銀座カクテル恋慕譚

ginza cocktail renbtan

銀座カクテル恋慕譚
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神4
  • 萌×211
  • 萌7
  • 中立5
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
11
得点
90
評価数
30
平均
3.3 / 5
神率
13.3%
著者
梅松町江 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックスDX
発売日
価格
¥629(税抜)  
ISBN
9784799715185

あらすじ

昭和28年、ここは花の都・東京銀座。バーキネマには今宵も洒脱な男達が集う。大企業の御曹司・宝井君は、大学生活の傍ら道楽でボーイのアルバイトを始めた。仕事を教えてくれる厳しい先輩・キツネさんは、妙に男を惹きつける色気で、客の口説き文句をさらりとかわす。飄々とした風情に反して、キツネさんは一途な恋心を秘めていた。意中の相手を見つめる眼差しに、宝井君は苛立ちを隠せず、キツネさんを押し倒してしまい――。
バーを舞台に醒めることのない、惑乱の恋が始まる。

表題作銀座カクテル恋慕譚

社長の御曹司、大学生、22歳
バーキネマのバーテンダー、31歳

同時収録作品溺れるわからずや

同時収録作品キツネさんの贅沢(描き下ろし)

同時収録作品僕とキツネさんを阻むアレ

その他の収録作品

  • 僕とキツネさんを阻むアレ
  • キツネさんの贅沢(描き下ろし)
  • あとがき
  • カバー下

レビュー投稿数11

キツネさんの啖呵がかっこいい

レトロ的な昭和28年の銀座が舞台の物語。

第二次世界大戦終戦が昭和20年。そこから8年後の銀座のカクテルバーを舞台とした、すごくレトロでかなり切ない恋物語…
私なんかは昭和中期の生まれなんで、この辺の時代背景は「すごくレトロ」と言うより「ちょっとレトロ」ですが、そんな私でも普通聞かない言い回しが多用されていて、時代の空気が良く出ているなぁと感心しました。
先輩ボーイでバーテンダーのキツネさんの、「科」(しな)っていうのかな…いまどき「しな」って死語なのかな、婀娜っぽい仕草や言葉遣いが何とも言えずいいですね。
ボーイのバイトを道楽気分でしている金持ちのお坊ちゃんをいなす場面や。
そのお坊ちゃんがキツネさんの秘めた心を知って放っておけなくなっていく様や。
お坊ちゃんの熱意にほだされつつも、身分の差を思い知ってフェイドアウトしようとする哀しさや。
それらが、花言葉ならぬ「カクテル言葉」を絡めつつ描かれるお洒落さ。
いや、お洒落なんて一言で言っちゃいけない。「身分違い」がリアルに恋を引き裂いていた時代の、まして同性との恋の物語として胸にしみてきます。
キツネさんとの恋を通じてグッと大人になるお坊ちゃんの成長譚としても読める物語です。

「溺れるわからずや」
幼馴染もの。
幼い頃は小さくて泣き虫で守ってやったアイツは、今や背も伸びて俺より成績でも何でも上回ってる…
タマはそんなカメが鬱陶しくて、嫉ましくて、でもカメは変わらず懐いてきて。
カメはタマの事が好き。タマは鈍感で気付かない。でも……という幼馴染ものの王道。わかっていてもキュンとしますね。

「キツネさんの贅沢」
「僕とキツネさんを阻むアレ」
一緒に住むようになった2人。キツネさんは可愛らし〜くなりました。生活時間のすれ違いで、家庭内文通をする2人です。宝井の手紙に口づけるキツネさん!

1

もうちょいセピア色っぽさが欲しいけど、楽しめます

時代は戦後、そして銀座にあるバーを舞台にしたお話です。
狐塚という名前から「キツネ」と呼ばれるバーテンと、大きな会社の後継でありながら道楽のためにボーイ見習いなんかを始めたぼんぼんの宝井。

男であるキツネ相手に熱心に口説く客の存在を知り、男色趣味なんて気味悪い…と思いつつもどこか艶っぽいキツネから目が離せない宝井。
最初は取り澄ましたやつだと思っていたけど店のオーナーにひっそりと恋をしているキツネの健気なところを知って、宝井はその気持ちを自分に向けさせたくなります。

自分のことは戦友としか思っておらず妻子を愛するオーナー相手に思いを遂げようなんて気はないけれど、オーナーに対する気持ちが溢れてしまうキツネ。
人様の男に恋慕を抱く自分が浅ましいと恥じ入る彼が宝井の胸を借りて「ちくしょうが…愛してましたよ。」と吐露するシーンが好きです。

「どうぞおあがんなさい。」「ごめん被りますよ。」のような言い回しを、艶っぽいキツネが言うと独特のしなを感じていいなと思いました。
そして激昂するとべらんめぇ口調になるところも普段との落差があって良かった。

バーで働く二人なので、お酒・カクテル言葉で気持ちをやり取りするシーンが幾つかあります。
特に、一杯奢りますよといってキツネがシェリー酒を宝井にスッと差し出すシーンが粋だなと思いました。
シェリー酒の意味は「今夜は全てを捧げる」で、はにかむキツネの表情が何とも良かったです。

ただなんというか戦後の昭和の香りというか、セピア色っぽさが少し足りなかったので作品に酔いしれるまでに至らないところが残念だと思いました。
どうやったらレトロ感に満ちるのかはわからないけれど、時代を感じさせる背景とか小道具とかをもっと作中に散りばめて欲しかったかも…。

そして時折キツネがするニンマリ顔が、雲田さんが描く顔(V→こういう口の)と思いっきり重なりまして、梅松さん作品から雲田さんを感じたことは一度もなかったのだけど一度気になってしまうと、雲田さんがちらつきました。ああいうV口の梅松さん作品、他では一度も見かけたことがない気がするんだけどなぁ…

描き下ろしはとても良かったです。
一緒に住むことになりながらも、卒論に追われる宝井と夜働くキツネはなかなか顔を会わせることができず、宝井がキツネ宛に手紙を送ります。
この手紙を大事そうにするキツネの顔、そしてようやく迎えた休日の過ごし方。キツネかわいい……!!
カバー下にも二人の何気ないけれど、お互い大切に思っていることが伝わっている手紙のやり取りが収録されていて、胸がほわっとなります。

同時収録作の【溺れるわからずや】は幼馴染ものです、
昔はチビでノロマだったカメが、自分よりも体格も成績もなにから何まで上回るようになった事が面白くなくて何かと張り合うたま。
このたまがめんどくさいとしか言いようがないキャラ。

水泳部のエースであるカメに、勝ったら俺の言うことを聞け、その代わりカメが勝ったらお前の言うこと聞いてやるからと条件つきで勝負を申し込みます。
当然、あっさり負けてしまうたま。
そして勝者となったカメのお願いはなんだろう、カメもたまのことが好きなので、たまちゃんにキスしたいとか、付き合いたいとかそういうやつかなぁ〜と予想しつつページをめくると…

「たまちゃんの言うことなんでも聞きたい。」
「俺ができる事なんでもする 言って。」

きゃーーー!!
カメ、男らしくてかっこよくて優しいやつだなぁとこのセリフにキュンキュンきたーー!!

だけど、タマのどこがいいのか最後までわからなかった…

2

キツネ萌え!!

私がこの本を借りたのは2015年の事。
BLを読み始めて半年くらいたったころなのでまだ沼には入ってなく、まだまだBLってエロ必須だぜ!と思っていた頃。

なので、なぜこんな渋い作品を買ったのか思い出せないのですが、今、2018年の私はガッツポーズ!
あの時の自分に
「YOU、なかなか良い趣味してんじゃん」
と言ってあげたい。
こういう地味目の作品ってランキングやレビューが集まりにくいですもんね。

私も電子書籍を整理して見つけ久々に読み返したんです。思い出してよかったぁー。
ここ一、二年の過激エロに辟易してたので本当に本作にうれしかった。

ただ、宝井くんの思いがやっと通じた後のエロなのでたった3ページだろうが修正バッチリだろうが本当にエロチック。

ま、その前にキツネさんの存在そのものがエロチックなんですけど。
どのコマ、どの表情、どのセリフどれをとっても可愛くて、キュートで色っぽい。そして時々べらんめぇ。作品中では宝井くんと常連さんの2人だけでしたがそこかしこでノンケ殺ししてるんでしょう。

キツネさんのVの字の口のデフォルメかわいいなぁと思ってたら何人かのレビュアーさんが
「雲田はるこ先生」に似てるとご指摘されて、そこがイイという方や、真似しんぼじゃない?という方もあったのですが、私は、
「あ、それもそうだなぁ。でも真似しんぼでもなんでも本作のキツネさんが好き過ぎて、どっちでもいいや」
と深く考えるのを放棄してしまいました。

もう、私というノンケ?まで殺しにかかってるな、キツネさん!です。

2

昭和の時代の香りが溢れるBL

梅松町江さんのどこか古風で味わいのある絵が好きです。
この作品は雰囲気と画風がぴったりはまっていて本当に素敵でした。
雲田はるこさんが好きな方は気に入っていただけるんじゃないかなと思います。

表題作+短編が収録されています。
表題作は昭和28年の銀座のカクテルバーが舞台になっています。
大きな会社を経営する家柄の大学生・宝井とバーテンダー・キツネさんの話。
キツネさんが妖艶です。身のこなし、目つき、腰のラインが艶っぽくて、怒ると江戸っ子ばりばりの口調になるのも「姐さん!」という感じでいなせ。「昭和元禄落語心中」の八雲師匠を感じさせる佇まいの美しさがあります。
おぼっちゃまの宝井は最初こそいい加減な気持ちで「社会見学」のようなスタンスでボーイの仕事をしていますが、キツネさんが店にかける思いを知って成長していくうちにキツネさんへの思いも変化して…という感じです。
キツネさんとオーナーのつながりと想い、それにキツネさんの過去、宝井の家の事情など時代ならではのエピソードも興味深いですが、やはりキツネさんのキップの良さが一番の魅力。潔く思い切ったら貫く姿勢もカッコいい。
描き下ろしはキツネさんの可愛い面も覗けます。カバー裏のお互いへのメモも素敵。
キツネさんの魅力がベースになって成り立っている作品なので、キツネさんにハマったら絶対に楽しめると思います。

短編は小さい頃は自分についてくるだけだった幼馴染が、高校生になってどんどん自分を追い越していく状況に、どんなに頑張っても追いつけなくて置いていかれる歯痒さを感じる高校生の話でした。
主人公が虚勢と強がりでツンツンしすぎているので、この子を可愛いと思えるかどうかがポイントになりそうです。
ツンツン嫌いのわたしはちょっと…でした。

2

ギャップ萌え

昭和が舞台の話好きです。

梅松町江先生の独特なイラストも素敵です。

従軍していた中隊で知り合ったオーナーに片想い中の31歳のキツネさん。
軍で知り合って妻子持ちの彼に恋い焦がれてるってのが切なくて萌えます。

カクテルにも花言葉のようなカクテル言葉があるのって面白いですね。

酔っぱらったキツネさんも可愛いかった。
ギャップ萌え。

描き下ろしの「キツネさんの贅沢」
キツネさんが可愛い過ぎました。

室井くんをじっとみつめてるのとか手紙にキスしてるのとか。

0

カクテル言葉ってやっぱり色っぽいですね!

バーの恋愛話は本当にたまらんです。
花言葉ならぬカクテル言葉だなんて色っぽ過ぎますし!!
昭和28年は私の母がまだ小学生に上がる頃のお話…。
なんか感慨深いですw

大企業の御曹司で大学生の宝井は、
ただの道楽で“バーキネマ”のバイトを始めました。
狐塚という先輩バーテンに厳しく指導されながら
酒と大人の駆け引きを日々目の当たりにします。
常連客の住友という軽い男が夜な夜なキツネさんを口説きますが
やんわり断り続けるキツネさん。
でも彼が男性しか愛せない事を告げられ
ノンケの宝井は戸惑いますが……。

お客様の前ではしれっとしてるキツネさんが
宝井の甘い考えにご立腹でキツイ言葉を投げる姿は男前でしたw
やはり昔は現在よりも制限されていたようですので
“男色家”なんて言葉で片付けられて
さぞ生きづらかっただろうな、キツネさん…とつい思ってしまいました。
その上、店の妻子あるオーナーを想い続けて
奥様が店に訪れた時の打ちのめされた姿といったら!
胸が締め付けられました…。
オーナーの言動に一喜一憂して、片恋ってホントしんどい!
健気なキツネさんが愛しくなって
ぼっちゃんとは言えなかなか積極的にアタックする宝井は
今の草食系男子より行動力があると思いますw

宝井の親の決めた結婚相手がまた良い塩梅の当て馬で
そうそう、ある意味ナイスアシストってほくそ笑んでしまいました。

22歳のぼっちゃんがワケありな31歳になる男に惹かれてゆく姿は
どうにも愛おしかったです!
凛とした人の見せた弱い面なんて好きになっちゃうよ!
キツネさんもね、優しい宝井に絆されて当然ですよ…。
一度は縮んだ二人の距離だったのに、
家のせいで突き離そうとするキツネさんがまた潔いというか。
カクテルで気持ちのお返事をするって憧れる!!www

『溺れるわからずや』
小学3年からの友人(ライバル?)の読切りです。
昔はノロマな亀(これを聞くとすぐさま堀ち○みさんを思い出す私)
だった亀井戸に
今では努力しても全てにおいて勝てない多摩の
憤りつつもやっぱり好きだ!のお話。
ツンデレな多摩くんは何でも出来るカメに溺愛されて
もう万事OKじゃんって感じでしたが
夢でどれだけ泳いでもカメに届かない心理が切なかったな。
でもツンすぎて、カメを思いやる気持ちがなかったのは
余裕が無かったからかな??

“きゅん!”とか“ふふっ”とか“ほわ~”とかあるのに
どうしても勿体無いと思ってしまうのは
背景の描き込みが少ないこと…!!
細かい事を気にして大変申し訳ないんですが
せっかく素敵なお話を描いて下さるのに…ってなってしまいます。
生意気言ってすみません;

3

こっ…この雰囲気は…!?

■表題作【銀座カクテル】
冒頭一発目、
『お初にお目にかかります。宝井と申します』
このセリフ。

この口調と、キャラの雰囲気と、レトロな時代背景とで、
こういうのは雲田○るこ先生がやるとハマる感じがするなぁ…、
と思ってしまいました。

何の他意もないです。
ただ、梅松さんが狙ってるこの方向性は、
昭和○禄落語心中的なレトロ感や掛け合いの妙というか、
そういう雰囲気をまとっていたので、何となく思っただけです。

まぁあんまりこういう事は言っちゃあいけないのかもしれないですが、
たま~にあるんですよね、
この題材なら○○先生に描いてみて欲しかったな、みたいなね。
何となし失礼っぽいので大きな声じゃぁ言えませんがね。

表題作の雰囲気は好きな感じなんですけどねぇ…
なんででしょうかね~、
梅松さん、もう少しで自分の中でブレイクしそうなのに、
今回もブレイクならず。
でもなぜかいつもキそうな感じがして読んでしまう作家さんです。

個人的には梅松さんの描く内容の「華」や「毒気」のバランスが
自分の好きなバランスじゃないんだろうなと感じます。

あまりきつくない、
ゆるやかな話ももちろん好きなんですが、
その中に華でも毒でも良いので、
何かメリハリの効いた展開があると、
一歩進んで好きになれそうなんだけどな、
と思ったりします。

うん、雰囲気は嫌いじゃぁなかったですよ。


そして同時収録作品は高校生×高校生のお話が入っていました。
こちらは主人公がキスしてきた相手に対して「気持ち悪い」
と言っておきながら相手が避け始めると「なぜ無視するんだ」
とキレるという、
自分勝手な言動がちと微妙でした。

1

身分違いの恋

舞台は昭和28年。
「昭和」「バーのボーイ」「東京銀座」という単語にビビビとアンテナが反応しまして。
ただ、作者のあとがきにもあったように、あまり昭和という時代背景を活かしきれてなかったかな……と。
GHQや横須賀、従軍にカミカゼに相撲中継と、端々に戦後を伺わせる単語もでてきたのですが……
話の内容も然り、全体的にちょいと薄味だったかな…
キツネさんの言い回しは素敵です。

2

魅力的な設定だが。

戦後のバーというのは、それだけで魅力的な設定……
装丁も雰囲気があって期待出来るかな……?
と読んでみたのですが、正直生かしきれていない感じが残念だった。

        □   ■   □   ■

舞台は昭和28年、TV放送元年、戦争の傷跡を残しつつも
戦後かなり復興が進んで世の中が明るさを取り戻していた時代。

世間知らずの御曹司である大学生・宝井は、
物見遊山気分で銀座のバーキネマでアルバイトを始める。
そこで出会ったバーテンダー、キツネこと狐塚氏。
若く見えても、実は時代の荒波をくぐり抜けてきた31歳。


家族を大事にしているオーナーや、キツネさんを口説く常連などに彩られ
銀座の夜は更けて行く……


話は王道。
アマチャンのお坊ちゃんにキツネさんが怒る場面や、
そのキツネさんの秘めたる思い、などが描かれながら話は進み
キツネさんに惹かれる宝井を躱しながらいつしか彼も宝井に……
身分違いや家族の反対、御曹司の婚約者などの障害を越えて
二人はまとまる。

王道は侮りがたしなのだが、
最大の問題は、レトロな時代の雰囲気が描ききれていないこと。
話もこぎれいに小さくまとまった感があり。

それから、雲田はるこさんとよく似た絵も、嫌いではないのだが
似て非なる……、あの独特の雰囲気を持ち合わせていない分だけ
精緻じゃないのが気になってしまう。

ということで、評価は期待が大きかっただけに辛めに中立で。
何が悪いという訳ではないのだけれどね。

3

年の差あり、身分違い。

 独特のストーリーは面白いけど絵が好みじゃないなぁ~と思っていた作家さんでしたが、今回は見事に絵柄がハマっていて素敵でした。やんちゃだけど一本筋が通った昭和男子の魅力を最大限に堪能。神寄りの萌え×2です!

 戦後の東京・銀座のバーが舞台。バイトの御曹司と先輩バーテンダーのお話です。しっとりお洒落な雰囲気を想像していましたが、予想外に感情を揺さぶられました。
年の差あり、身分違いな2人の小粋な会話が楽しく、せつなく、もどかしく。
カクテルに絡めたストーリーが心にしみます。

 「道楽」でボーイのアルバイトを始めた御曹司の宝井、22才。先輩のキツネさんは、妻子持ちの親友に長年片想いしている31才。
 年下攻めの何が好きかというと、生意気で世間知らずな攻めが年上の男に惚れこんで、追いつきたい一心で頑張る姿が好きです。私が理想と掲げる年上受けは男として尊敬できる存在であり、難攻不落っぽい構えが見える人、余裕ぶった年下攻めに簡単に喘がされない人、なのですが。
 その点、キツネさんはまさに理想の年上受けでした! つれないかと思えばひょいと隙を見せ、思わせぶりな事をしたかと思えば感情を閉ざし。燃えます、頑張りたくなっちゃいます。

 宝井は最後まで頑張れるのか。バイトも恋も、道楽で終わってしまうのか? あたたかく幸せな時はいつまでも続きませんが、自分の道は自分で切り拓ける。恋愛事だけではなく、男・宝井の成長ぶりも眩しい物語。描き下ろし後日談も素敵でした!

◆『溺れるわからずや』
 こちらの短編も萌×2でした。幼馴染みの高校生カップル、カメとタマ。幼馴染みならではの、遠慮がいらない部分と踏み込めない部分のほろ苦甘さバランスが絶妙っ。
勝負→告白の流れも男らしくて良かったです!

2

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