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sikyuujishaku no housoku
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
初田さん(現:鹿乃しうこさん)の初期作品集です。
私がBLを読み始めたのは2008年以降なので、この作品が描かれた時代のBL界の流行は分からないのですが、今読んでも十分面白いと思いました。
表題作シリーズはほとんどのお話が同人誌からの再録なんですが、嵯峨雅和という男の中学生時代から30才までの人生の遍歴が描かれています。
母親が水商売をしていて、かなり家庭内で問題があるのですが、到底普通の神経では生きていけないであろう主人公が、様々な人と出会って、少し人間らしく成長していくという過程がじっくりと描かれていました。
多感な思春期にトラウマになりそうな体験を結構しているのですが、郁夫という6歳年下の少年と出会ったことで大切なものを得ます。
郁夫も育ってきた環境が結構過酷で孤独な子だったのですが、お互いが大切になっていくことで、お互い癒されたんだろうなと思いました。
ゆっくりとですがジワッとくる作品でした。
同時収録の作品も少しダークな所がある作品。
高校生の同級生モノですが、こちらもちょっと切ない。
今の鹿乃さんの絵柄・作風とはかなり違いますが、この頃からしっかりした作品を書かれてたんだなぁと納得。
あ、あと書き忘れましたが、女性との関係もバシバシ出てきます(具体的な絡みシーンはありませんが)。近親要素もありますので、そういうのが苦手な方は注意かなと思います。
鹿乃しうこ先生が初田しうことして描いたデビューコミックス。表紙を見ただけでは一見「鹿乃しうこ先生?」とわからないかもしれません。今とは違う線の細い絵柄と柔らかな色、JUNEですよ!『永久磁石の法則』なんてタイトルもJUNEって感じです。
6つの短編集ですが、『水曜日には海に還ろう』からの5作品は同じ主人公の物語で、↓でfiona0109さまが素敵なレビューを書かれているので、私は漫画家デビュー作の『平成バタフライボーイズ』についてレビューします。
東野圭吾さんの『白夜行』を読んだ時もドラマを見たときも、なんか似たような場面を見たことがあるなぁとずっと考えていました。主人公がお金の為に売春の斡旋をするというシーンです。この作品を読み返してみて、『白夜行』の主人公と同級生の男同士の、奇妙な友情がとても印象に残ったのは、この作品が頭の片隅にあったからなのかな?と思いました。『白夜行』は同性愛の話じゃないし、彼等の間にそれっぽいこともなかったけれど、二人の関係性がとても似ています。『平成バタフライボーイズ』も仄暗い作品ですが、二人が体を繋げたことで光のさす終りになっています。『白夜行』の彼らが繋がったのは遺体を通してでした。ドラマで二次萌えなんてまったくしていなかった頃なのに、自分でも気付かずに萌えていたのかもしれません^^;
巻末に4ページの『The欲望犬』~こんな犬と暮らしてます~という飼い犬のエルビスのお話が収録されています。興味のない方は全力でスルーなさるのでしょうが、犬好きの私は昔からしうこ先生のわんこ漫画が大好きです。デビューコミックスから描かれていたんだなーと感慨深いです!
私、Juneコミックスの「現物」を初めて手にしました。
驚いたことに、このコミックはまだ新品の在庫があるのですね。
商業デビュー作の「平成バタフライボーイズ」と、同じ頃(1992〜1993)に同人誌で発表されていた表題シリーズ5編を収録した、現・鹿乃しうこさんのデビューコミックです。
1992年と言ったら「平成」が始まって3年目。“バブル崩壊前夜”といったあたりの時代ですかね。
暗いだけではないものの、全体を通して湿った暗さのまとわりつく1冊でした。
デビュー作の「平成バタフライボーイズ」は、当時の時代背景がガッツリと感じられる作品でした。
中高生がポケベルをこぞって持ち始め、親に知られず友達や恋人と連絡が取れるようになった時代。
そんな時代にウリをやって刹那的に生きてる“イマドキ高校生”達のお話。24頁の短編です。
バタフライってのは所謂「夜の蝶」的な意味でいいのかな?
今のしうこキャラのようなバキバキの腹筋はなくとも、男の色気を描くのがやはり上手いです。
残りのページは、表題シリーズの短編集。全5編。
大阪弁で描かれた作品です。
「水曜日には海に還ろう」…嵯峨と郁夫の若かりし頃のお話。郁夫視点。
「Blue Blue Rosy Days」…嵯峨の高校時代のお話。不破視点。
「Profile」…嵯峨の中学時代のお話。嵯峨視点。
「無傷の朝に…」…「水曜日には海に還ろう」の少し後のお話。郁夫視点。
「永久磁石の法則」…大人になった郁夫と嵯峨のお話。郁夫視点。
爛れた生活の鬱憤を加虐の性癖で紛らわせて自分を保っていた〔嵯峨〕が〔郁夫〕を拾って二人で生活していく中で、嵯峨個人と郁夫個人と二人の関係性が少しずつ変わっていくさまを描いたお話です。
暗いけれど、読み終わった後に心がじんわりとするようなお話でした。
「守られている時代は終わった」
郁夫のこの一言がカッコいい。
そして、デビューコミックから既にあった4頁のワンコ漫画。
どちらかというとニャンコを飼ってらっしゃる作家さんが多い中、しうこさんのワンコ漫画は犬派の私には嬉しいオマケです。
しうこさんの溺愛しながらも冷静なワンコ分析が好き。笑
癒やしのコーナーです♪