条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
最低で最高の音を聴かせて。
hai to ballade
はじめて読む作家さんでしたが、すごく良かったです。
表紙の絵の繊細な色使いがとても好みだったので手にとりました。
収録されてる4話、全てのお話がプラトニックで、二人の気持ちが通じ合ったかな〜?ってところで終わっています。続きが見たいし気になるけど、あえてここで終わらせてるのがいいのかもしれません。読み終わった後に余韻がすごく残ります。
エロがっつりのBLを読んでいると、ときどきこういうふわっとした優しい感じの作品が読みたくなります。そういう気分のときにぴったりの作品です。かといって、いわゆる雰囲気BLとはぜんぜん違いますよ。お話の展開もちゃんとしてておもしろかったです。
以下、特に気に入った作品の感想です。
イヤホンを擬人化しているお話「あまいノイズ」。他の方も書かれていましたが、すごくかわいい!ミニチュアの人型イヤホン本体は、主人のポケットに入って毎日一緒に会社に行くのです。家では、食パンにジャムを塗って出してくれたりとかいがいしい。一瞬だけある理由で体が大きくなって、主人と抱き合ってちゅーするのか!?ってところで、すぐに元のサイズ戻ってしまって未遂に終わったりと、まあ、BL的な要素はすごく控え目なんですが、きゅんっときました。
「泡沫人」学生と代筆業を営む男の話し。戦後という時代設定もあるのでしょうが、草間さかえさんの「やぎさん郵便」を彷彿とさせます。絵の雰囲気も似てるかな。この作者さんの特徴なのかもしれませんが、戦後の設定も、あまり暗い描かれ方はしていません。テーマの割に、全体に淡々としている感じ。でも、あっさりしているようで、じわじわ来るのです。
なんだか抽象的すぎる感想になってしまいました。すみません(焦)
上記の2つのお話しは、巻末にその後が4コマで描かれてます。そちらもものすごーく控え目ですが、ちゃんとラブがあってきゅんっときましたよ。
コミックスはまだ2冊しか出されてない作家さんのようですが、これからもすごく期待したいです。もう一冊も読んでみたいと思います。
珠玉の短篇集です。
エロは少ないんですが、萌えました!
ストーリーのひとつひとつが抑揚が有り、
切なかったり、甘かったり、悲しかったり……です。
心を揺り動かされる作品ばかりです。
デビュー作とは思えない、この完成度……!
侮れません!
ひとつひとつオススメしてたら
めっちゃ長くなってしまいそうなので、
一番心に残った作品だけレビューします。
-------------------
●「あまいノイズ」
超多忙な働くサラリーマンが橘(攻め)。
電車に乗ったりするちょっとした合間に聴く「音楽」が
唯一の癒やしです。
ふと、店でワイヤレスイヤホンを購入した橘。
しかし、あまりに不快な音が聞こえてくるイヤホンに驚き、
中を開けると、なんと中から
小さな手のひらサイズの少年が出てくるのです。
しかもその少年は自我を持っていました。
後に「ミツオ」(受け)と名付けられる少年がね、
あまりにカワイイんですよ!!
プラグがしっぽのように腰とお尻の中間のところで
まるで尻尾のように刺さってます。
そこからコードがビヨーンと……
「お買い上げどうも。
よろしくな」
と、タジタジしながらいうところからもう萌える!!
ミツオはイヤホンの中枢部という設定なのですが、
こんな可愛いイヤホンがあっていいものか!!(笑)
しかし、ミツオはいつも返品されてばかり。
それはあまりに編曲の仕方が下手だからなのです。
ここで橘の手のひらの上で、ションボリうなだれるミツオ。
うおお、可愛すぎて萌えるー!
橘は「あまりに編曲が下手」と
面と向かって言うことが出来ず、「個性的だ」と言ってしまい、
ミツオを使い続けることになります。
ここでのミツオの喜びっぷりがまた良い!
ミツオの手のひらから、ぴよーんと飛び上がって、
虫のように橘の顔にぺたっと抱きつくのです。
うおお、こんな可愛いことされたら、
絶対お買い上げしちゃう!><
ミツオというイヤホン少年には、当然意志があり、
それがそのまま曲調と直結してきます。
機嫌が悪ければ、その状態が音楽に反映されるのです。
ある日、上司に八つ当たりをされた橘。
それを怒らない橘に相反して、ミツオは上司に腹を立てて
橘のポケットから飛び出して上司に文句を言おうとします。
代わりに怒ってくれるなんて、健気だなぁ…。
そんな橘を励まそうと、音楽を聴かそうとするミツオ。
いつもどおり編曲は下手なのですが、
どこか暖かくて優しさのある音楽に、橘は癒やされていきます。
企業戦士である橘が働きに出るときは
スーツの胸ポケットにいるミツオ。
家では、夜食を作ってくれたりするミツオ。
ふたりはいつのまにか
奇妙な共同生活を一緒にすることになっていました。
うう、
こんなに喜怒哀楽の激しいミツオ少年を側における橘も
心が広いのかも…
とか思ってしまいました。
ある日、外出していると土砂降りの雨にあう橘。
急にイヤホンの音が途切れます。
胸ポケットを見てみると、そこにはぐったりしたミツオの姿。
精密機械であるミツオは水に触れれば
壊れる可能性があったのです。
ここでの橘の慌てふためきようと言ったら……!
ああ、もう企業戦士とは思えないほどの狼狽ぶり。
ミツオの服を全て脱がし、
タオルでくるみ、水気を取っていきます。
全く意識のないミツオの姿に、橘の焦りは募ります。
「頼む、目を開けてくれ」
という橘の悲壮な声……。
胸がぎゅっとなるシーンでした。
そして、ミツオが意識を取り戻した時、
安堵して涙を流してしまう橘……。
しかし、人間の涙に触れた途端、
ミツオの体が、人間サイズの体に!
人間の涙に触れると、一時的に大きくなってしまうという
ミツオの特性があったのでした。
そして、ここでミツオが
「あんまりじっと見るなよ」と
照れ出します。
ああ、もうミツオ可愛い!!
そりゃあ、人間サイズになれたのも初めてで、
素っ裸を橘に見られているわけですから、
恥ずかしいでしょうけど、もうこの照れてる姿が
可愛くてたまりません!
そして、無意識の内に橘はミツオに
キスをしようとします。
しかし!
直前でミツオは元のサイズに戻ってしまいます。
ああああ!
めっちゃ惜しい!
それから、ミツオは相変わらず下手な編曲の中にも
うっとりとするような音色を橘に届けるように
なりました……。
と、
いうところで物語は終わりなのですが…
エッチするときって、ふたりはどうするんでしょうね…?
一時的にしか大きくなれないのだから、
エッチの途中で元のサイズに戻ったら大変だから、
橘が大量に涙をためておいて、
エッチの途中で少しずつかけていくとか…?
それとも橘がエッチの最中にずっと泣いておく!(爆笑)
あと、ミツオは多分初めてなので慣らすのも必要かと…。
ジェルとかゼリーとか使っちゃ駄目なんですかね?
ハンドクリームとか?(笑)
-------------------
短い話でしたが、本当に印象に残りました。
他の短編も紹介できないのが残念です。
(省略する文章力がなくて申し訳ないッス)
是非とも読んで欲しい一冊ですね。
全体的にHシーンもなく、また恋愛未満な作品もいくつかあり、何処か暖かさを感じる作風でBL初心者の方にお勧めできるような一冊です。また、今回がデビュー作とは思えないほど、どの話もまとまっていて読了感もよい印象です。
「あまいノイズ」
サラリーマンの主人公とその主人公の買ったイヤホンの擬人化ミツオくんのお話です。とにかく主人公のためにとぴょこぴょこ飛び跳ね健気に頑張るミツオくんが可愛いこの作品。
まだ恋愛未満なのですが、人間の涙で人間と同じ大きさに変化するという美味しい設定もあるので是非続きがみたいところ。
オマケの4コマもミツオくんの可愛さが溢れていました。
「日常ランペイジ」
個人的にとても好みの受けキャラだったこの作品。
大人の落ち着きのある主人公と田舎で育った純粋培養の優希が正反対なんですけどとても良いカップルでした。
とはいってもこちらも恋愛未満な作品だったので、是非続きがみたいところ。
表題作は谷さんお得意のファンタジーもので可愛らしいです。
BL未満なのも御愛嬌といった感じですが
やっぱり音楽って生活に潤いを与えてくれるものですよね。
『鈍色ノスタルジー』和服の似合う元教師と明るく健気な元教え子の恋、シリアスめで切なさもありました。
『日常ランペイジ』在宅デザイナーと屈託のない家政夫、これから賑やかになりそうで楽しかったです。
もしかしたら谷さんの作品で一番好きかもしれない『泡沫人』。
ワケありの代筆屋と誠実な学生の恋物語ですが、
戦後という時代も感じさせ、雰囲気が素敵なのです。
最初は字に惹かれ、大人で綺麗な顔立ちの“ヨヒツ”さんへ会いに行く度にその人そのものにも惹かれてしまう梶くん、聡明さもあってとても好印象です。
自身の両親を亡くした悲しみも受け入れられたのは
ヨヒツさんと出会えて毎日に輝きが戻ったから。
ヨヒツさんも、愛を知らずに生きてきたけど梶くんに救われて
もしかしたら本当の名前も梶くんに教えてあげるかもしれませんね。
いつまでもあだ名みたいじゃ可哀想なので。
余韻の残るラストなのに、描き下ろしがあまり甘くなくて笑ってしまいました。
でも本当の最後の1ページはうっとりです。
もう勘弁してくれっていうくらい梶くんに愛されて欲しいな。
ストレス社会に生きる主人公とイヤホンの日常を描いた表題作が可愛かったです。
ほかに爽やかタイプやしっとりタイプ等、毛色の異なる短編が3編。
同時収録の3編は、台詞による説明が多すぎて想いを巡らせる余裕がなかったのが少し残念でした。惹き込まれるような表情や「間」がたくさんあって雰囲気はとても良かったので、次回作も期待大!です。
◆『あまいノイズ』
イヤホンを買ったら中に小人が入っていた―。彼はどうやらイヤホンの中枢…らしい。
細かい事はさておき、ミツオと名付けられた彼がとにかく可愛かったです。編曲下手なミツオが主人公のためにいい曲を聴かせたいと頑張る健気さ、小さなカラダでぴょんぴょん跳ねまわる姿の愛らしさ。
まだ色気などはなくBL展開には至りませんでしたが、ミツオが人間サイズになれる設定が出て来た時点で2人の関係がプラトニックなものでは終わらないと解釈してもよろしいのだと思いました。
2人が恋に落ちる瞬間、意識し始めてドキドキな日常、Hするためには主人公が泣き続けなければいけないのか? 等々、今後の2人がとても気になります!
◆『鈍色ノスタルジー』
妻を亡くした元教師と教え子の話。ずっと慕っていた笹川の想い。先生の本心。
先生の感情は簡単に決着がつくものではないと思うので、ラストの笹川の台詞は急ぎ足な気がしました。2人のこれからを、ゆっくり歩いて行ってもらいたいです。
◆『日常ランペイジ』
デザイナー×家政夫(学生バイト)。2人の関係が変化する少し前の話。
優希の純粋さやおばあちゃんが倒れたと聞いた時の慌て方が子どもっぽすぎてムラムラしませんでした。
◆『泡沫人』
戦後間もない日本を舞台にした、荒削りな学生と儚げな代筆屋の物語。
学生である梶の気持ちが少しずつ動いていく前半の雰囲気が良かったのですが、ラストは強引な印象を受けました。描き下ろしの代筆屋と学生らしいほのぼの後日談のほうに萌えたので、答えが出ないままでも良かった気がします。
■感想
本作に収録されているタイトルを以下に記載します。
・あまいノイズ
・鈍色ノスタルジー 上、下
・日常ランペイジ
・泡沫人 前、後編
収録されている4作品全て、時代背景やシチュエーションが異なる異色の一冊です。
しかしながら、一冊読み終わってみると不思議なことに「どこか切ない」という共通の感想が頭をよぎります。
ストーリーはどれも個性的で、要所々々に「えっ!?」と思わせる表現もあり、読者を飽きさせません。
強いて言うなら、キャラクターの表情がもう少し豊かに描写されていれば、より楽しめたと思います。
少し癖があり、読む人を選ぶ作品と判断したため、評価を「萌」とさせて頂きます。
◾︎あまいノイズ
谷カオル先生、こちらのデビューコミックスから方向性ぶれてないんですね。イヤホン擬人化ってなかなか見ない。かつて擬人化モノが流行っていた頃もありましたが、2014年ならギリギリ範囲かな?いや、ちょっと遅いかな?
描き下ろし4コマを見ると、一層BLを感じない!可愛いけど笑
◾︎鈍色ノスタルジー
未亡人もの!小谷先生にもっと色気があるとよかったな。なんせ未亡人。谷カオル先生が左右どちらのつもりで描いてらしたかにもよりますが。
◾︎泡沫人
この単行本の中で一番好きです。鈍色ノスタルジーでは感じきれなかった色気がこちらの作品にはある!
表題作を含む、4編から成る短編集です。
全てプラトニックであり、中にはB Lかな?と思うものもありました。
しかさ、萌えるんです。
この内容でエロがあったら、逆に萎えるかもしれません。
この短編集には、ここまででいい!そう思わせるストーリーがあります。
特に気に入ったのは、表題作の『灰とバラード』
イヤホンが擬人化して登場するというファンタジーです。
勝手に編曲したり、無理に勧めてきたり、イヤホンとしての働きはいまいち…
しかし、感情や意思をもち、イヤホンの気持ちに曲が影響されるのが、とても可愛い。
言葉にしなくても伝わっちゃうんです。
320(ミツオ)と名付けられて、ダサいといいながら嬉しさで音が跳ねるところが好きでした。
他の作品も、ほっこり心が温かくなる良作揃いです。
時にはこういうB Lもいいなぁと感じました。