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never knot
Soieさんの2冊目。
独特の絵がとても印象的なのと同時に雰囲気系の作品であるのは特徴であるとは思うのだが、
今回2冊目を読んで更に強く感じたのは、この作家さんが描く作品というのは関係性にテーマがあるということではないだろうか?
前作もそうであったが、相手に求めるものが(相互というより片方に対して)かなり明確であり、それが相手を切望する要素となっている。
それをスタイリッシュな絵柄と雰囲気で見せて行くという、かなり解りやすいものではあるが
恋愛の機微を楽しみたい、味わいたい方にはちょっと物足りなさを感じさせてしまうかもしれない。
今回のお話はイタリアマフィアの幹部と日本のヤクザ
ヤものにしてはかなりお洒落。全く泥臭くなく任侠の香りはしない。
イタリアマフィアの若手カール達は日本でその勢力素地を作る為来日、中華系組織と手を組もうとするのだがそこに立ちはだかるのが、シマを仕切る日本の組と、その若き組長・耀。
彼等は空港で最初の出会いをしていて、それぞれに感じるものを持っていた。
カールと耀の関係と結びつきを描いていくものだが
二人の関係、いや、カールにかなり強い欲求がある。
「持っている者」とその者への強い執着と、その者を自分のモノにしたいという欲求。
それは彼の生まれと育ちに関係するものだと、話の冒頭だったり合間に挟み込まれるシーンでわかる。
権力を持つモノに愛され、しかし自分は一番でなく自分だけのものではない。
(それは自分を子供の頃からかわいがってくれたマフィアのドンとの関係において)
決してカールは地位的に一番にのしあがりたいという、出世欲なのではなく、かといって権力を持つモノへの隷属的欲求でもなく
しかし、手に入れたいという強い力への渇望な気がする。
それを持っていると感じたのが耀。
彼はヤクザの家に生まれながら、皆に慕われ家族に愛され、生まれながらに上に立つモノとして育ち、それに甘んじることなくリーダーとして(若さなりのヤンチャも併せ持つが)いわゆる、ファミリーの中心人物として信頼と愛情を一身に受けている人物。
そして力ももっている。
渇望するカールの欲求の、まんまそんな存在であるのです。
耀は虎を飼っています(ビックリ♪)
虎にも愛され、まるで猫とじゃれるように(このシーン面白いよ♪)ペットとしている
猫好きなのかな?
最初にカールと遭った時、手がしびれるような感覚を覚えたと、
それは虎を見つけたような感覚だったかもしれない。
そうやって、必然として彼等は引きあうような関係性にもっていってる。
多分、物足りないとすればこの”ありき”部分かもしれないが
カールと耀の関係性はなかなかに面白いものがある。
カールが耀を組み敷き(それはわかる)耀はそれさえも受け入れてひょうひょうとしている(虎にじゃれつかれて押し倒されたくらいの感覚?)
容易には彼等は互いのモノにはならないという、それがちょっとおしゃれでカッコイイ?
マフィアとやくざ、一見同じようでいて相容れない互いの立場
そして秘密の関係。
雰囲気を味わいたい方にはいいかも?
自分的には、結構好きなんですが♪
勢力拡大のために来日したマフィアの幹部・カールと、白姫組2代目組長のアキラ。
イタリアマフィアのメンバーがアイドルグループに見えて仕方ないとか、マフィア幹部と組長が二人きりでそうそう何度も会えるかしらとか、貫録がないとか煮えたぎるような血の匂いがしないとか、マフィア×極道と言われるとちょっと物足りなさを感じる作品ではありますが、敵対する2人が惹かれ合ってしまうストーリーは大好物。長髪と刺青が絡み合うHシーンにも萌え×2でした。
何よりカバー下で「パンツを履こうとして止められている」作者さんの自画像が可愛すぎました。☆ひとつ増やしたくなっちゃいましたがまだパンツを履かせるわけにはいかないので「萌」評価です。
若くして組を継ぎ、皆から慕われているアキラ。上に立つものへの嫉妬と羨望の気持ちをもってアキラに執着するカール。好きとか愛しているとかではなく、牽制し合いながらもお互いに惹かれ合ってしまう様子が美しくエロいです。
カールに媚薬を盛られての強姦で始まった2人の肉体関係。強姦は好みじゃないのですが着衣エロに萌えました。
「今日は殴られないと思ったんですがね」という2度目の逢瀬では、睨み合いながらのSE×。言葉ではなく体で語り合う2人、探り合うようでいてどこか通じ合っているような妖しい雰囲気がたまりません!
そして最も萌えた最後のHシーン。カール愛用の媚薬入りローションを使うことを拒むアキラ。そのままのお前を感じたい、そういう事ですか!?
描き下ろしではその後一緒に料理をしているラブラブな2人。決して手を取り合えない2人ではありますが、何だかんだでずっと腐れ縁は続いていきそうです。2人の物語が長く続いていってくれたらなぁ、と思いました。
白姫組組長の耀は、部下に慕われる切れ者組長でとってもカッコ良かったです。
周りへの愛情が深く、自分のことより周りのことを優先してしまうような存在。
だからこそ、自分に対して切実に手を伸ばしてくるカールを気にかけ、どこか受け入れてしまっていたのかなと思いました。
カールと耀の間にある関係は体だけのもの。愛情や恋情で繋がっているわけではないと思います。ただ、これからの関係は積み重なっていくほどに耀の中で愛情が生まれていくようにも感じました。
カールは、耀の存在を求める理由に組長という肩書を背負った、人の上に立つ存在に憧れと妬みがあるからのように言っていますが、初めて耀と出会ってその肩書もわからないうちからビシビシと耀の存在に惹かれていたのでそんなのは自分に対する言い訳なんじゃないかと。
マフィアや極道などの設定があって、そういった部分からもストーリー展開をするのかと思っていたら基本はずっとカールと耀の恋愛ものでした。
ここから始まっていく二人の関係の変化や、カールがもう少し自分の感情を素直に受け止められるようになったりしないのかなぁ。そんなところが見てみたいと思います。
ここで終わるの?続編あるの?といった感じです。
キャラクターがとてもクールでスタイリッシュに描かれていて、物語も語りすぎないように作られていたと思います。
深読みが好きな人向きな作品かもしれません。
Soieさんの作品を読むのはこれが2冊目です。
丸ごと1冊表題作のお話です。
表紙からも分かりますが、中身の絵もスッキリとスタイリッシュな絵柄で見やすく、私は割と好みです。
裏社会モノなのですが、血なまぐさい展開はないので、裏社会モノの闘争が苦手な方にも大丈夫な作品かもしれません。
その反面、そういう任侠の展開やかなり厳しい男同士の関係を望んでいる方には物足りないかも。
「ドン」や「組長」に対する羨望や忠誠心がこのお話の中心になっていて、いわゆる恋愛っぽい展開を望んでいる方にも合わないかもしれません。
表面上ではほぼ全く甘い展開はないのですが、言葉にされていない所を自分で想像したり、いわゆる「行間を読む」作業には結構楽しいかも。
私はこの作品を執着心の強い美人な攻め様xツンデレ男前な受け様という風に読みました(笑)。
脇キャラもみんな裏社会の人達なのですが、結構コミカルな役どころで登場しています。
個人的には…豆寅をもっと見たかった!(笑)
独特の雰囲気を持った作家さんです。