまう背徳感、かなりゾワゾワきます。
しかし、修司はそんなことを知る由もない。まっすぐな気持ちのままなんですねぇ。
つくも作品にはしばしば「大人のズルさ」や「邪さ」が容赦なく描かれているわけですが
それもあながち責められない面があるからやるせない。
二人がはじめて身体を繋げるシーンはやけにドキドキします。
しかし、あくまで序章。
序盤も序盤、ここから先、いったいどんな展開になるのか恐ろしい。
つくも号は最後がものすごく残酷だったり切なかったりするからなぁー…。