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nakanai karasu wa utawanai
鸦乌不啼 嗤讽何来
新井サチさんの書かれる本って大抵は遊び人テイストのチャラチャラした人のでるイメージがあって、
時代物だぁ!?食い合わせわるっ!?地雷!?
という疑惑がまるで取れず、購入を迷いました。
杞憂でした。道場を長男なのに破門されて、しかも障害まで持つのにとことん親切な白鷺と人斬りに対して明らかに病的な執着があるうえにその後、露骨な色情狂になる鴉の美麗さに惹かれました。
もっとも、鴉にとって白鷺は本能を押さえつけてなだめる役にしかならないし、人を切っては平気で女をだいて来るゲスバイな鴉を愛し続けられるんか?というと疑問ですが、
それでも2人に人生リベンジの明るい光明を感じてほっとするのはやはり長年このテーマで書きたい!と構想してきた熱情がこっちに伝わったんだと思います。
細かいズッコケやボケシーンがそこかしこに飾られてるのと派手なアクションが目立つのと、エッチの主導権の移動の激しさと、とにかく読み返し要素多そうなんで、中毒枠、神認定です。
刀に触れる刀鍛冶のさじ加減で、なまくらにも名刀にもなるように
人も一番近くで触れてくれる存在が大きいですよね。
白鷺と一緒にいることで、鴉の心の角が取れ
人としての表情がよみがえっていきます。
人を斬るよりも心が満たされるものを見つけた鴉は
褥だけではなく日常生活でも笑えるようになるでしょう。
漆黒が白と混じった時、新しい色が2人の間に生まれます。
白鷺に死んでほしくなくて、もう誰も殺さないから
目を覚ましてほしいという場面では胸打たれました。
お互いを支え合い、思いあってきっと幸せになってくれると思います。
漆黒の刀に黒の着流し姿がトレードマークの浪人者・通称「人斬り鴉」(表紙絵左)と、片足が不自由な刀鍛冶の白鷺(はくろ 表紙絵右)のコンビが繰り広げる、アクション・ラブストーリー。
初出掲載誌が書かれてないんですが、『花丸漫画』で連載されていた作品らしいですね。
あとがきによると、この作品、新井サチさんがなんと14年温めてきたネタだとか。
「間違えても失敗しても転んでも、人はやり直せる」というデビュー当時抱いていたメッセージに回帰した作品なのだそうですが・・・
言われてみればたしかにそんなお話です。
自暴自棄の半生を過ごし、人を斬る瞬間しか生きているという実感が感じられないという鴉が、白鷺と出会うことによって、人を愛することを知る。
二人の関係は、無茶な使い方で刃こぼれしてボロボロになった刀と、それを丁寧に研ぎ直し、元の切れ味の良い刀に再生する刀鍛冶の関係そのものです。
ただ、私が惹き込まれたのはそういうイイお話の部分ではなく・・・ちょっと言い辛いのですが・・・血に飢えた男・鴉の淫乱(?)体質!
人を斬ることで精を使い果たして、セックスの「熱」を欲するという。
殺陣の後の濡れ場って、BLの数あるいけないシチュの中でも最高峰クラスの背徳感じゃないでしょうか? ここで萌えていいのかどうか、戸惑いながらも本能が騒ぐ。
まさしくアカン萌え!!(答姐の某トピに便乗w)
しかも人斬り鴉が誘い受けというのが、さらにツボ。相手は誰でもイイという鴉のビッチぶりにまた萌えます(*ノωノ)
あー・・・すみません、せっかくのいいお話を・・・でも、この設定が個人的にすごーく萌え萌えでしたのよ(w´Д`w)
だもんで、作者あとがきにある伝えたかったメッセージの下りを読んで「あれ?そこなの??」と心底ビックリ!(「おまえこそ、そこかぃ!」と突っ込まれそうですがw)
白鷺は生まれつき片足が不自由ということで、仕込み杖も登場。
こういういかにも時代劇してる部分も好きですねぇ。
足の不自由な男の背負う哀愁も、たまらなく好きな男臭さのひとつですし。
とにかく、設定は全部イイ!!ストーリーも一話完結時代劇仕様で面白いです。
ただ――
漫画って、結局のところ絵の好き嫌いに致命的に左右されちゃうんですよね。
現代物の作品では新井さんの絵が苦手とは感じてなかったんですが、時代物になるとかなり独特のクセが出てくる感じ。私はそのクセの部分と相性が良くなかったようです。
う~ん・・・
とは言え、絵の部分でも、鴉の褌姿など、要所要所で私の萌えツボをことごとく押えてる作品なんですけどね。。。
褌は断然攻めより受け。あああ~なんて分かってらっしゃるでしょ新井さん!
評価、これでいいのかと迷いつつ・・・萌ですみません<(_ _)>
着流し姿特有の色気は充分に感じられますが、時代劇としての印象は少し薄く感じられました。
良いとこどりで新井さんらしいヤラしいニンマリが沢山。
しかし、もっと掘り下げて欲しいと思うところはあっさりバッサリ。
飄々としてる白鷺の背景も、無愛想で不器用な鴉の背景も、ほんの少しなのが心残りです。
鴉がもっとイライラしてもいいような気もしますが、なんだかんだと居心地の良さが伝わってくる2人のやりとりが見ていて飽きません。
白鷺が鴉に惹かれた理由。
鴉が孤独に怯えた理由。
想像でしか当てはめられないのがもどかしく、後少し確かなものが欲しくなります。
まだまだ描きたい事がある。
その言葉を頼りにこれからの日々、それぞれの過去、暗闇から光を感じるような幸せを見てみたくなります。