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natsu no shio
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
こまかいことを気にしない会社員の久留米と、トラウマ満載の大学院生の魚住のお話です。味覚障害になってしまった魚住が、久留米のアパートに居座るシーンが、とても好みで、たのしくよむことができました。
BLに女の子は必要ないとおもっていますが、この作品に登場する久留米の元彼女のマリが、サバサバした性格で、この物語にかかせない存在だとおもいます。
まだ序盤ですが、これから、どんどんおもしろくなりそうな予感がします。
いろんなところから出版されているらしい本シリーズ、角川文庫にて初読み。
最初はあまり好きになれなかった魚住だけど、周りの人たちがどう受け入れているかを知っていくうちに、少しずつそのキャラに馴れていき、気付けば可愛いかもしれないと思えていた。久留米は最初から好き。
書かれた時代によるものかな、と思ったのは、気遣いの範囲が狭い点。誰のためか分からない配慮がなされた言葉選びがキャラクターを越えて行われていたり、クレーマー対策かと思われる一文があったり、そういう最近の作品でよく見るクドさが一切ない。
(作者のデビュー作だから?)
また、登場するキャラクターが全員とても自由に生きているように見えた。心理的な制約が緩いというか、セリフも心理描写も率直。あるときには自分勝手に感じ、でもそれが魅力的に映るのは、今との違いに惹かれているところがあるのかも。
BLとして見ると、とてもゆっくりな進行。魚住視点だと、心より先に五感が唯一無二の相手を見つけたってことかな。久留米は気付いてフタをしてるので、どう解放していくんだろう。
魚住の生い立ちについては、まだ全てが語られているわけじゃない。人間として必要なものが欠落している原因が、先天的なものなのか、生い立ちからくる後天的なものなのかが気になる。
あらすじから久留米が主人公かと思ったらそんなことはなく。群像劇というほどいろんなキャラにスポットが当たっている印象もなかった。
温かみのある表紙の雰囲気が好き。
まだシリーズ一巻だからか、伝説的作品といわれてもピンとこなかった。全5冊を読めば分かるのか、とても楽しみ。
初めて読んだ作者さんの小説。
普段コミックス派で、BL小説はまだほとんど読んだことが無い者のレビューです。
現在シリーズ3冊目まで手元にありますが、まずは1冊目を読み終えての感想を。
全く生活力がなく、おまけに感情表現も下手でとにかく"残念な美形"魚住くんと、元同級生でサラリーマンの久留米のお話。
2人を取り巻く脇役も数人出てきますが、どの人物も個性的でひと癖あるけど憎めないキャラクターに描かれています。
久留米のアパートに魚住が居候を始めるところから物語は始まっていますが、しばらくはただの友人関係で恋愛関係になっていく雰囲気は無くて1章目の終わりに「ん?」と匂う程度でした。
その後徐々に久留米の方が友情以外の感情を抱き始めます。
だけどその感情に気づかないように意識して、蓋をしようとします。そんな気持ちを持つ事に罪悪感を持っているようで。
魚住の方は元来の鈍感さもあって、最後の方になって久留米に対する欲望を自覚します。
恋愛についてもなのですが、魚住という人物のバックグラウンドも少しずつ明らかになっていくストーリーで、ただの元同級生ラブという作品ではないなという印象。
色々残念な魚住がどうしてこんな性格になったのかもシリーズを通して明らかになっていくのでしょうか。
魚住の過去は重くて暗いのですが、本人はのほほんとしているのが不思議で少し不気味。
まだこの巻では魚住について理解しきれないと感じました。
続きを読むのが楽しみです。
未読だった為、文庫で全て揃えてシリーズ読破しました。
交渉人やnezを先に読んでいたのですが、作品としてはかなり違いました。
デビュー作と言えるくらい古い作品の為、時代背景も少し古め。それが気にならないくらいすぐに世界観にどっぷりとなり読み進められます。
1冊目だけではBLとしては物足りないと思います。
ですが出てくるキャラクター全てが魅力的です。
今以上に偏見が大きかった時代だと思います。パンチの効いた一言があったり、真理を考えさせられる発言があったり、生きるということ、幸せとは何か、自分がどう生きたいのか、主役である魚住真澄の真っ直ぐな瞳を思い浮かべると無性に自分の生き方が恥ずかしくなったりもしました。
徐々に成長していく魚住くん。
その成長を見守りながら自分を見つめ直したりしてしまいました。
ゆったりとしたペースですが恋愛面もきちんと進みます。かなり焦れったいですが、焦れったい分、ようやく……のシーンはとてもよかったです。エロは薄め。けどこの作品を読むタイプの方はエロ重視でないだろうし問題ないと思います。
人の成長と再生と葛藤と。本当に色んな感情を齎してくれる作品です。恋愛以外にも様々な人の様々な人生を垣間見れます。
5冊目で数年後の魚住くんの姿まで描かれているので、そこまで読み切って頂きたいです。
動物の死、強姦、死や病気、リストカット等の描写が無理な方は読まない方がいいかも。(主人公達は合意のない行為はありません)
※シリーズ読破した上でのレビューです。
小説とは面白いもので、初読時の感想がずっと変わらないものもあれば、その一方で
「最初に読んだときは正直あまり印象に残らなかったのに、その後、時折ふと思い出しては読みたくなる作品」
や、
「読んだときはすごく面白く感じたのに、その後、しばらくしたらどんな話だったかすら思い出せなくなる作品」
なんてものがあったりもする。
本作から始まる魚住くんシリーズもまた読み終えて以降、徐々に印象の変化していったお話でした。
しかも、いい方向に。
本シリーズは、読んでいる最中の感想は正直に言うと
「すっごく先が気になるから先へ先へと読んでしまうけれど、でも『萌える』とは言えないお話」
でした。
その原因はたぶん2つあって、1つは、物語が登場人物たちの心情を丁寧に描いてゆっくりと進むので、安易なハッピーエンドを目指していないのがわかるため、先の展開が見えないから。
そのために先が気になる反面、焦らされているようで「萌える」とまで言いにくい。
もう1つは、本作は受け・攻めのラブストーリーが主筋ではあるものの、それを第三者視点で描いた群像劇的な章談が多いので、最も知りたいところである受け・攻めの二人の心情を想像するしかないところがあるから。
受け・攻めの二人がどうなるのか、どう考えているのか、どうするのかが気になっているところでいきなり第三者が出てきて、その人の目線で状況が語られることによって攻め・受けのことを間接的に知る……ということになるのが、色々想像できて楽しい反面、ちょっとフラストレーションも溜まる。
そんなこんなで、次巻へ次巻へと読んでいるときは
「すっごく先が気になっちゃうけれど、でも『萌える!』とは言えない話」
であった本シリーズ。
でも読み終えてしばらくすると、じわじわと
「面白かったなあ」「いい作品だったよなあ」「あれは本当に読んでよかったなあ…」
としみじみと思うようになりました。
「萌えるとは言えない理由」として感じていた上記2つについても、しみじみ思い返せば本作はやはりあのようにしか描けなかったのだろうと思うし、あのように描かれたからこそ今感じているこの何とも言えない良さがあるのだろうとも思う。
もしも攻め・受けの目線でばかり語られていたら、この物語としての奥行きは出なかったのだろうと感じるのです。
しみじみ、「読んでよかった」「このお話に出会えてよかった」と感じる。
時間が経てば経つほどにそれを強く感じるようになる。
そんな作品不思議な作品でした。
お話の内容としては、他の方々が書かれているように、決して幸せいっぱいの話ではない。
むしろ、つらくて切なくて苦しい話だと思う。
人は救われるのだという希望を抱ける話でもない。
ハッピーエンドが必ず訪れるとも思えない。
でもそれでも、人は立ち上がれるのだ、生きていけるのだと思える。
そんなお話。
ラスト、榎田先生が文庫版のあとがきとして書いておられた次の言葉が胸に沁みました。
親愛なる読者の皆様。
あなたの中に、もし魚住真澄が住んでいるのならばどうか伝えてください。私はきみが書けて、とても幸福でした、と。
こちらこそ、魚住くんのお話が読めてとても幸福でしたと言いたい。
榎田先生に伝えたいな、と。そう思わせてくれる作品でした。
リアルタイムで魚住くんシリーズを知らない私は、入手しやすい文庫版になった恩恵を受けた一人です。
ページ数253、文庫としては薄いくらいの一冊に「夏の塩」から「鈍い男」の五編が収録されていて、読んでいく毎に魚住くんに心を掴まれました。
美形だけどいろいろ変な魚住くんと、リーマンの久留米の物語は「夏の塩」で淡々と始まります。
大学時代からの友人、魚住くんがふっと久留米のアパートに転がりこんで、焦げたトーストを無心に食べたり、隣のインド人のサリームに子供みたいな、無神経ともいえる質問をしたりして住み着いている。美形な大学院生なのに変な男子なんだなと思っていると、魚住くんが久留米の元に転がりこんだ理由が明らかになってきます。
犬が死んでしまい、その死を受け入れられなかった魚住くんは、無意識に久留米を頼ってたんですね。
淡々とした短編の中に、言い尽くせない諸々が沁みてくる、印象深い始まりだと思いました。
「この豊かな日本で」では、院生としての魚住くんが描かれ、なんと栄養失調で倒れる話です。研究室の濱田さんがこの話から登場します。
マリの「魚住はバカな子供なのよ」は名言ですね。
続いての「ラフィンフィッシュ」は魚住くんと久留米のキャラクターがより鮮明に肉付けされ、魚住くんの衝撃的な過去の一部が明かになるエピソード。
魚住くんはその美貌ゆえに、男にレイプされてしまってたんですね。
切ないものの、久留米とのやり取りは良かったかな。
魚住くんと久留米の双方が互いへの特別な感情に気づく「制御されない電流」、奇妙な二人の同居生活はここで終わりになりますが、新たな段階へと一歩進みます。そして、魚住くんは魚住くんらしく、ブレーカーを知らずに死にそうになるのです。
この巻ラストの「鈍い男」の魚住くんは久留米への思いを自覚して、色っぽいです。
ゆっくりと進んでいく魚住くんと久留米の恋と、恋愛以外でもグッとくる第1巻でした。
これは、読んでみようか迷ってる方には是非にとお勧めしたい。文章は読みやすく、スッと入ってくる感じですよ。
いつもふわふわした感じでつかみどころが無い魚住くん。
複雑な(辛い)過去を持っているのに、自分の過去も他人事のように淡々と口にしてしまいます。
苦しい雰囲気はかもし出さないのに、幸が薄いことは伝わってくるという何とも気になる存在です。
そして、その魚住くんを取り巻く仲間たちもみんな魅力的です。
魚住くんの過去を気にしたこともないであろう親友の久留米。
高校時代からの知り合いで魚住くんという人間をよく理解してるマリ。
魚住くんにやたらと感心のある同じ研究室の濱田先生。
今回は人物紹介的な要素が強く、2巻目が早く読みたい!